日本管財HD - 2026年3月期第2四半期(中間期) 決算説明資料 ★★★
基本情報
- 会社コード: 93470
- 会社名: 日本管財HD
- タイトル: 2026年3月期第2四半期(中間期) 決算説明資料
- 発表日時: 2025年11月28日 14:00
- PDF URL: https://www.release.tdnet.info/inbs/140120251126509582.pdf
- YahooFinance: https://finance.yahoo.co.jp/quote/9347.T
日本管財ホールディングスの概要
企業メッセージ
「時代と共に変わらなくてはいけないこと」「時代が変わっても変えてはいけないこと」を念頭に、時代や環境の変化に柔軟に適応しながら、お客様に常に良質なサービスを提供することが重要と考えています。
「快適をもっと、最適をずっと。」をグループミッションに掲げ、これからはより一層、各社の機動力と専門性を追求し、グループシナジーによる「総合力」を発揮することで、更なる企業成長を実現してまいります。
日本管財グループの主要ビジネスモデル
- 建物所有者をはじめとした顧客との単年・複数年・長期契約の積み上げによるストック型ビジネスモデルです。
- グループの総合力を活かし、多様なニーズに合わせた付加価値サービスの提供によって顧客満足度を高め、グリップを強めることで更なる利益の拡大を図ります。
ストック型ビジネス-①
当社の強みであるストック型ビジネスは、長期契約は30年、複数年契約であれば3〜5年と数年先までの売上予測が行いやすく、持続的に新規の契約を獲得することで契約数が積み上がり、安定的成長を実現しております。
ストック型ビジネス-②
過去の市況悪化やコロナ禍等の世界的にネガティブな状況下であっても、大きな影響は受けず、安定した企業成長を続けています。
当社グループの強み
- オフィスビルや商業施設・ホテル・公共施設・マンション・環境施設といった様々な不動産に対して、高い専門性を有したグループ各社が、最適なソリューションを提供します。
- 当社グループの主要事業は、継続的に収益を確保することができるストック型ビジネスが多くを占めています。景気の変動に大きく左右されにくく、安定した経営基盤を構築しています。
- 安定した経営基盤をベースに、既存事業の拡大や新規プロジェクトへの投資、国内外のM&Aや出資、DX、人材開発など、重点分野へ資金を積極的に投資し、持続的な企業成長を実現しています。
2026年3月期上半期 連結決算の概況
連結決算ハイライト
(百万円未満切捨て)
売上高 715億55百万円 (対前年同期比 9.5%増 )
- 既存契約の更改が順調に推移
- 大阪・関西万博関連の業務を受託
営業利益 46億43百万円 (対前年同期比 24.5%増 )
- 料金改定や作業効率の見直しに伴う収益率の向上による増益
経常利益 57億33百万円 (対前年同期比 37.7%増 )
- 海外子会社における助成金収入の増加
- 円安による為替差益の計上
親会社株主に帰属する中間純利益 37億3百万円 (対前年同期比 62.5%増 )
- 訴訟関連損失の減少
- 税金費用の減少
連結決算サマリ
(表データ省略:グラフおよび表のデータは省略)
事業セグメントと主要グループ会社
■ 建物管理運営事業 45,175 百万円
- ビルメンテナンス・プロパティマネジメント(警備業務を除く) 31,171 百万円
- ビル・ホテル・官公庁施設等の清掃管理、設備保守管理業務及び工事関連業務
- 住宅管理運営事業 10,400 百万円
- マンション及び公営住宅の管理
- 日本管財株式会社、日本管財住宅管理株式会社、日本住宅管理株式会社、株式会社エヌ・ジェイ・ケイ・スタッフサービス、Hawaiiana Holdings Incorporated、Keystone Pacific Property Management, LLC
■ 環境施設管理事業 7,428 百万円
- 環境施設管理
- 上下水道処理施設等の生活環境全般にかかる公共施設管理
- 株式会社日本管財環境サービス
■ 不動産ファンドマネジメント事業 3,435 百万円
■ その他の事業 16,240 百万円
- イベントの企画・運営、デザイン制作、給与計算業務
- NSコーポレーション株式会社(広告・イベント)、株式会社ネオトラスト(給与計算・社会保険BPO)
セグメント業績の概要
(表データ省略)
セグメント業績の推移
(グラフおよび表データ省略)
- 2024年3月期より持株会社化に伴い、子会社となった日本管財株式会社の一般管理費は、建物管理運営事業及び住宅管理運営事業の費用に組み込まれることになりました。
連結貸借対照表の概要
(表データ省略)
連結キャッシュ・フロー計算書の概要
(表データ省略)
フリー・キャッシュ・フロー 2,483 1,771 - 711
投資有価証券ポートフォリオの概要
コーポレートガバナンス・コードに沿った資産有効活用の推進
- 投資有価証券ポートフォリオの入れ替えによる活性化
現在の取り組み
- 引き続き営業目的の有価証券の保有状況について精査中
- 営業目的の有価証券の定期的な見直しがB/Sの活性化、P/L(事業創造)に貢献
2026年3月期連結業績予想の概要
連結業績予想サマリ
- 上半期業績は当初計画に対し増収増益となりました。
- 連結の業績見通しについては市場環境及びリスクの状況に鑑み、当初計画から変更ありません。
市場環境及びリスク
- オフィスはテレワークの定着などにより集中型から分散型へ。空室率は緩やかな低下傾向。
- 物価上昇に伴う原材料価格の高止まりや供給不足による工期の遅れ。
- 米国の関税政策等の国際情勢によりエネルギー資源の高騰や急激な円安による為替変動リスク。
- 人材の確保及び人件費の上昇。
セグメント業績予想の概要
(表データ省略)
株主還元施策
- 当社は、株主の皆様に対する配当政策を最重要課題のひとつとして位置づけ、利益還元策として業績に応じた適正な成果配分を行うことを基本方針としております。
- 2026年3月期は、中間配当を「27円」としました。期末配当は「27円」とし、合計「54円」とする予定です。
