トクヤマ - 2026年3月期第3四半期決算説明資料 ★★

基本情報

2026年3月期第3四半期決算説明会

2026年1月30日

2026年3月期第3四半期決算のポイント

売上高はトクヤマライフサイエンス(TLS)グループ*の新規連結や半導体関連製品の販売増加が増収要因となった一方、塩ビ関連製品の海外市況下落などにより、対前年同期比で減収となりました。

半導体関連製品の堅調な販売、および製造コストの改善が進んだこと等により、営業利益は対前年同期比で増益となりました。

第3四半期までの進捗を踏まえ、通期業績予想を下方修正しました。

*トクヤマライフサイエンス(TLS)グループ:体外診断用医薬品および体外診断用医薬品材料(IVD/IVDM)事業

❶ 2026年3月期第3四半期決算

決算概要

(億円)

2025年3月期 第3四半期 2026年3月期 第3四半期 増 減 主要な変動要因
金額 %
売上高 2,533 2,515 △18 △1
営業利益 210 267 +56 +27
経常利益 219 274 +54 +25
親会社株主に帰属する四半期純利益 169 188 +19 +12
1株当たり四半期純利益(円) 235.15 262.28 - -
為替(円/$) 153 149 - -
国産ナフサ価格(円/kℓ) 77,300 65,000 - -

(億円)

2025年3月末 2025年12月末 増 減 主要な変動要因
総資産 4,762 5,563 +801 TLSグループ新規連結
自己資本 2,615 2,770 +155 親会社株主に帰属する四半期純利益の積み上げ
自己資本比率 54.9% 49.8% △5.1pt -
有利子負債 1,106 1,638 +531 コマーシャル・ペーパーおよび長期借入金の増加
D/Eレシオ 0.42 0.59 +0.17 -
ネットD/Eレシオ* 0.13 0.41 +0.28 -
1株当たり純資産(円) 3,635.62 3,851.04 - -

*ネットD/Eレシオ:(有利子負債-現預金・現金同等物・金銭信託)/自己資本

セグメント別売上高/営業利益(前年同期比)

(億円)

2025年3月期 第3四半期 2026年3月期 第3四半期 増 減
売上高 営業利益 売上高
化成品 859 79 791
セメント 496 57 502
電子先端材料 621 53 634
ライフサイエンス 305 59 336
環境事業 34 △0 42
その他 299 20 300
2,615 270 2,608
セグメント間消去・全社費用 △81 △59 △92
連結決算 2,533 210 2,515

(注)各事業セグメントの売上高・営業利益にはセグメント間取引を含む

営業利益増減分析(要因別)(前年同期比)

半導体関連製品数量増(+)、歯科器材数量増(+)、石炭・ナフサ価格下落(+)

セグメント別売上高/営業利益増減分析

化成品 減収減益

(苛性ソーダ)
輸出数量が減少したこと等により減益。

(塩ビモノマー・塩ビ樹脂)
海外市況が下落した一方、製造コストの減少等で前年同期並みの業績。

(ソーダ灰・塩化カルシウム)
販売数量の減少および物流費の増加等により減益。

セメント 増収増益

(セメント)
国内出荷が前年同期比で減少したものの、国内の販売価格改定と製造コストの改善等により増益。

電子先端材料 増収増益

(半導体向け多結晶シリコン)
製造コストの改善や、棚卸資産評価損の戻入を計上したこと等により増益。

(ICケミカル)
電子工業用高純度IPAの販売数量が増加したこと等により収益改善。

(乾式シリカ)
販売数量を維持し、前年同期並みの業績。

(放熱材)
半導体製造装置向けを中心に販売数量が増加したこと等により増益。

ライフサイエンス 増収減益

(歯科器材)
海外向けの出荷が増加したこと等により増益。

(診断)
A&Tグループは製品ミックスの変動および製造コストの増加等により減益。
TLSグループを当四半期より連結範囲に含めたことに伴い、のれん償却費等が発生。

(プラスチックレンズ関連材料)
棚卸資産評価損の戻入を計上したこと等により増益。

環境事業 増収黒字転換

(イオン交換膜)
膜および装置の出荷が増加したこと等により増益。

(廃石膏ボードリサイクル)
廃石膏ボード収集が堅調に推移し増益。

❷ 2026年3月期 業績予想

業績予想修正

‘25/04/28公表値から修正

(億円)

