アイカ工 - 2026年3月期第2四半期(中間期)決算説明会資料 ★★★

目次

基本情報

2026年3月期第2四半期(中間期) 決算説明会

2025年11月26日 証券コード:4206

2026年3月期第2四半期(中間期)決算説明会ハイライト

連結業績

  • 売上高・営業利益・経常利益・中間純利益 [※1] は 過去最高を更新
  • 営業利益・経常利益・中間純利益 [※1] は 5期連続増益

化成品

  • 国内:塗り壁材などの建設樹脂が好調
  • 海外:AAPグループ [※2] 、EMCグループ [※3] ともに減収減益

建装建材

  • 国内:高付加価値商品を中心に伸長し、業績に貢献
  • 海外:中国の不動産市況低迷により低調に推移

今期計画

  • 通期で 過去最高 の売上高・営業利益・経常利益・当期純利益 [※1] を計画

配当

  • 2026年3月期は前期実績より 10円増配となる136円 を予定

成長投資

  • M&Aを中心に全方位で投資機会を模索しており、現在、鋭意検討中

※1 親会社株主に帰属する中間純利益および当期純利益
※2 AAP:アイカ・アジア・パシフィック
※3 EMC:エバモア・ケミカル

2-1. 連結決算の概要

  • 売上高・営業利益・経常利益・中間純利益 [※] : 過去最高 を更新
  • 営業利益・経常利益・中間純利益 [※ ] : 5期連続増益
2025/3期 中間期 実績/利益率 2026/3期 中間期 計画/実績/利益率/前期比/達成率
売上高 [百万円] 120,140 / ー 126,600 / 121,351 / ー / +1.0% / 95.9%
営業利益 [百万円] 13,147 / 10.9% 13,600 / 13,348 / 11.0% / +1.5% / 98.1%
経常利益 [百万円] 14,230 / 11.8% 14,300 / 14,671 / 12.1% / +3.1% / 102.6%
中間純利益※ [百万円] 8,855 / 7.4% 8,900 / 9,424 / 7.8% / +6.4% / 105.9%
1株当たり中間純利益 [円] 138.44 / ー 141.79 / 151.29 / ー / +9.3% / 106.7%

※ 親会社株主に帰属する中間純利益

2-2. 連結決算の推移

  • CAGR [※1] :売上高 +5.3% 、経常利益 +9.6%

※1 2022/3期-2026/3期の年平均成長率
※2 親会社株主に帰属する中間純利益

2-3. セグメント別業績

  • 営業利益:計画に対して化成品は下振れ、建装建材は上振れ
[百万円] 売上高 営業利益
化成品 2025/3期 中間期 実績: 66,973 / 2026/3期 中間期 実績: 67,571 (+0.9%) / 2026/3期 中間期 計画: 69,750 (96.9%) / 利益率: 6.8% / 6.5% / ー / 6.8% / ー 2025/3期 中間期 実績: 4,619 / 2026/3期 中間期 実績: 4,368 (△5.4%) / 2026/3期 中間期 計画: 4,760 (91.8%) / 利益率: 6.8% / 6.5% / ー / 6.8% / ー
建装建材 2025/3期 中間期 実績: 56,850 / 2026/3期 中間期 実績: 52,569 (+3.4%) / 2026/3期 中間期 計画: 54,378 (95.7%) / 利益率: 20.0% / 20.7% / ー / 19.3% / ー 2025/3期 中間期 実績: 10,518 / 2026/3期 中間期 実績: 11,231 (+6.8%) / 2026/3期 中間期 計画: 11,000 (102.1%) / 利益率: 20.0% / 20.7% / ー / 19.3% / ー
(配賦不能営業費用) △1,990 / △2,252 / ー / △2,160 / ー △1,990 / △2,252 / ー / △2,160 / ー
合計 2025/3期 中間期 実績: 120,140 / 2026/3期 中間期 実績: 121,351 (+1.0%) / 2026/3期 中間期 計画: 126,600 (95.9%) / 利益率: 10.9% / 11.0% / ー / 10.7% / ー 2025/3期 中間期 実績: 13,147 / 2026/3期 中間期 実績: 13,348 (+1.5%) / 2026/3期 中間期 計画: 13,600 (98.1%) / 利益率: 10.9% / 11.0% / ー / 10.7% / ー