資本コストと株価を意識した経営の実現に向けた対応
現状分析
- 当社は、株主資本コストを約5% [※] と認識しております。
- 当社は、常に事業効率向上と株主価値を高めるための資本効率の向上を目指し、ROE10%以上、ROA10%以上を目標としております。
- ROEは株主資本コストを上回っているものの、ROE及びROAは目標を下回っております。
- PBRは1倍を上回っており、成長性について投資家の皆様から一定の評価をいただいていると判断しております。
| 指標 | 24/3期末 | 25/3期末 |
|---|---|---|
| 期末株価 | 2,566円 | 2,655円 |
| PBR(株価純資産倍率) | 1.41倍 | 1.45倍 |
| PER(株価収益率) | 16.89倍 | 16.84倍 |
| 自己資本比率 | 73.5% | 66.2% |
※ 参考:上場企業平均約6%、サービス業平均約6%、ビルメンテナンス業平均約5%
目標10%以上の達成が課題
主要な指標の推移
ROE(自己資本利益率)
PBR(株価純資産倍率)
ROA(総資産経常利益率)
- 持株会社化及び海外グループ会社の連結子会社化により資本構成が大きく変化しているため、日本管財HD以降の実績を記載しております。
- PBRにおける時価総額は「期末株価×自己株式を除く期末発行済株式数」にて算出しております。
- PBRにおける純資産の額は、非支配株主持分を控除しております。
資本効率向上のための取り組み
ROE目標10%以上、ROA目標10%以上を達成するため、下記に取り組んでまいります。
日本管財グループの中期成長戦略
日本管財グループの中長期経営ビジョン
経営の基本方針
私たちは衣食住の『住』を支えるサービスで、お客様の大切な資産である建物の価値を守り続けます。
『住』とは、「暮らしの場・働く場・学びの場・休息の場・療養の場・楽しみの場」などを示し、それらを支える日常生活で必要なインフラ施設も含みます。
中期成長戦略
中期取り組み方針に基づく成長戦略
- 公共分野への営業推進(建物管理運営事業 環境施設管理事業)
PPP(官民連携)分野は、施設の老朽化に伴う維持・更新や、運営効率化のニーズが高く、今後も全国的に市場が広がっていくと予測しており、長年にわたり築いてきた多くの実績とノウハウを活かし更なる営業強化を図ります。 - M&A・出資の推進(グループ戦略)
資本関係等のしがらみが無い独立系の強みを活かし、その時々の時流や課題解決に適合する企業と、対等な立場でのパートナーシップを結び、事業機会の創出を目指します。 - 海外展開(グループ戦略(主に海外))
現地の市場、需要、競合、文化的背景や法規制などの理解を深め、現地の慣習を尊重した地域密着型サービス展開を行います。特に住宅管理におけるゲーティッドコミュニティや区分所有住宅の管理の業容拡大を目指します。 - DXの推進(グループ戦略)
業務効率化と従業員一人ひとりの生産性向上による間接経費の抑制と、顧客接点を増やすことによるサービス品質と顧客満足度の向上に努めます。
成長戦略
- 公共分野への営業推進
- M&A・出資の推進
- 海外展開
- DXの推進
潜在的な事業機会の拡大
- 公共施設の維持管理業務は一般競争入札が多く、単一の業務(設備・警備・清掃など)が多く委託
- PPP/PFI、指定管理者、公共施設包括管理制度が導入され、より専門性の高い分野の案件が増加
- 官公庁の建物保全に関する専門技術者不足により、民間への外部委託が今後も増加傾向
公共施設包括管理業務の営業展開
日本管財グループの包括管理業務の実績は現在全国で36件となり、市場シェア率は約46%で業界トップです。2025年度からは、11件(石岡市・つくばみらい市・那須塩原市・東京都墨田区・大阪市・西宮市・鳥取市・廿日市市・宇部市・山鹿市・宜野湾市)の地方公共団体で業務を開始しました。包括管理業務の市場は今後も全国的に拡大が見込まれることから、これまでの実績や蓄積したノウハウを活かし、更なるシェア拡大に取り組んでまいります。
※ 公共施設包括管理業務とは、地方公共団体が保有する域内公共施設の設備点検・清掃業務等を一括管理する契約形態を指します。「優先順位を付けた計画的な設備投資の実践」、「地元企業との連携による地域活性化」、「自治体職員の業務負荷低減」等、導入メリットが大きく、公共施設マネジメントの出口戦略の一つとして全国に拡大しています。
日本管財グループ包括管理業務実施自治体
(自治体と施設数のリストデータ省略)
公共施設マネジメントにおけるパブリシティ戦略
公共分野における日本管財の認知拡大を目指し、CMやSNS等による情報発信やセミナーを実施しています。
■育成&循環&メディアミックス
- 育成:オンラインサロンやセミナー等で情報発信することで「公共FM関心層」が「実践者」となるよう支援する。
- 循環:包括管理市場の活性化を図り、場当たり的な施策ではなく、中長期的な価値を生み出していく。
- メディアミックス:複数のメディアの組み合わせで、各メディア間の補完と相乗効果を狙う。
環境施設管理業務の営業展開
上下水道処理施設や廃棄物処理施設等の環境施設管理運営事業では、近年、包括的民間委託やDBO方式の発注といったPPP関連の新規案件が増加しています。受託に向け、全国で積極的な営業活動を行っています。
包括的民間委託、指定管理者、第三者委託、DBOの実績
- 包括的民間委託業務の営業推進
包括的民間委託とは、受託した事業者が、知見やノウハウを活かし、より施設を効率的・効果的に運用できるよう、複数の業務や施設を包括的に委託する仕組みです。全国的に導入が進んでおり、特に地方エリアでの市場拡大が今後も見込まれるため、推進営業及び専門人材育成等の強化を進めています。 - 特定用途施設におけるDBO方式発注の受注強化
DBO方式 [※] は環境施設管理運営手法の主流となっていますが、その中でも廃棄物焼却施設、リサイクル関連施設、し尿処理施設の建替え時期を狙った営業を強化しています。また、廃棄物を焼却からリサイクル、処分まで一気通貫で処理できる大規模複合型リサイクル施設の新設が増加傾向にあるため、新規受注に向け営業を強化しています。