2026年3月期 予想 (2025/04/28公表) 2026年3月期 予想 (2026/01/30修正) 増 減 主要な変動要因
売上高 3,645 3,515 △130 △4
営業利益 415 390 △25 △6
経常利益 415 390 △25 △6
親会社株主に帰属する当期純利益 290 275 △15 △5
1株当たり当期純利益(円) 403.09 382.23 - -
為替(円/$) 上期実績:146、下期前提:145 1-3Q実績:149、4Q前提:150 - -
国産ナフサ価格(円/kℓ) 上期実績:64,600、下期前提:63,000 1-3Q実績:65,000、4Q前提:65,000 - -

3Qまでの進捗を踏まえ、2025年04月28日に公表した数値を修正

セグメント別業績予想修正

‘25/10/29公表値から修正

(億円)

2026年3月期 予想 (2025/10/29公表) 2026年3月期 予想 (2026/1/30修正) 増 減
売上高 営業利益 売上高
化成品 1,130 140 1,050
セメント 670 95 670
電子先端材料 1,000 140 950
ライフサイエンス 490 95 490
環境事業 65 5 65
その他 410 30 410
3,765 505 3,635
セグメント間消去・全社費用 △120 △90 △120
連結決算 3,645 415 3,515

(注)各事業セグメントの売上高・営業利益にはセグメント間取引を含む

2025年10月29日に公表したセグメント別内訳を修正

次期中期経営計画説明会開催について

中期経営計画説明会の開催

日時:2026年5月29日(金) ※予定
投資家・アナリスト向け 13:30~
マスコミ向け 16:00~

※詳細は別途ご案内

❸ 補足資料

連結財務諸表(要約)

損益計算書

(億円)

2025年3月期 第3四半期 2026年3月期 第3四半期 差 損 益
金額
売上高 2,533 2,515 △18
売上原価 1,739 1,607 +131
販管費 583 640 △56
営業利益 210 267 +56
営業外損益 9 7 △1
経常利益 219 274 +54
特別損益 23 4 △19
税前四半期純利益 243 278 +35
法人税等 75 86 △11
非支配株主損益 △0 3 △4
親会社株主に帰属する四半期純利益 169 188 +19

(注)差損益の表示は、利益を+、損失を△としている

貸借対照表

(億円)

2025年3月末 2025年12月末 増 減
金額
資産合計 4,762 5,563 +801
流動資産 2,346 2,191 △155
有形固定資産 1,722 1,840 +117
無形固定資産 42 643 +601
投資その他の資産 650 888 +237
2025年3月末 2025年12月末 増 減
金額
負債合計 2,023 2,643 +620
流動負債 913 1,146 +233
固定負債 1,110 1,496 +386
純資産合計 2,738 2,919 +180

業績推移

売上高(億円)

(グラフのデータは省略し、表形式のデータのみを整理)

2024年度 1Q 2024年度 2Q 2024年度 3Q 2024年度 4Q 2025年度 1Q 2025年度 2Q 2025年度 3Q
連結決算 825 830 878 896 818 819 877
化成品 305 267 286 290 274 248 268
セメント 163 159 173 150 160 163 178
電子先端材料 178 218 223 249 212 213 208
ライフサイエンス 100 99 105 114 90 101 143
環境事業 8 10 15 17 14 12 15

営業利益(億円)

2024年度 1Q 2024年度 2Q 2024年度 3Q 2024年度 4Q 2025年度 1Q 2025年度 2Q 2025年度 3Q
連結決算 75 64 71 88 78 112 75
化成品 27 24 26 28 28 28 21
セメント 17 19 20 16 25 23 24
電子先端材料 19 9 24 42 28 41 34
ライフサイエンス 20 17 20 19 17 23 16
環境事業 △1 △0 1 0 1 0 1

(注)連結決算の数値にはその他セグメント・調整額を含む

投資判断(AI生成)