2-4. 海外売上高

[億円] 2025/3期 中間期実績 (売上高/海外売上比率) 2026/3期 中間期実績 (売上高/前期比/海外売上比率)
化成品 483.3 / 71.5% 474.4 / △1.8% / 70.8%
建装建材 96.8 / 18.4% 86.4 / △10.7% / 15.9%
合計 580.1 / 48.3% 560.9 / △3.3% / 46.2%

2-5. 【参考】主要財務項目の状況(連結)

[億円] 2024/3期 中間期 2025/3期 中間期 2026/3期 中間期
研究開発費 19.4 20.6 21.2
減価償却費 30.2 35.5 37.9
設備投資額 34.8 38.6 42.6
借入金残高 123.2 119.7 104.1
自己資本比率 58.5 60.9 62.4

3-1. 化成品セグメント商品群別売上実績

  • 接着剤、機能材料:減収、建設樹脂:増収
[億円] 2025/3期 中間期 実績/通期 実績 2026/3期 中間期 計画/中間期 実績/前期比/達成率
接着剤(うちAAP※グループ) 464.4 / 958.9 (360.1) / (747.4) 480.0 / 460.3 / △0.9% / 95.9% (372.0) / (352.8) / (△2.0%) / (94.9%)
建設樹脂 52.9 / 109.7 55.0 / 54.3 / +2.7% / 98.8%
機能材料 89.3 / 179.6 91.5 / 82.5 / △7.6% / 90.2%
その他 69.0 / 137.5 71.0 / 72.4 / +5.0% / 102.1%
合計 675.7 / 1,385.8 697.5 / 669.7 / △0.9% / 96.0%

※ AAP:アイカ・アジア・パシフィック

3-2. 化成品セグメント営業利益実績

※ 配賦不能営業費用控除前営業利益

原材料影響等 △27 / 価格転嫁・コストダウン +220

3-3. 化成品セグメント実績(海外)

  • 2026年3月期中間期において、AAPグループは中国市況の悪化に直面

AAP [※] グループ
売上高:360.1億円(25/3期中間期) → 352.8億円(26/3期中間期)
営業利益:26.3億円(25/3期中間期) → 22.9億円(26/3期中間期)

EMC [※] グループ
売上高:114.3億円(24/3期中間期) → 87.8億円(25/3期中間期) → 71.1億円(26/3期中間期)
営業利益:1.3億円(24/3期中間期) → 2.5億円(25/3期中間期) → 1.1億円(26/3期中間期)

※ AAP:アイカ・アジア・パシフィック ※ EMC:エバモア・ケミカル

3-4. 化成品セグメント売上実績(国内)

接着剤

  • 梱包用のホットメルトが好調
  • 合板用接着剤や繊維・塗料用アクリルエマルジョンも堅調

建設樹脂

  • 塗り床材は前年好調による反動減
  • 一方、塗り壁材「ジョリパット」が好調

機能材料

  • 電子材料用の高機能フィルムが好調
  • 一方、化粧品用の有機微粒子が低調

3-5. 建装建材セグメント商品群別売上実績

  • 高付加価値商品(メラミン化粧板・国内、セラール、住器建材)が伸長
[億円] 2025/3期 中間期 実績/通期 実績 2026/3期 中間期 計画/中間期 実績/前期比/達成率
メラミン化粧板 167.0 / 350.9 178.0 / 162.5 / △2.7% / 91.3%
ボード・フィルム等 60.9 / 124.6 65.5 / 57.0 / △6.4% / 87.2%
セラール 114.3 / 237.7 123.0 / 121.9 / +6.6% / 99.1%
不燃建材 36.4 / 74.1 39.0 / 37.5 / +3.0% / 96.3%
住器建材 146.8 / 313.5 163.0 / 164.6 / +12.1% / 101.0%
合計 525.6 / 1,101.0 568.5 / 543.7 / +3.4% / 95.7%

3-6. 建装建材セグメント営業利益実績

※ 配賦不能営業費用控除前営業利益

原材料影響等 △803 / 価格転嫁・コストダウン +636

3-7. 建装建材セグメント実績(国内)