※ DBO方式とは、公共の資金によって民間が設計・施工・維持管理・運営を行う方式
その他官民連携事業への取り組み
(PFI物件、指定管理者物件のグラフおよび表データ省略)
成長戦略②:M&A・出資の推進
国内外で当社グループに関連する企業へのM&Aや出資を積極的に推進
当社グループは、M&Aや出資を事業規模を拡大・成長させる上で重要なファクターとして位置付けています。今後も下記基本方針のもと、当社グループに関連する国内外の関連業務に対して積極的に推進してまいります。
アメリカ、ドイツ、オーストラリアの住宅管理業界にも進出
(図表データ省略)
成長戦略③:海外展開
各社がこれまでに培ってきたノウハウや強みを横展開し、実践することで事業品質の向上及び全社的な成長を目指しています。今後は特に、ITやDX分野の情報連携を強化し、業務の効率化等を進めていく予定です。
ドイツ
バイエルン州 ミュンヘン
アッカーマン社
成長戦略④:DXの推進
外部と内部の双方へのIT技術のアプローチ、デジタルとアナログの融合をもってお客様への最適なサービス提供を実現します。
(図表データ省略)
- 参考資料①も合わせてご覧ください。
ITツールを活用した新しい管理組合運営サービス「N RemotE」の提供
概要
従来のマンション管理組合運営
従来のマンション管理組合運営では、管理組合役員様と管理会社 のフロント担当者が現地で対面し、組合運営を行う形式が一般的でした。しかし、従来の対面型の運営方法では時間や場所の制約が伴うことから、効率的な運営が難しい課題が生じました。
「NRemotE(エヌリモート)」の提供
対面型の運営課題を解決するため、当グループのマンション管理 各社では、管理組合向けのストラタマネジメント [※] サービス 「NRemotE(エヌリモート)」の提供しております。
サービスの主な特徴
- オンライン上での理事会開催が可能
- 契約関係などの各種業務運営がオンラインで実施可能
「NRemotE(エヌリモート)」の導入効果
オンライン環境を活用した効率的な管理組合運営が実現します。これにより、対面での接触が困難な状況でも、円滑な組合運営をサポートします。
主な機能
- 理事会のオンライン開催
- 管理委託契約の電子契約化
- ウェブによる月次収支報告
- 請求書や各種報告書等の電子化
- 入居者情報変更申込のウェブ受付サービス
※ストラタマネジメントとは、日本のマンション管理業務における、管理組合運営及び出納業務。「NRemotE(エヌリモート)」は、オーストラリアの関連会社PICA社よりノウハウを横展開し開発。
マンション居住者向けサービス公式ポータルアプリ「N-Life+」の提供
概要
「N-Life+(エヌライフプラス)」は、マンション居住者様の暮らしをサポートするための多機能ポータルアプリです。本アプリでは、以下の機能を提供しています。
- 管理費等の請求書のWeb照会
- 駐車場等施設のオンライン申込(※利用には別途管理組合の承認が必要です)
- ハウスクリーニング等専有部向けサービスの紹介
- 生活関連商品の物品販売
- 近隣地域情報の通知
- トラブル時の問い合わせ先照会機能
アプリの提供目的
本アプリの提供を通じて、以下を目指します。
- 居住者様の快適な暮らしのサポート
- 顧客満足度の向上
- マンション管理DXのさらなる推進
住宅管理運営事業におけるDXの活用
住宅管理運営事業では、「N-Life+」をはじめとする様々なDXを推進しています。これにより、作業効率の向上を実現し、マンション管理のコスト抑制につなげることで、同業他社との競争優位性を高めてまいります。
マンション管理組合からの支払いをオンライン上で完結「スマート振込承認」
概要
「スマート振込承認」は、ネット銀行のBaaS(Banking as a Service [※] )を活用し、カスタマイズを行い、日本管財の事務管理システムと連携させた独自のオンライン決済サービスです。
マンション管理のDXとして、GMOあおぞらネット銀行のシステムインテグレーション機能と、日本管財グループのマンション管理ノウハウが組み合わさり誕生しました。
※BaaS(Banking as a Service)・・・従来、金融機関が提供してきた銀行の機能やサービスを分割し、さまざまな企業が自社のサービスに組み込んで利用できるようにする仕組み
サービスの特徴と効果
従来、管理組合における各種費用の支払いは、管理会社が管理組合の代行として銀行で処理を行う形式が一般的でした。しかし、この方法には以下の課題がありました。
- 非効率的な手続き
- 支払承認ルートの不適切な設定
こうした課題を解決するために本サービスを導入することで、以下の効果が期待できます。
- 各種承認業務や振込業務の効率化
- 押印作業の負担軽減による業務工数の削減
- 出金までの時間短縮
既に導入済みのお客様からは、上記の効果により高い評価をいただいています。
「集中購買システム」をグループ主要10社に導入完了
〜最大35%のコスト削減、月85時間の作業時間削減を実現〜
導入の背景
- 各事業会社・部署単位での仕入れにより 価格差・煩雑な承認フロー・長期リードタイム の問題
- 中期成長戦略の 「DXの推進」の一環 として購買業務の統一を決定
導入効果
- コスト削減:グループ全体での取引により最大35%削減
- 業務効率化:システム内で申請から承認を完結することでリードタイム短縮とペーパーレス化を実現
- 会計処理の効率化:基幹システム「POSSibility」と連携し、直接費・間接費を自動分類。処理にかかる時間を大幅削減
今後の展望
サプライヤー拡大・機能強化 により更なるコストメリットと生産性向上を推進
成長戦略④:現場DXサービス(社内向けDX⑥)
現場DXサービス「KANNA」を導入
「KANNA(カンナ)」は、現場の生産性アップを実現する「現場DXサービス」です。事務作業や移動時間、コミュニケーションの手間をカンナのように削り、作業の生産性を最大化します。KANNAの活用範囲をグループ全体に拡大し、全社的な業務効率と生産性の向上を目指します。
導入の背景・課題
- 限られた人員で 複数拠点案件を同時対応
