ホクト - 2026年3月期第2四半期 決算説明資料 ★★★

目次

基本情報

2026年3月期第2四半期 決算報告

2026年3月期第2四半期 決算のポイント

2026年3月期第2四半期 連結決算(前期比)

国内きのこ事業において、新中期経営計画に掲げた、新規開拓、エリア戦略などを推し進めたことにより、きのこの価格は堅調に推移したこと、また、化成品事業の農業資材分野において、大口設備案件を取り込んだ結果、売上、営業利益共に前年を上回る。

(単位:百万円)

2025年3月期 第2四半期 2026年3月期 第2四半期 前期比増減額 前期比増減率
売上高 35,998 38,080 2,081 5.8%
売上総利益 7,573 8,364 790 10.4%
売上総利益率 21.0% 22.0%
販管費 7,855 8,305 450 5.7%
営業利益 △282 58 340
営業利益率 △0.8% 0.2%
経常利益 △639 307 947
経常利益率 △1.8% 0.8%
当期純利益 △499 1,401 1,900
当期純利益率 △1.4% 3.7%
一株当たり利益 △15.74円 44.79円

2026年3月期第2四半期 セグメント別サマリー

国内きのこ事業
新規開拓、エリア戦略などを推し進めたことによりきのこ単価が堅調に推移し増収増益

海外きのこ事業
アメリカは順調、台湾は2Q業績が伸長したが1Qの遅れを取り戻すまでには至らず、マレーシアは販売不振が続き、増収減益

加工品事業
外食、デリカ、中食向け、市販向け商品は好調だった一方、アーデンでは7月以降主力得意先からの受注が順調に推移したが1Qの不振もあり、減収増益

化成品事業
農業資材分野における大口設備案件の取り込みにより増収増益

(単位:百万円)

営業利益
国内きのこ事業
海外きのこ事業
加工品事業
化成品事業

2026年3月期2Q 国内きのこ事業(平均販売単価の比較)

新中期経営計画に掲げた、新規開拓、エリア戦略などを推し進めたことにより、きのこの価格は比較的堅調に推移

当社前年対比 当社計画対比
ブナシメジ 104.6% 102.4%
エリンギ 104.3% 100.3%
マイタケ 104.6% 102.6%
霜降りひらたけ 108.5% 104.8%

2026年3月期2Q 国内きのこ事業(生産量の比較)

生産量はほぼ計画通り

当社前年対比 当社計画対比
ブナシメジ 99.7% 100.2%
エリンギ 98.1% 99.2%
マイタケ 99.4% 97.9%
霜降りひらたけ 103.1% 100.4%

2026年3月期第2四半期海外きのこ事業(前期比)

2025年3月期 第2四半期 2026年3月期 第2四半期 前期比増減額 前期比増減率
アメリカ 売上高 1,308万ドル 1,387万ドル 79万ドル 6.1%
アメリカ 営業利益 123万ドル 112万ドル △10万ドル △8.5%
アメリカ 為替 142.73 148.88
台湾 売上高 314百万NTドル 307百万NTドル △7百万NTドル △2.2%
台湾 営業利益 60百万NTドル 56百万NTドル △4百万NTドル △7.7%
台湾 為替 4.51 4.88
マレーシア 売上高 837万RM 677万RM △160万RM △19.2%
マレーシア 営業利益 △108万RM △233万RM △125万RM
マレーシア 為替 34.73 35.32

2026年3月期第2四半期連結決算(計画比)

(単位:百万円)

期初計画 2026年3月期 第2四半期 計画差 計画比増減率
売上高 38,100 38,080 △19 △0.1%
売上総利益 7,510 8,364 854 11.4%
売上総利益率 19.7% 22.0%
販管費 8,840 8,305 △534 △6.0%
営業利益 △1,330 58 1,388
営業利益率 △3.5% 0.2%
経常利益 △1,160 307 1,467
経常利益率 △3.0% 0.8%
当期純利益 280 1,401 1,121 400.5%
当期純利益率 0.7% 3.7%
一株当たり利益 8.95円 44.79円

2026年3月期第2四半期セグメント別概況(計画比)

(単位:百万円)

期初計画 2026年3月期 第2四半期 計画差 計画比増減率
国内きのこ事業 売上高 23,208 23,273 64 0.3%
国内きのこ事業 営業利益 △833 320 1,153
海外きのこ事業 売上高 3,923 3,827 △96 △2.5%
海外きのこ事業 営業利益 457 444 △12 △2.8%
加工品事業 売上高 3,932 3,837 △94 △2.4%
加工品事業 営業利益 118 175 56 48.0%
化成品事業 売上高 7,039 7,141 102 1.5%
化成品事業 営業利益 217 263 45 21.1%