  • 建設市場が厳しい環境にあるなか、高付加価値商品が伸長(26年3月期中間期:前年比 +9.6% )

国内建設市場(前年同期比)

  • 住宅(着工戸数):新築 △5.9%
  • 非住宅(着工面積):新築 △12.6%
  • リフォーム・リニューアル:受注高 △7.8% / 受注高 +14.8%

※このスライドでは、メラミン化粧板、セラール、住器建材を高付加価値商品と定義しています

3-8. 建装建材セグメント国別売上実績(海外)

(グラフデータは省略)

4-1. 2026年3月期経営環境予測

国内建設市場

  • 住宅(着工戸数):2025年3月期(実績) - 3.1% → 2026年3月期(予測) - 2.6% → △6.6%
  • 非住宅(着工面積):2025年3月期(実績) - 5.1% → 2026年3月期(予測) - 7.6% → △7.4%
    • 中国の不動産市場低迷や米国関税の影響は引き続きリスク要因となる。一方、東南アジアは安定した成長が期待され、インドでは製造業や技術分野を軸に高い成長が見込まれる。

海外市場

  • 為替換算レート:2025年3月期(実績) 1USD=151.43円 → 2026年3月期(予測) 1USD=150.00円
  • 国産ナフサ価格:2025年3月期(実績) 75,800円/kl(中間期) 75,500円/kl(通期) → 2026年3月期(予測) 69,900円/kl(中間期) 67,200円/kl(通期)

4-2. 2026年3月期通期計画

■期初計画を据え置き、売上高・利益ともに過去最高を計画

2025/3期 実績 (金額/利益率) 2026/3期 計画 (金額/利益率/前期比/増減額)
売上高 [百万円] 248,696 / ー 265,000 / ー / +6.6% / +16,304
営業利益 [百万円] 27,408 / 11.0% 29,000 / 10.9% / +5.8% / +1,592
経常利益 [百万円] 28,668 / 11.5% 30,000 / 11.3% / +4.6% / +1,332
当期純利益※ [百万円] 16,896 / 6.8% 18,300 / 6.9% / +8.3% / +1,404
ROE 10.1% / ー 10%以上 / ー / ー / ー
1株当たり当期純利益 [円] 266.36 / ー 291.55 / ー / ー / ー

※親会社株主に帰属する当期純利益

4-3. 2026年3月期通期セグメント別計画

■期初計画を据え置き、両セグメントともに、過去最高の売上高・営業利益を計画

[百万円] 売上高 (2025/3期 実績 / 2026/3期 計画 / 前期比) 営業利益 (2025/3期 実績 / 2026/3期 計画 / 前期比 / 利益率)
化成品 138,587 / 145,600 / +5.1% 9,331 / 9,900 / +6.1% / 6.8%
建装建材 110,109 / 119,400 / +8.4% 22,535 / 23,900 / +6.1% / 20.0%
(配賦不能営業費用) △4,458 / △4,800 / ー △4,458 / △4,800 / ー
合計 248,696 / 265,000 / +6.6% 27,408 / 29,000 / +5.8% / 10.9%

5-1. 化成品セグメント商品群別売上計画

■全ての商品群において前年を上回る売上を計画

2025/3期 実績 [億円] 通期 2026/3期 計画 通期 (前期比)
接着剤 958.9 (うちAAP ※ グループ) (747.4) 1,003.0 (+4.6%) (782.0) (+4.6%)
建設樹脂 109.7 115.0 (+4.8%)
機能材料 179.6 195.0 (+8.6%)
その他 137.5 143.0 (+4.0%)
合計 1,385.8 1,456.0 (+5.1%)

※ AAP:アイカ・アジア・パシフィック

5-2. 化成品セグメント営業利益計画

■海外は厳しい状況が続くものの、アイカ工業単体で価格転嫁などの採算性改善により増益を計画

※ 配賦不能営業費用控除前営業利益

原材料影響等 +451 / 価格転嫁・コストダウン +420

5-3. 化成品セグメント海外AAPグループ方策

リテール向け強化

  • リテール向け強化で高付加価値品を拡大、商品ミックス改善
  • リテール市場におけるAAPの強み:商流の強み、豊富なラインナップ、グループネットワークを活かした調達力、強固な販売・物流網(卸売店約2,400)、ブランド力(LemFOX、DB)
  • リテール向け販売量拡大:ADBS連結(2024年12月)
  • 今後の方策:シナジー強化(AAP×ADBS)、ブランド活用、ラインナップ増強、販路拡大(代理店強化、AICAネットワーク活用)
  • リテール向け強化により商品ミックス改善で利益成長