- 例:東京拠点から群馬・千葉など 7〜8件を並行管理
- 現場間の移動負担が大きく、非効率
- 電話・メール・紙 での情報共有が中心
- データは 担当者PCに保存
- 他メンバーが進捗を確認できない
- 取引先からの報告に 即時性がない
- 夜間工事の終了状況やトラブル発生時の 確認が困難
- 現地確認や個別電話が必要
導入効果
- 移動時間の削減:現地訪問が大幅に減り、遠隔地の確認も可能に
- 情報共有の効率化:夜間工事の完了確認が迅速に、スマートフォンで迅速に完了確認でき移動時間も削減。チャットで情報が一元化され、担当者不在時でも対応可能に。
- 「資産」としての情報:写真や図面、やり取りの履歴が案件に紐づいて保管され、後から活用できる。
日本管財グループのサステナビリティ
サステナビリティへの取り組み方針とガバナンス体制
- サステナビリティへの取り組み方針
社会・環境問題をはじめとするサステナビリティをめぐる課題について、当社グループにとっての「事業機会」と「リスク」を意味し、中長期的な企業価値向上のための重要な経営課題であることを認識しており、サステナビリティをめぐる課題解決に向けてグループ全体で様々な取り組みを進めてまいります。 - サステナビリティ委員会の設置
サステナビリティをめぐる課題に対する会社の検討を支援し、経営陣による業務執行上の意思決定、全社的なリスクマネジメントの取り組みにおいて、サステナビリティの観点が戦略的かつ大局的に統合されるよう促すため、サステナビリティ委員会を2024年1月に設置しました。
日本管財グループのマテリアリティ
社会に求められ存続し続ける企業であるために、重点的に取り組む10のテーマをマテリアリティとして定めました。各テーマは「企業価値の創出を支える基盤」、「価値を生み出す資本」、「創出を目指す価値」の3つの機能を担い、それぞれの解決を通じて、お客様の大切な資産をいつまでも健康で安心して使える最適な建物管理を実現し、建物のさらなる価値創造に貢献し続けます。
各マテリアリティの定義
(表データ省略)
トピック:「サステナビリティ」ページをリニューアル
リニューアルしたサステナビリティページは、「サステナビリティ方針等」、「環境」、「社会」、「ガバナンス」、「ESGデータ」の5つに大別し、各項目に対する日本管財グループの考え方や方針、グループ各社の取り組み事例などを紹介しています。
ESGに関する取り組み
E environment(環境)
環境・省エネに関する取り組み
- 西宮本店ビルのカーボンオフセット
- 西宮本店ビルに急速EV充電器を設置
- 社用車のEV化の推進
- 集中購買システムでのグリーン商品の充実
環境ビジネスの展開
- 太陽光発電設備の設置提案
駐車場スペースで発電が可能なソーラーカーポートの設置提案を、管理物件である工場や病院等の大規模施設を中心に積極的に行っています。 - 塩水電解滅菌装置「ハイポセルCHシリーズ」
日本管財環境サービスは、水・塩を電気分解して施設内で次亜塩素酸ナトリウムを製造できる「ハイポセル」を取り扱っています。電気が通っていれば災害時でも運転可能なため、水の滅菌処理の必要な上下水道施設へのご提案を行っております。
森林保全活動
- 高知県の協働の森づくり事業に参画
日本管財環境サービスは、「協働の森パートナーズ協定」を締結、協働の森づくり事業に協賛しております。この活動を通じてカーボンニュートラルに対する理解を深め持続的な森林の再生と地域との活発な交流活動を行ってまいります。
生態系の維持活動
- 海洋保全活動の参加
NSコーポレーションは、館山市の海岸において株式会社資生堂 SHISEIDOグローバルユニット主催の「SHISEIDO BLUE PROJECT 2025 館山ビーチクリーン」の活動に参加しました。
S social(社会)
働きやすさ・雇用に関する取り組み
- 勤務形態の柔軟化に関する諸制度
子育てや介護と仕事の両立を支援する諸制度を設置しています。
<主な制度>- 短時間勤務制度(育児・介護については小学校3年生まで)
- 時間単位の有給休暇制度
- 在宅勤務制度
- サテライトオフィスの利用
- ベビーシッター補助制度
- 女性活躍の推進(育児休業制度含む)
- 女性の育児休業制度の取得率100%
- 男性の育児休業制度の取得率100%
- 女性役職者における女性割合の増加(係長級:55.0%、管理職:11.1%)
- 社員向け健康増進プログラム
- 健康管理研修
2025年は食事や栄養に関するセミナーを外部講師を迎え実施。人基本経営の重要な要素の一つとして、社員が身体的・精神的に健康で良好な状態を保つ(ウェルビーイング)健康管理研修を年1回実施しております。
- 健康管理研修
- 職場訪問会
- 仕事と家庭の両立支援
社員のご家族に仕事の内容を理解して頂くこと。夏休みの思い出として、社員のお子様に会社の雰囲気を体験してもらうことを年1回の企画としております。
- 仕事と家庭の両立支援
- 男女間賃金格差の平等性の確保
全ての労働者:52.6%、正規労働者:55.2%、非正規労働者:47.1%(日本管財ホールディングス(株)の数値) - くるみん認定取得「子育てサポート企業」
NSコーポレーション㈱、日本管財㈱
災害協定
- 筑西市との災害協定を締結
日本管財㈱は、震度6を超える大地震、超大型台風による大規模水害、その他非常事態における甚大な災害発生時において、早期の災害対策および復旧支援を図る為、人的支援および技術的助言を行うことを締結しました。
安全衛生協力会
- 日本管財が支援する安全衛生協力会
年間計画に基づき安全衛生大会や安全衛生教育を行っております。全国6支部、協力会社による自主的な支部運営と安全衛生に対する啓蒙を支援しています。
人口減少に伴う労働力不足への対応
- DX・ロボット導入への推進
大型複合用途施設や病院など、多くのスタッフを必要とする施設の清掃においては、スタッフと清掃ロボットを併用することで、効率的な運用と高い品質の維持を図る提案をしております。さらに、近い将来に必ず訪れる労働力不足への対応策として、様々なメーカーのロボットの特徴を比較・検証し、適切な選定を行っています。