2026年3月期第2四半期海外きのこ事業(計画比)

期初計画 2026年3月期 第2四半期 計画差 計画比増減率
アメリカ 売上高 1,431万ドル 1,387万ドル △43万ドル △3.0%
アメリカ 営業利益 84万ドル 112万ドル 28万ドル 34.1%
アメリカ 為替 151.10 148.88
台湾 売上高 319百万NTドル 307百万NTドル △12百万NTドル △3.8%
台湾 営業利益 60百万NTドル 56百万NTドル △4百万NTドル △7.6%
台湾 為替 4.50 4.88
マレーシア 売上高 875万RM 677万RM △198万RM △22.7%
マレーシア 営業利益 △80万RM △233万RM △152万RM
マレーシア 為替 34.00 35.32

2026年3月期通期の連結業績予想値の修正

(単位:百万円)

前回発表予想(5月14日発表) 今回修正予想(11月14日発表)
売上高 83,600 84,700
営業利益 4,280 5,830
経常利益 4,650 6,280
親会社株主に帰属する当期純利益 4,340 5,760
1株当たり当期純利益(円) 138.65 184.00

2026年3月期通期の個別業績予想値の修正

(単位:百万円)

前回発表予想(5月14日発表) 今回修正予想(11月14日発表)
売上高 56,900 58,000
営業利益 2,570 4,160
経常利益 3,350 4,850
当期純利益 3,470 4,340
1株当たり当期純利益(円) 110.86 138.64

配当について

2026年3月期中間配当は10円。期末配当は42円を予定。

最近の取り組み事項について

3社との協業を実施

<サステナビリティ分野で連携>
当社のプレミアムきのこ「一番採り生どんこ®」の栽培時に発生する茶色い液体を衣類等の染料としてアップサイクル※。
「椎茸カラー」のTシャツとして商品化。

※「アップサイクル」とは、きのこ栽培などの過程で生じる未利用資源を再活用し、環境負荷を低減しながら、新たな価値を創出する取り組みを指します。

ホクトの「霜降りひらたけ」開発に関わる研究成果が日本きのこ学会 2025年度技術賞を受賞

平成元年をピークに生産量が大きく減少した美味しいヒラタケを復活させたい、という強い想いから「霜降りひらたけ」を開発。
エリンギとヒラタケ両方の特徴を持つ新品種であり、きのこ総合研究所で長年培われた研究開発力によって開発された「奇跡の品種」です!

※「霜降りひらたけ」はホクト株式会社の登録商標です。

新発売『急速冷凍きのこ とれたて 1番♪』

当社では、新商品として「急速冷凍きのこ とれたて1番♪ 富山県産カットブナシメジ/長野県産カットエリンギ」を発売いたしました。

特徴
特徴1 採れたてのきのこをすぐに急速冷凍
収穫後すぐ急速冷凍することで、採れたて新鮮きのこの美味しさ/香り/食感をキープ!
特徴2 カット済み冷凍で便利
・下処理不要で袋から出してそのまま加熱調理に!
・冷凍庫でストックしておけばお好みの量使えます!
特徴3 無農薬、国産きのこ使用
安心安全のホクトのきのこを使用!

ホクトのエリンギが 26年ぶりにリニューアル!

品種改良により食感と見た目がリニューアルした新しいエリンギを発売します。

新エリンギの特長
約5万株にも及ぶ交配株の中から26年ぶりにリニューアル!
プリプリ食感と歯切れがアップ!
傘のフチまで厚みがあり、茎が白くなめらか!

プロモーション展開
- キャンペーン
- リュウジのバズレシピ
- きのこ組の動画配信
- パッケージリニューアル

参考資料

(参考)ブナシメジ 市場取引価格の推移

(円/kg)

4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 年間平均価格
2023年度 399 473 442 362 348 456 524 526 548 490 465 437 454
2024年度 471 433 406 362 367 476 535 604 715 660 523 494 508
2025年度 456 446 422 376 385 423

参考:東京都中央卸売市場、市場取引情報より

(参考)ブナシメジ 市場販売量の推移

(kg)

4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 年間販売量
2023年度 579,403 484,601 477,324 497,002 483,758 612,582 681,269 655,545 675,841 598,639 654,567 613,380 7,013,911
2024年度 524,047 550,738 501,797 472,643 506,322 578,585 653,417 600,727 557,566 507,922 545,553 529,624 6,528,941
2025年度 502,476 485,332 453,870 447,737 437,420 588,166

参考:東京都中央卸売市場、市場取引情報より

(参考)エリンギ 市場取引価格の推移

4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 年間平均価格
2023年度 532 623 501 496 467 623 712 669 515 552 581 547 563
2024年度 558 570 506 491 575 656 715 741 730 750 718 604 633
2025年度 536 556 512 472 539 561 531