5-4. 化成品セグメント海外AAPグループ方策

福建工場稼働

  • 福建エリアの需要獲得に向け、2025年8月に操業開始

アイカ福建工場概要
* 生産品目:フェノール樹脂、ホルマリンなど
* 用途:竹材用、フロア材用、合板用など

福建工場の役割
* 南京・広東工場では取り込めていない空白地帯の需要獲得(フェノール樹脂、ホルマリン)

福建エリアのシェア拡大
* 2025年 約9% → 2030年(計画) 30 %

※福建エリアにおける、福建工場生産品目の市場需要量(自社調べ)

5-5. 化成品セグメント国内方策

接着剤 ホットメルト

  • 自動車ランプ、梱包用が成長をけん引

機能材料 3次元加飾フィルム ルミアート

  • 海外量産車の外装に初の採用見込み
  • 特徴:ニーズを把握、ユーザーの要望に応えられる性能・品質・コスト
  • プロモーション活動:専用サイト、展示会(国内・海外)
  • 自動車外装用の拡大により、32/3期に売上高 50 億円を目指す

5-6. 建装建材セグメント商品群別売上計画

■全ての商品群において前年以上、住器建材は前年比10%以上の計画

[億円] 2025/3期 実績 通期 2026/3期 計画 通期 (前期比)
メラミン化粧板 350.9 375.0 (+6.9%)
ボード・フィルム等 124.6 134.0 (+7.5%)
セラール 237.7 257.0 (+8.1%)
不燃建材 74.1 79.0 (+6.6%)
住器建材 313.5 349.0 (+11.3%)
合計 1,101.0 1,194.0 (+8.4%)

5-7. 建装建材セグメント営業利益計画

■原材料上昇の影響を見込むが、高付加価値商品の伸長とグループ会社の寄与により増益を計画

※ 配賦不能営業費用控除前営業利益

原材料影響等 △2,172 / 価格転嫁・コストダウン +1,908

5-8. 建装建材セグメント国内方策

スマートサニタリー 住宅向け

  • 26/3期中間期 売上高前年比 + 46 %

セラールセレント 住宅・非住宅向け

  • 26/3期中間期 売上高前年比 + 28 %
  • セラールセレントの用途拡大で、住宅向け成長(+ 36 %)、非住宅向け(+ 21 %)

ショールームの活用

  • ショールームの活況により今後も成長を続ける見通し

生産体制強化

  • 海外拠点での製造開始など、製造キャパは前年の約 2 倍に
  • 需要の拡大に対応し、生産体制を整え、成長を続ける

5-9. 建装建材セグメント海外方策

■ラインナップを拡充し、高い品質を武器に海外市場でシェアを伸ばす

  • デザイン力を発信しブランド強化(設計活動、ショールーム展開、カタログ展開)
  • 日本のカタログノウハウ × 現地ニーズ

6-1. 中期経営計画の進捗(財務目標)

前中計 2023/3期 実績
売上高 [億円] 2,420
経常利益 [億円] 220
AS商品※1売上高※ 2 [億円] 193
海外売上高比率 51.2%
ROE 6.9%
ROIC 8.1%

※1 AICA Solution 商品の略。様々な社会課題を解決する商品
※2 アイカ工業単体

6-2. 中期経営計画の進捗(セグメント別目標)

前中計 2023/3期 実績
化成品 売上高 [百万円] 141,312
化成品 営業利益 [百万円] 7,494 (5.3%)
化成品 EBITDA [百万円] 11,119 (7.9%)
建装建材 売上高 [百万円] 100,743
建装建材 営業利益 [百万円] 16,740 (16.6%)
建装建材 EBITDA [百万円] 19,910 (19.8%)

※ 連結消去後、配賦不能営業費用控除前

6-3. 中期経営計画の進捗(マテリアリティ)