投資評価: ★★

評価の理由は、事業構造の二極化と、それに伴う業績の不安定性、そして下方修正の発表による信頼性の低下にあります。

評価の理由:
本決算では、売上高は微減(-1%)ながら、営業利益は27%増と大幅に改善しました。これは、半導体関連製品の堅調な販売と製造コスト改善、および原材料価格の下落(ナフサ価格下落)による利益率改善が寄与しています。特に「電子先端材料」セグメントの営業利益は前年同期比+95%と突出しており、この分野が利益成長の主要因となっています。

一方で、主要セグメントである「化成品」は減収減益であり、塩ビ関連製品の市況下落が業績の足を引っ張っています。また、新規連結した「TLSグループ」は売上は増加したものの、のれん償却費の発生や製品ミックスの変動により減益となっており、M&Aのシナジー創出には課題が見られます。

最も懸念されるのは、第3四半期終了時点で通期業績予想を下方修正した点です。これは、第3四半期までの実績(売上高2,515億円、営業利益267億円)が、前回予想(売上高3,645億円、営業利益415億円)に対して、第4四半期に大幅な挽回が必要であることを示唆しています。特に売上高は前回予想比で約4%減、営業利益は約6%減と、市場の期待を裏切る結果となりました。

財務面では、TLSグループの連結により総資産が大幅に増加し、自己資本比率が54.9%から49.8%に低下しました。D/Eレシオも0.42から0.59に悪化しており、財務の健全性に対する懸念が生じています。

投資判断の根拠:保有
現状の評価は「保有」です。電子先端材料セグメントの成長性は魅力的ですが、化成品セグメントの市況依存度が高く、業績のボラティリティが高い状態です。また、下方修正は経営陣の計画策定能力に対する信頼性を低下させます。第4四半期の見通しが不透明であり、次期中期経営計画発表(2026年5月29日)を待って、成長戦略の具体性と実現可能性を評価すべき段階と判断します。

重要なポイント:
1. 業績の二極化: 電子先端材料セグメントの利益貢献度が非常に高いが、化成品セグメントの市況変動リスクが大きい。
2. 下方修正の発表: 第3四半期時点での通期予想下方修正は、計画の信頼性に疑問符がつく。
3. 財務健全性の悪化: M&Aによる資産増加に伴い、自己資本比率が低下し、負債比率が上昇している。
4. TLSグループの収益性: 新規連結したライフサイエンス事業の収益性が期待を下回っている(のれん償却費の影響はあるものの)。

会社への質問(AI生成)

[化成品セグメントの塩ビ関連製品について、海外市況下落が続く中で、第4四半期および来期に向けた具体的な価格戦略や販売数量維持のための施策、コスト削減目標を教えてください。]

[電子先端材料セグメントの営業利益が前年同期比+95%と大幅増益となった要因のうち、棚卸資産評価損の戻入額と、製造コスト改善の内訳(具体的にどの工程での改善か)を詳細に開示してください。]

[TLSグループの連結開始に伴い発生したのれん償却費がライフサイエンスセグメントの利益を圧迫していますが、この事業の具体的な成長戦略と、償却費を上回る利益創出の具体的なロードマップを教えてください。]

売上倍増のための施策(AI生成)

施策名 成功率(%) インパクト 評価コメント
電子先端材料セグメントの生産能力増強と高付加価値製品へのシフト 75% S 半導体市場の成長を捉え、高収益製品への集中投資を行う。既存のコスト改善ノウハウを活かし、高純度IPAや放熱材の生産能力を計画的に増強し、市場シェア拡大を目指す。
ライフサイエンス事業の海外展開加速と製品ポートフォリオ拡充 60% A 歯科器材の海外出荷増をテコに、TLSグループのIVD/IVDM事業のグローバル展開を加速。特に成長が見込まれるアジア市場での販売チャネルを強化し、製品ラインナップの拡充を図る。
セメント事業の国内価格維持と高付加価値製品への転換 70% B 国内販売価格改定による収益性維持を前提としつつ、環境負荷低減型セメントや特殊用途セメントなど、高付加価値製品の比率を高め、安定収益源とする。
化成品事業の構造改革と高付加価値製品への転換 50% A 市況変動の激しい汎用品(塩ビ、苛性ソーダ)への依存度を下げ、高機能化学品や特殊材料分野へのシフトを加速。既存技術の応用やM&Aも視野に入れた事業ポートフォリオの見直し。