【活用事例:病院清掃】
* 共用部の清掃時間を夜間や早朝に実施し、医療関係者等の通行の阻害とならないように工夫
* 広範囲は、大型清掃ロボット、机や椅子などが設置されている場所は、小型清掃ロボットを選定
* 静音性に優れ、排気もクリーンなものとするためHEPAフィルターを採用
* 清浄度を求められる医局からのリクエスト(清掃回数増)
【ロボットの選定】
室内用清掃ロボット、芝刈用ロボット
- 2025年4月 人材育成拠点「Growthスクエア」の本格的始動
2024年10月に研修所を拡張移転、同じフロア内に企業ミュージアムを4月1日に開設いたしました。研修所の愛称を「Greenスクエア」、企業ミュージアムは「Blueスクエア」と名付けております。「Greenスクエア」は、新任研修や専門資格講座、社内研修等を行い、「Blueスクエア」はお客様や従業員が事業活動への理解と共感を深める有意義な学びと交流の場となるように構成しております。「Greenスクエア」と「Blueスクエア」のスクエアは、日本管財の社章の形をモチーフとしており、「外に向かってさらに発展する思い」が込められております。その思いは従業員も同様に成長する「人材育成」と「働きがい、帰属意識の向上」の目指す場として「Growthスクエア」は誕生しました。
G governance(ガバナンス)
ガバナンス強化に向けた取り組み
- コーポレートガバナンス体制
- 機関設計の形態:監査等委員会設置会社
- 監査等委員以外の取締役:8名(うち社外取締役0名)
- 監査等委員である取締役:4名(うち社外取締役4名)
- 監査等委員以外の取締役の任期:1年
- 監査等委員である取締役の任期:2年
- 業務執行体制:執行役員制度(4名)
(2024年6月20日現在)
- 安全衛生委員会の設置
安全で快適な職場環境を形成することを目的として安全衛生委員会を設置しております。従業員等の理解と協力を得て、会社全般の安全衛生管理を円滑に推進することを目的としています。中央委員会と地区委員会を設置し、安全衛生向上のための調査審議、建議を行います。中央委員会は、6ヶ月に1回を基本とし開催します。地区委員会は毎月1回開催します。 - レジリエンス認証の取得
2025年7月に、日本管財株式会社が「レジリエンス認証」の取得団体として更新登録されました。「レジリエンス認証」は、内閣官房・国土強靭化推進室の「国土強靭化貢献団体の認証に関するガイドライン」に基づく「国土強靭化」の趣旨に賛同し、事業継続に積極的に取り組んでいる企業・団体を「国土強靭化貢献団体」として認証する制度です。
参考資料① 企業情報
基本情報
日本管財ホールディングス株式会社
(NIPPON KANZAI Holdings Co., Ltd.)
- 商号:日本管財ホールディングス株式会社(NIPPON KANZAI Holdings Co., Ltd.)
- 設立:2023年4月3日
- 資本金:30億円
- 代表者:代表取締役社長 福田 慎太郎
- 本社所在地:東京都中央区日本橋2丁目1番10号
- 本店所在地:兵庫県西宮市六湛寺町9番16号
- 事業内容:オフィスビル、集合住宅、環境施設等の管理運営事業や不動産ファンドマネジメント事業等を営むグループ会社の経営管理及びこれに附帯又は関連する業務
- 従業員数:11,588名(連結)(2025年9月30日現在)
事業拠点
(拠点情報データ省略)
主な沿革
(沿革データ省略)
グループ企業の再編①(1965年〜2014年)
(再編データ省略)
グループ企業の再編②(2015年〜現在)
(再編データ省略)
独立系を活かしたアライアンス戦略①(1965年〜2010年)
(アライアンスデータ省略)
独立系を活かしたアライアンス戦略②(2011年〜現在)
(アライアンスデータ省略)
業績の中期推移
(グラフおよび表データ省略)
株価の推移
(グラフおよび表データ省略)
管理運営施設の建物用途比率(建物管理運営管理事業)日本管財株式会社
管理運営建物のポートフォリオ
- オフィス・大規模商業施設・官公庁施設を中心に幅広い用途の建物をカバー
- 最近では、公共施設包括管理や指定管理者案件の受託増により官公庁施設が増加傾向
地域別売上高(建物管理運営事業)日本管財株式会社、株式会社スリーエス、株式会社沖縄日本管財
(地域別売上高データ省略)
地域別管理戸数(住宅管理運営事業)
日本管財株式会社、日本管財住宅管理株式会社、日本住宅管理株式会社
(地域別管理戸数データ省略)
国内3社合計:101,384戸(2025年9月30日現在)
地域別管理施設数(環境施設管理事業)株式会社日本管財環境サービス
(地域別管理施設数データ省略)
会社概要(Keystone Pacific Property Management, LLC)
塀で囲んだ広大な敷地内に戸建住宅や高級集合住宅を一体開発した住宅群であるゲーティッドコミュニティの管理会社。管理組合に対し年次総会等の組合運営支援、会計や経理、現地要員の配置等のサービスを提供。きめ細やかな高品質サービスに定評がある。大手企業の傘下を除くと、南カリフォルニアで5位以内にランクイン。2019年以降は、M&Aによりサービス提供地域の拡大を進めている。
持分取得の経緯
当社子会社のNIPPON KANZAI USA, Inc.が2017年1月に持分所有者であるKPPM社から出資持分を取得、2024年5月時点で日本管財ホールディングスの連結子会社となった。ITシステム刷新による業務効率化やサービス拡大、将来的には当社のノウハウを取り入れ管理物件を高層マンション等に拡大するなど成長を図る。また、営業圏を拡大するため同業会社の営業権を取得。今後もさらなる事業規模の拡大を図る。
直近の事業環境
現在の環境ではインフレ水準が若干低下し、それに対応して米国連邦準備制度理事会が定めるレートが低下したため、附帯収入である銀行収益債権が減少した一方、専有部売買に関連する書類発行報酬が増加した。インフレ率の低下に伴い、従業員や顧客の定着率も若干改善している。当業界の急速な統合が買収倍率を押し上げており、買収者としては長期的に大手統合企業の小さなグループに入るというユニークな機会を提供している。