2026/3期中間期 実績
財務 1 経済価値の提供 売上高1,213億円 経常利益146億円 海外売上高比率46.2%
財務 2 商品を通じた社会課題解決 AS商品※1売上高※2:127億円 メラミンタイル、セラールセレント、スマートサニタリー等が好調
非財務 3 気候変動対応 GHG排出量(スコープ1&2):2026年度までに2022年度比14%削減に向けて計画通り進捗。連結ベースのスコープ3を算定、9月開示済み。削減目標は検討中。複数の製品でEPD認証取得対応中
非財務 4 人的資本経営の基盤構築 人的資本投資額※2:10億円以上(2026/3期通期見込み)。グローバル人材育成:海外新規赴任者2名。新規海外トレーニー1名派遣。エンゲージメントスコア:エンゲージメント向上活動施策を立案し、鋭意推進中
非財務 5 DX対応 自動化・省人化に資する設備投資額、情報化投資額:151百万円
非財務 6 ガバナンス強化 BCP体制、地震防災規程見直し。水害リスク再評価。下期全サイトBCP訓練実施予定。国内グループ会社の主要サプライヤーへのCSR調査結果を分析中。ファイヤーウォール・VPNソフト常時最新化を維持。ITガバナンスに関する情報共有会を継続開催
非財務 7 品質保証・労働安全 重大な労災件数0件。休業災害件数7件(昨年度通期より減少の見通し)

※1 AICA Solution商品の略。様々な社会課題を解決する商品
※2 アイカ工業(株)単体

6-4. 配当

期末
中間

投資判断(AI生成)

投資評価: ★★★

評価の理由:
本決算は、売上高、営業利益、経常利益、純利益のすべてで過去最高を更新し、5期連続の増益を達成しており、財務実績は非常に堅調です。特に、国内の建装建材セグメントにおける高付加価値商品(セラール、住器建材など)の伸長が業績を牽引しています。また、自己資本比率が62.4%と高く、財務の健全性も維持されています。

一方で、懸念点も存在します。化成品セグメントの海外事業(AAP、EMCグループ)が減収減益となっており、特に中国市場の低迷が業績に影響を与えています。また、国内建設市場の低迷(住宅着工戸数、非住宅着工面積の減少)が予測されており、これが将来的な建装建材事業の成長に逆風となる可能性があります。通期計画は据え置きながらも、中間期の実績は計画達成率が95%台であり、下期での挽回が求められます。

投資判断の根拠:
保有(ニュートラル寄り)。過去最高益の更新と堅調な国内事業の成長は評価できますが、海外事業の停滞と国内建設市場の先行きの不透明さから、大幅な成長期待は限定的です。財務基盤は強固であり、配当増額もポジティブですが、現状の評価は市場平均レベルと判断します。

重要なポイント:
1. 国内建装建材事業の堅調さ:厳しい国内建設市場環境下で、高付加価値商品が業績を牽引している点は強み。
2. 化成品海外事業の低迷:AAPグループ、EMCグループの減収減益が全体業績の足を引っ張っている。
3. 財務健全性の維持:自己資本比率が60%を超え、安定した財務基盤を維持している。
4. 国内建設市場の先行きの不透明さ:住宅・非住宅ともに着工戸数・面積の減少が予測されており、建装建材事業の成長にリスク要因となる。

会社への質問(AI生成)

海外事業(AAPグループ、EMCグループ)の減収減益が続いているにも関わらず、通期計画を据え置いている理由を教えてください。特に、中国市況の悪化が継続する中で、下期にどのような具体的な改善策と達成見込みがあるのでしょうか?

建装建材セグメントにおいて、国内建設市場の低迷(住宅着工戸数△6.6%、非住宅着工面積△7.4%予測)が続く中、高付加価値商品の売上計画が前年比で高い成長率(住器建材+11.3%など)を維持できる具体的な根拠は何でしょうか?