参考:東京都中央卸売市場、市場取引情報より

(参考)エリンギ 市場販売量の推移

(kg)

4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 年間販売量
2023年度 178,160 142,883 173,845 142,805 157,773 193,964 164,152 152,593 207,053 164,107 159,737 173,516 2,010,588
2024年度 179,605 149,546 154,387 140,347 145,912 153,267 169,323 156,701 158,346 135,882 127,450 166,442 1,837,208
2025年度 163,952 153,015 147,030 141,035 137,825 181,137

参考:東京都中央卸売市場、市場取引情報より

(参考)マイタケ 市場取引価格の推移

(円/kg)

4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 年間平均価格
2023年度 611 665 625 590 560 809 1007 961 830 745 680 636 734
2024年度 669 615 529 443 676 896 1032 1058 1048 989 910 851 817
2025年度 706 577 487 583 763 841 686

参考:東京都中央卸売市場、市場取引情報より

(参考)マイタケ 市場販売量の推移

(kg)

4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 年間販売量
2023年度 213,440 189,181 192,561 178,848 215,691 242,321 249,004 215,524 233,369 236,274 237,082 248,241 2,651,536
2024年度 203,923 202,413 199,016 197,773 162,052 202,174 241,773 227,529 206,744 191,712 180,895 177,471 2,393,475
2025年度 180,594 196,547 187,529 161,936 135,890 205,352

参考:東京都中央卸売市場、市場取引情報より

ホクトグループの概要

所在地 長野県長野市
代表者 代表取締役社長 水野雅義
証券コード 1379
上場市場 東京証券取引所プライム市場
発行済株式数 33,359,040株
時価総額 63,682百万円
株主資本 54,621百万円
従業員数 4,065人
主要事業 きのこの生産・販売

(2025年9月末現在)

ホクト産業株式会社 HOKTO KINOKO COMPANY
化成品の製造 販売・ 北米でのきのこ生産 販売・
株式会社アーデン 台灣北斗生技股份有限公司
レトルトパウチ食品の製造 台湾でのきのこ生産・販売
株式会社サン・メディカ HOKTO MALAYSIA SDN.BHD
Mushroom Wisdom, Inc, 東南アジアでのきのこ生産・販売
PT HOKTO INDONESIA MATERIALS PT HOKTO INDONESIA MATERIALS

ホクトグループの売上構成(2025年3月期)

セグメント きのこ生産量

国内シェア(2024年3月期)

ブナシメジ エリンギ マイタケ
国内総生産量 国内総生産量 国内総生産量
117,924 t 35,793 t 55,290 t

IRに関するお問い合わせ

財務本部 広報・IR室
TEL:026-259-5955

投資判断(AI生成)

投資評価: ★★★

評価の理由:
今回の決算は、売上高が前期比5.8%増、営業利益は赤字から黒字転換(340百万円増)と、計画を大幅に上回る好調な結果を示しました。特に国内きのこ事業において、新中期経営計画に基づく価格戦略が奏功し、平均販売単価が堅調に推移したことが利益改善の主要因です。販管費の抑制(計画比6.0%減)も寄与し、営業利益率は0.2%ながら黒字化を達成しました。通期予想も大幅に上方修正されており、経営陣の計画達成能力は高いと評価できます。

一方で、海外きのこ事業、特にマレーシアの不振が目立ちます。マレーシアは売上高が前期比19.2%減、営業損失が拡大しており、事業構造上のリスクが顕在化しています。また、国内きのこ事業の利益改善は、生産量維持の中で単価上昇によるものであり、持続的な成長のためには生産性の向上や新たな付加価値創出が不可欠です。ROEやROAなどの収益性指標に関する情報が不足しており、資本効率の評価が困難です。

投資判断の根拠:
判断:保有

国内事業の堅調さと価格戦略の成功は評価できますが、海外事業の構造的な問題と、利益率が依然として低い水準(0.2%)であることから、高評価は避けるべきです。現状の業績は計画を上回っていますが、市場シェアの維持・拡大にはさらなる施策が必要です。既存株主にとっては保有継続が妥当ですが、新規投資には慎重な判断が求められます。

重要なポイント:
1. 国内きのこ事業の価格戦略の成功:新規開拓とエリア戦略により、主要きのこの平均販売単価が前年比で堅調に推移し、収益改善に大きく貢献した。
2. 海外事業の地域差:アメリカは増収増益だが、マレーシアは大幅な減収減益で、事業の足かせとなっている。
3. 利益率の低さ:売上高比の営業利益率が0.2%と極めて低く、収益構造の脆弱性が残る。
4. 通期予想の大幅上方修正:第2四半期の実績に基づき、通期予想を大幅に上方修正しており、計画実行力は示されている。