会社名:Keystone Pacific Property Management, LLC(キーストーン・パシフィック・プロパティ・マネジメント)
設立:2016年9月15日
主要業務:集合住宅管理等
本社所在地:米国カリフォルニア州アーバイン
主要拠点:カリフォルニア州南部、コロラド州デンバー市、アイダホ州ボイジー市
社員数:約480人(2024年12月末現在、派遣スタッフを含む)
管理戸数:約163,000戸 約950組合(2024年12月末現在、子会社のキーストーン・プログレッシブを含む)
海外展開(ハワイアナ社の概要)
会社概要
AOAOマネジメントと呼ばれる区分所有住宅管理においてハワイ州では最大手。ハワイアナ社は管理組合に対して理事会や総会の開催、会計、収支報告などのサービスを提供している。地元に根差した老舗企業として高いブランド力を持つ。ホノルルがあるオアフ島以外にも、マウイ島、ハワイ島、カウアイ島など5島で事業展開している。
株式取得の経緯
2020年3月に地元の不動産会社のスウェル・インターナショナルから株式の50%を取得し、持分法適用関連会社とした。2023年8月末に、残り全株式を同社より取得し、当社子会社であるNIPPON KANZAI USA, Inc.の100%子会社となった。今後は当社のグローバルなノウハウを取り入れ、更なる業績向上を目指す。
直近の事業環境
ここ数年、金利上昇の軟化は見られるものの、インフレ、米ドル高、昨年来の不動産価格の高止まりにより、不動産取引は低迷を続けている。その結果、不動産取引に関連する収入はまだコロナ以前の水準に戻っておらず、2022年以降横ばいが続いている。また、人手不足は依然続いており、人材獲得が大きな課題となっている。しかし、マネジメントフィーは安定している。引き続き市場シェアで大きくリードしており、買収の機会は小規模ながら存在する。
会社名:Hawaiiana Holdings Incorporated(ハワイアナ・ホールディングス・インコーポレイテッド)
設立:2008年9月24日(創業は1964年)
主要業務:住宅管理等
本社所在地:米国ハワイ州ホノルル
支店:マウイ、西マウイ、コナ、カウアイ
社員数:約240人(2024年12月末現在)
管理戸数:約105,000戸、約694組合(2024年12月末現在)
海外展開(PPG社の概要)
会社概要
ハワイ州ホノルルにオフィスを構え、オフィスビルや店舗など約20棟のプロパティマネジメントを中心に、リーシング、売買仲介を行う企業。管理物件には有名店やレストランが入るワイキキのショッピングセンターもあり、小規模ながら質の高いサービスを提供する地元の優良企業。人とのご縁を大切にする営業姿勢で、長年の顧客やリピーターが多い。
株式取得の経緯
当社子会社であるNIPPON KANZAI USA, Inc.が2022年3月に創業者兼社長から株式90%を取得し、PPG社を持分法適用非連結子会社とした。今後は当社の安定した財務基盤を活かして長期的な経営戦略にも取り組んでいく。
直近の事業環境
仲介部門の活動は、質の高い物件に対する需要増加の兆しを見せ始めた。フルコミッション・ブローカーが3人加わり、案件のパイプラインが拡大しつつある。今後数年間、仲介売上高は着実に増加すると予想され、その結果、プロパティ・マネジメント業務の受託も増加すると思われる。プロパティマネジメント事業も安定している。経験豊富なプロパティマネージャーの採用は引き続き困難である。
会社名:Pacific Property Group, Inc.(パシフィック・プロパティ・グループ・インク)
設立:2007年2月27日
資本金:1,000米ドル(約15万円)※1米ドル=158.15円(2024年12月末現在)
主要業務:プロパティマネジメント等
本社所在地:米国ハワイ州ホノルル
社員数:13人(2024年12月末現在)
管理棟数:21棟(2024年12月末現在)
海外展開(アッカーマン社の概要)
会社概要
ミュンヘン市を中心に、マンション等の賃貸管理を行い、更に子会社を通じ、区分所有物件の管理、売買・賃貸仲介、ファシリティ・マネジメントを行っている住宅管理会社。区分所有住宅管理のみに特化することが多いドイツ市場にあって、賃貸管理・区分所有住宅管理という「ストックビジネス」を中心に、そこから発生する「仲介需要」、「修繕需要」という「フロービジネス」も幅広く取り込むビジネスモデルを構築。ミュンヘン市内の三大住宅管理会社の一つ。
持分取得の経緯
2023年7月に新設した当社子会社である、Nippon Kanzai Deutschland GmbH が2023年9月にオーナー兼グループCEOから持分75%を取得し、アッカーマン社を持分法適用非連結子会社とした。今後は、当社が日豪米で培った住宅管理部門の知見、および当社の安定した財務基盤を活かしてより長期的な経営戦略にも取り組んでいく。
直近の事業環境
2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻後、世界的に燃料価格を始め物価が上昇しているが、その中でもEU、EUの中でもドイツはロシアへのエネルギー資源依存度が高かったため、最も強い影響を受けている。従って、人件費・資材価格・金利全てが急速に上昇する中、原価上昇の売上への転嫁の推進、また特に影響を受ける仲介部門の売上・利益減少のカバーが課題である。
会社名:Ackermann Hausverwaltung GmbH(アッカーマン)
設立:2001年5月14日(創業は1919年)
主要業務:住宅管理等
本社所在地:ドイツ連邦共和国バイエルン州ミュンヘン市
主要拠点:ミュンヘン市
社員数:約70人(2024年12月末現在)
管理戸数:賃貸管理 約11,500戸、区分所有住宅管理 約5,800戸(約130組合)(2024年12月末現在)
海外展開(PICA社の概要)
会社概要
オーストラリアで区分所有住宅の管理をストラタマネジメントと呼ぶが、PICA社はこの業界でオーストラリア最大手。「BCS」を含む複数のブランドを展開し、管理組合の代行を中心に、延滞管理費などの回収も行っている。日本管財のノウハウを活かし、ファシリティマネジメントのサービスを導入した。