最優先戦略(AI生成)

最優先戦略:電子先端材料セグメントの生産能力増強と高付加価値製品へのシフト

現在の業績において、電子先端材料セグメントは売上高の約25%を占めながら、営業利益の約50%を稼ぎ出す、極めて重要な成長エンジンとなっています。第3四半期の実績では、このセグメントの営業利益が前年同期比+95%と急伸しており、製造コスト改善と半導体関連製品の販売増が明確な成長ドライバーとなっています。

売上を倍増させるためには、このセグメントの成長を最大限に活用し、その成長を阻害する要因(生産能力の制約、特定製品への依存)を取り除くことが最優先事項です。

具体的な施策:
1. 生産能力の計画的増強: 半導体市場の長期的な成長予測に基づき、高純度IPAや放熱材などの高付加価値製品の生産能力を計画的に増強します。既存の製造コスト改善ノウハウを応用し、増産に伴う単位コストの上昇を抑制することが重要です。
2. 高付加価値製品へのシフト: 汎用品の多結晶シリコンへの依存度を下げ、より高いマージンが見込める先端プロセス向け材料へのシフトを加速します。これには、研究開発投資の強化と、顧客との共同開発体制の構築が不可欠です。
3. サプライチェーンの最適化: 増産に伴う原材料調達や物流のボトルネックを特定し、安定供給体制を構築します。特に、高純度材料の製造プロセスにおける品質管理体制を強化し、市場シェア拡大の基盤を固めます。

期待される効果:
この戦略は、現在の利益成長の源泉をさらに強化し、市況変動の激しい化成品セグメントの業績変動リスクを相殺する効果が期待できます。電子先端材料セグメントの売上を倍増させることは、全社売上倍増の最も現実的な道筋です。

課題とリスク:
半導体市場のサイクル変動リスク、競合他社との技術競争の激化、および増産に伴う初期投資の回収期間が課題となります。

ITコンサルからの提案(AI生成)

電子先端材料セグメントの生産能力増強と高付加価値製品へのシフトを支援するため、ITコンサルタントとして以下の具体的な支援を提案します。

1. 生産計画・需要予測の高度化(AI/ML活用)
* 目的: 半導体市場の変動に対応し、高付加価値製品の需要予測精度を向上させ、過剰在庫や機会損失を防ぐ。
* 支援内容: 過去の販売実績、市場動向データ、顧客の生産計画などを統合したAIベースの需要予測モデルを構築します。特に、高純度IPAや放熱材など、製品ライフサイクルの短い先端材料に特化した予測ロジックを組み込みます。
* 期待される効果: 生産計画の最適化によるリードタイム短縮と在庫最適化。

2. 製造実行システム(MES)の高度化とデータ統合
* 目的: 増産に伴う複雑化する製造プロセスをリアルタイムで可視化・管理し、品質管理とコスト改善を両立させる。
* 支援内容: 既存の生産設備とMESを連携させ、製造ロットごとの歩留まり、エネルギー消費量、原材料投入量などのデータをリアルタイムで収集・分析する基盤を構築します。特に、高純度材料の製造工程における微細な変動要因を特定し、品質の安定化を図ります。
* 期待される効果: 製造プロセスの標準化と、コスト改善の継続的な実行可能性の確保。

3. 研究開発(R&D)プロセス管理のデジタル化
* 目的: 新規高付加価値製品の開発リードタイムを短縮し、市場投入を加速させる。
* 支援内容: R&Dデータ管理システム(LIMSなど)を導入し、実験データ、試作結果、特許情報などを一元管理します。AIを活用した材料特性予測やシミュレーション環境を構築し、試行錯誤の回数を削減します。
* 期待される効果: 新製品開発のスピードアップと、技術的優位性の維持。