会社への質問(AI生成)

国内きのこ事業の価格上昇は、市場全体の需給改善によるものか、貴社の営業努力によるものか、具体的な要因と持続性を教えてください。

マレーシア事業の売上・利益が大幅に悪化している原因について、販売不振の具体的な内容(競合、需要減、販売チャネルの問題など)と、今後の具体的な改善計画を教えてください。

第2四半期で販管費が計画比で大幅に削減されていますが、これは一時的なコスト抑制策か、恒常的な効率化によるものか、その内訳と今後の見通しを教えてください。

売上倍増のための施策(AI生成)

施策名 成功率(%) インパクト 評価コメント
国内きのこ事業の生産性向上と高付加価値化 70% S 既存の国内きのこ事業の強みを活かし、生産コスト削減と単価向上を両立させる。特に品種改良や栽培技術の高度化による歩留まり改善が鍵。
海外きのこ事業の構造改革と集中投資 60% A 不振のマレーシア事業の抜本的見直し(撤退・縮小・再編)と、成長が見込めるアメリカ事業へのリソース集中。
化成品事業の新規顧客開拓と設備投資の最適化 75% A 農業資材分野での大口案件獲得を継続しつつ、他分野への応用可能性を探り、安定的な収益源を確保する。
加工品事業におけるBtoB向け高付加価値製品の拡充 65% B 外食・デリカ向けに、調理済み・カット済みなどの付加価値の高い製品ラインナップを拡充し、単価向上を図る。

最優先戦略(AI生成)

上記の施策の中で、売上倍増に向けて最も優先すべき戦略は「国内きのこ事業の生産性向上と高付加価値化」です。

理由と詳細:
現在の業績は、国内きのこ事業の単価上昇によって支えられています。しかし、営業利益率は0.2%と極めて低く、価格上昇が一時的であったり、市場全体の需給変動に左右されたりするリスクが高い状態です。売上を倍増させるためには、単価上昇だけでなく、生産量の拡大とコスト構造の改善が不可欠です。

この戦略の核心は、技術力に基づいた生産性の向上です。同社は「霜降りひらたけ」の開発や品種改良で技術力を示しており、これを全製品ラインに応用すべきです。具体的には、栽培環境の最適化、自動化・省人化技術の導入による歩留まり向上と人件費削減、そして安定した品質の確保を目指します。

また、高付加価値化として、新商品の「急速冷凍きのこ」やリニューアルしたエリンギの販売を強化します。特に冷凍食品は、鮮度維持と利便性向上により、新たな需要層を開拓し、単価上昇に寄与する可能性があります。

この戦略は、既存の強み(国内シェア、研究開発力)を最大限に活用し、収益性の低い現状を打破するための最も確実な道筋です。海外事業の構造改革(施策2)も重要ですが、国内基盤の強化なくして売上倍増は困難です。

ITコンサルからの提案(AI生成)

「国内きのこ事業の生産性向上と高付加価値化」を支援するため、ITコンサルタントとして以下の施策を提案します。

  1. 栽培環境のIoT化とデータ駆動型栽培の導入

    • 目的: 栽培ハウス内の温度、湿度、CO2濃度、光量などの環境データをリアルタイムで収集・分析し、最適な栽培条件を特定する。
    • 期待効果: 収穫時期の予測精度向上、歩留まりの最大化、品質の均一化によるコスト削減と付加価値向上。
    • 実現可能性: 既存のセンサー技術とクラウドベースのデータ分析基盤を組み合わせることで、段階的な導入が可能。
  2. 生産ラインの自動化・ロボティクス導入の最適化

    • 目的: 収穫、選別、包装工程における人手に頼る作業を特定し、ロボティクスや自動化システムを導入する。
    • 期待効果: 人件費の削減、作業効率の向上、ヒューマンエラーの排除。特に、品質基準を満たす選別作業の自動化は、高付加価値製品の安定供給に直結する。
    • 実現可能性: 導入コストは高いが、長期的な人件費削減効果と生産量拡大のボトルネック解消に貢献する。
  3. サプライチェーン・在庫管理の高度化(需要予測と連動)

    • 目的: 過去の販売データ、市場動向、気象データなどを統合した高度な需要予測システムを構築し、生産計画と在庫管理を最適化する。
    • 期待効果: 過剰在庫による廃棄ロスや機会損失の削減。特に急速冷凍品などの新商品展開において、需要変動への迅速な対応が可能となる。
    • 実現可能性: 既存の基幹システムとの連携が必要だが、データ分析基盤の整備により実現可能。