株式取得の経緯
2013年3月にグローバル展開しているフィンテック企業であるFexco社から当社がPICA社株式50%を取得。現在、当社およびFexco社が取締役を選出して経営管理を行っている。Fexco社は1981年創業、欧州、中東、アジア太平洋、北米、南米など29ヶ国に2,950人以上の従業員を擁している。
直近の事業環境
PICA社では「シンプル化、オートメーション、成長」という戦略を通して業績改善に積極的に取り組んでいる。また、メディアや世論が業界に厳しい見方をするなか、州政府の所管部局、州議会、そして消費者にストラタマネジメント業界を正しく理解してもらえるよう、業界のリーダーとして啓発活動等に積極的に取り組んでいる。
会社名:Prudential Investment Company of Australia Pty Ltd.(プルデンシャル・インベストメント・カンパニー・オブ・オーストラリア)
設立:1948年10月4日
資本金:約28百万豪ドル(約28億円)(2024年12月末現在)※1豪ドル=98.54円
主要業務:ストラタマネジメント、債権回収
本社所在地:シドニー
主要拠点:シドニー、メルボルン、ブリスベン、ケアンズなど、東海岸主要都市
社員数:約720人(2024年12月末現在)
管理戸数:約186,000戸 約11,000組合(2024年12月末現在)
日本管財グループのDXの取り組み
- 設備状況を可視化し、リアルタイムで監視することで、建物の異常に迅速に対応
- グループの基幹システムを共通化し、セキュリティレベルの標準化とガバナンス強化を実施
WAFM(広域FMセンター)概要
東西に拠点を構えるWAFMは、365日24時間体制で管理建物の設備の遠隔監視、機械警備業務、コールセンター業務を行っています。異常傾向や異常値を監視し、建物の問題をすばやく検知することができ、早急に対応することで建物の安定稼働を支えています。
基幹システム「POSSibility」概要
契約・作業状況の管理、見積作成、協力会社との受発注手続き等が可能な、当社グループ独自のWeb基幹システムです。現在、基幹システムだけでなく、会計・人事給与・勤怠管理といったグループ会社の各種管理システムも含めた統合を進めています。
その他導入システム
- インボイス・電帳法対応システム
- 購買システムの統一
日本管財グループのDXの取り組み
IT・ICT技術の活用により、業務の効率化や省人化を推進
- システムの提供と共有
施設情報共有化システムアプリ「NK Connect」
「NK Connect」概要
施設の点検情報や修繕履歴等の管理状況を、PCやスマートフォンでタイムリーに確認できるアプリです。 -
クラウド環境下でのお客様、協力会社、弊社による情報共有、建物の各種情報、作業計画、修繕計画の一元管理
-
作業記録のデータ化
建物管理アプリ「管理ロイド」の活用
「管理ロイド」導入の背景
業務のデジタル化及び効率化のため、無人管理物件の検針業務と点検業務において、THIRD社のAI搭載クラウド型不動産管理ソフトウェア「管理ロイド」を導入しました。これまでに手書きで行っていた検針票をデータに打ち直すといったアナログ的な事務作業が減り、効率化が図れています。現在はトライアルを経て、導入対象物件や使用機能範囲の拡大を進めています。
日本管財グループのDXの取り組み
- システムの提供と共有
公共施設管理システムCross Point FM※
官公庁施設の担当職員様の業務軽減化と住民サービスの維持向上を支援するシステムです。
※Cross Point FMは、当社が出資するクロスポイント・コンサルティング(株)が「国立研究開発法人科学技術振興機構」の委託研究開発事業で開発したシステムです。
日本管財グループのDXの取り組み
- 生成AIの活用
当社独自の対話型AI「NK-AIbot-D1 Powered byGPT-4」の活用
「NK-AIbot-D1 Powered byGPT-4」
2023年6月より、マイクロソフト社が提供するAzure OpenAI ServiceとMicrosoft Power Platformを活用した、独自の対話型AI「NK-AIbot Powered by GPT-3.5」を開発し、さらに同年11月には、業務マニュアル等自社の独自データを知識として学習させ、より実務的な回答を可能にした「NK-AIbot-D1 Powered by GPT-4」をリリースしました。各社員の利用状況を分析した結果、利用者や用途の傾向が見えてきており、さらなる利用の促進と用途の拡大を図るため、1つのAIを様々な業務で利用するのではなく、それぞれの業務に特化させた複数のAIを作り上げ、業務に活用する取り組みを進めてまいります。
参考資料② 業界におけるポジショニング
ビルメンテナンス業界の変遷①
建物管理業務の変遷と日本管財グループの動き(1965年〜1990年)
維持管理会社の役割・機能
* 総合ビルメンテナンス業の拡大
* 高度化・複雑化する建物サービス
* ビルの高層化に対応した専門的技術力
* 統括管理から統括管理業務へ
日本管財の主な動き
* 1965年 日本管財を設立
* 1967年 病院の建物総合管理を開始
* 1970年 官公庁の建物総合管理を開始
* 1973年 分譲マンションの総合管理を開始
* 1976年 大阪支店を設置
* 1980年 九州支店を設置
* 1981年 東京支店を設置
* 1984年 名古屋支店を設置
* 1988年 インテリジェントビルの統括管理業務を開始
* 1989年 東北支店を設置
ビルメンテナンス業界の変遷②
建物管理業務の変遷と日本管財グループの動き(1990年〜現在)
維持管理会社の役割・機能
* 高度化・複雑化する建物サービス
* SDGs・脱炭素
* PFI・指定管理者への対応
* CRE・PREへの対応
* 省エネ・節電
* 土地信託や再開発事業への対応
* 不動産の所有と経営の分離への対応(AM、PM)
* 管理のIT化
日本管財の主な動き
* 1990年 大型土地信託ビルの管理業務を受託
* 1995年 市街地再開発ビル管理業務を受託