化成品セグメントの機能材料において、電子材料用高機能フィルムが好調である一方、化粧品用有機微粒子が低調な理由は何ですか?また、化粧品用材料の回復見込みと、電子材料用フィルムの今後の需要見通しについて詳細を教えてください。

売上倍増のための施策(AI生成)

施策名 成功率(%) インパクト 評価コメント
建装建材:高付加価値商品の海外展開加速 70% A 国内で実績のある「セラール」「住器建材」の高付加価値商品を、海外市場(特に成長が見込まれる東南アジアやインド)で積極的に展開する。国内市場の停滞リスクを分散し、高収益セグメントの成長を加速させる。
化成品:AAPグループの事業構造転換(リテール特化) 65% S 中国市場の低迷が続く中、AAPグループの強みであるリテール市場に特化し、高付加価値品へのシフトを徹底する。ADBSとのシナジーを早期に最大化し、利益率改善と売上拡大を両立させる。
化成品:福建工場を活用した新規市場開拓 75% A 2025年8月稼働の福建工場を核に、これまでカバーできていなかった福建エリアの需要を確実に獲得する。特にフェノール樹脂・ホルマリンのシェア目標達成に向けた具体的な営業戦略が必要。
建装建材:国内リフォーム・リニューアル市場への集中投資 60% B 新築着工が減少する中、リフォーム・リニューアル市場(中間期受注高+14.8%)に注力し、高付加価値商品の販売チャネルを強化する。ショールームの活用をさらに推進する。

最優先戦略(AI生成)

最も優先すべき戦略は、「化成品:AAPグループの事業構造転換(リテール特化)」です。

理由と詳細:
現在の業績において、化成品セグメントの海外事業(AAPグループ、EMCグループ)は減収減益となっており、全体業績の足を引っ張る主要因となっています。特にAAPグループは中国市況の悪化に直面しており、既存の事業構造では成長が困難な状況です。

この状況下で、説明会資料で言及されている「リテール向け強化」と「ADBS連結によるシナジー強化」は、AAPグループの強みを活かしつつ、低迷する市場環境に対応するための最も現実的かつインパクトの大きい戦略です。リテール市場は卸売店ネットワークとブランド力という同社の強みが活きる領域であり、高付加価値品への商品ミックス改善を通じて利益率向上も期待できます。

成功率65%、インパクトSと評価しましたが、これはADBSとのシナジー創出のスピードと、リテール市場における高付加価値品の浸透度合いにかかっています。下期計画達成のためにも、この戦略の実行状況と進捗管理が最重要課題となります。福建工場の稼働も重要ですが、既存事業の構造転換による収益性改善が、短期的な業績安定化と長期的な成長の基盤となります。

ITコンサルからの提案(AI生成)

1. 海外事業(AAPグループ)の販売・在庫管理の最適化

目的: AAPグループの販売・物流プロセスを標準化し、在庫の最適化とリードタイム短縮を図る。
期待される効果: 海外拠点間の在庫の可視化と最適配分により、過剰在庫リスクを低減し、キャッシュフローを改善する。また、販売リードタイムの短縮により、顧客満足度を向上させ、売上機会損失を防ぐ。
実現可能性: 既存のERPシステムやSCMシステムとの連携を強化し、リアルタイムでのデータ連携基盤を構築することで実現可能。

2. 建装建材セグメントの生産計画・需要予測の高度化

目的: 国内建設市場の変動に対応するため、高付加価値商品の需要予測精度を向上させ、生産計画を最適化する。
期待される効果: 需要予測に基づいた生産計画により、生産効率を向上させ、原材料の過剰発注や欠品リスクを低減する。特に、リフォーム・リニューアル市場の需要変動への対応力を高める。
実現可能性: 過去の販売実績データ、リフォーム市場の動向データ、ショールームの来場・問い合わせデータを統合し、AI/機械学習を活用した需要予測モデルを構築する。

3. 化成品セグメントの福建工場稼働に伴うサプライチェーン統合

目的: 新設された福建工場の生産能力を最大限に活用し、既存の南京・広東工場との連携を最適化する。
期待される効果: 生産品目の重複を避け、地域ごとの需要に合わせた最適な生産体制を構築する。これにより、物流コストの削減と、福建エリアのシェア拡大目標達成をITシステム面から支援する。
実現可能性: 新工場の生産管理システム(MES)と既存の基幹システムとのデータ連携を確立し、生産計画・在庫管理を統合プラットフォーム上で実行する。