* 1996年 生産管理システム「BEST」を商品化
* 2000年 WAFMシステムを商品化。設備遠隔監視開始 PFI事業受託。建物のデューデリジェンス業務開始
* 2002年 OS事業部設置
* 2003年 オフィスビルの証券化を組成し不動産のアセットマネジメント業務を受託
* 2007年 指定管理者制度の管理業務を受託
* 2012年 海外進出の足掛かりとしてドバイで開催されたFMEXPOに出展
* 2014年 二本社制へ
* 2017年 豊洲市場工事期間中の施設管理を受託
* 2018年 明石市包括管理業務開始
* 2023年 日本管財ホールディングスを設立
* 2024年10月 研修所移設
ビルメンテナンスの業界構造
- 会社系:親会社所有/開発のビルが主要顧客。一般的な建築物管理業務のみならず、親会社と連携し、営業、経理・事務、対外交渉、収益確保などの機能を持つ。
- ゼネコン・サブコン系:親会社が施工したビルが主要顧客。一般的な建築物管理業務のみならず、親会社の製品(エレベーター・エスカレーターや電力機器・空調機器等)を熟知し、整備・修理に強み。
- 独立系:日本管財は総合管理が可能な独立系トップランク。
- その他大企業系:鉄道系、保険系、商業系など。
ビルマネジメント事業に強み:三菱地所プロパティマネジメント株式会社、三井不動産ビルマネジメント株式会社、株式会社東急コミュニティーなど。各系統の企業の機能を融合するオーガナイザー的存在。
マンション管理の業界構造
(企業リストデータ省略)
マンション管理業界の変遷
マンション管理に関係する法律・形態の変遷
- 1960年代後半:中堅所得層向けの大衆型マンションが普及。分譲会社系列の管理会社が出現するとともにビルメンテナンス会社も参入。
- 1970年代後半:マンションが都市型住宅として社会に定着。
- 1982年:中高層共同住宅標準管理委託契約書策定(管理会社に委託する場合の契約書のひな型)。
- 2000年:マンションの管理の適正化の推進に関する法律制定。
- 2003年:マンション標準管理委託契約書へ改定。
- 2009年:マンションの管理の適正化の推進に関する法律一部改正に伴い、マンション標準管理委託契約書改定。
- 2014年:改正マンション建替え円滑化法成立。
- 2021年:マンションの管理の適正化の推進に関する法律等の⼀部改正に伴い、IT重説に関する規定を制定、標準管理規約の改正地方公共団体による管理計画認定制度を制定長期修繕計画ガイドライン等の改訂。
- 2022年:マンションの管理の適正化法の改正施行。
- 2025年:マンションの管理の適正化の推進に関する法律等の⼀部を改正(管理の円滑化、再生の円滑化、地方自治体の関与強化)。
投資判断(AI生成)
投資評価: ★★★
評価の理由:
日本管財ホールディングスは、ストック型ビジネスモデルを基盤とし、安定した収益基盤を確立しています。今期上半期は売上高9.5%増、営業利益24.5%増と堅調な成長を示しており、特に料金改定や作業効率の見直しによる収益率向上が利益成長を牽引しています。公共分野における包括管理業務での高いシェア(約46%)や、海外でのM&Aを通じた事業拡大も評価できます。
一方で、ROE/ROAが目標の10%を下回っている点は大きな課題です。自己資本比率が66.2%と高い水準にあるにもかかわらず、資本効率が低い状態が続いています。また、中期成長戦略で掲げられているM&AやDX推進は進んでいるものの、それがROE/ROAの改善に直結するまでの具体的な成果はまだ見えにくい状況です。市場環境としては、人件費上昇や物価高騰がリスクとして挙げられており、収益性を維持・向上させるための継続的な努力が必要です。
投資判断の根拠:
保有
安定したストック型ビジネスによる収益基盤と、公共分野での高い競争力、海外展開による成長余地を評価し、「保有」と判断します。ただし、ROE/ROAの改善が目標未達であるため、積極的な「買い」とはせず、目標達成に向けた進捗を注視すべき段階です。
重要なポイント:
1. ストック型ビジネスの安定性: 景気変動に左右されにくい安定した収益構造を持つ。
2. 公共分野での圧倒的なシェア: 包括管理業務における市場トップの地位と今後の拡大余地。
3. 資本効率の低さ: ROE/ROAが目標未達であり、資本コストを上回っているものの、改善が急務。
4. DXによる効率化: 集中購買システムや現場DXツール導入によるコスト削減と生産性向上の取り組み。
会社への質問(AI生成)
公共施設包括管理業務の市場シェアが約46%と高い水準にありますが、今後の市場拡大ペースが鈍化した場合、既存事業の収益率向上と新規顧客獲得の具体的なロードマップを教えてください。
上半期の営業利益率が向上した要因として「料金改定や作業効率の見直し」が挙げられましたが、料金改定の実施状況と、作業効率向上の具体的な施策(DX導入効果など)が利益率に与えた影響度を定量的に教えてください。
海外事業(特に米国・ドイツ)の成長戦略において、M&Aによる事業拡大が続きますが、買収後のPMI(統合プロセス)における具体的な課題と、それらを乗り越えるための組織的・IT的な統合戦略について詳しく教えてください。
売上倍増のための施策(AI生成)
| 施策名 | 成功率(%) | インパクト | 評価コメント |
|---|---|---|---|
| 公共施設包括管理業務の全国シェア拡大(未開拓自治体への集中営業) | 80% | S | 既存の圧倒的シェアとノウハウを活かし、未開拓の自治体へ集中的に営業リソースを投入。特にPFI/PPP案件の増加傾向を捉え、包括管理の優位性を訴求する。成功には自治体との関係構築と提案力の強化が不可欠。 |
| 海外住宅管理事業のM&Aによる規模拡大とシナジー創出 | 70% | A | 米国・豪州・ドイツでの住宅管理事業は成長余地が大きい。既存のM&A先(Keystone, Hawaiiana, Ackermann)の事業規模拡大と、日本管財のDXノウハウ横展開による収益性改善を両輪で推進する。 |
| 環境施設管理事業におけるDBO方式案件の受注強化 | 75% | A | 廃棄物処理施設や上下水道施設におけるDBO方式は大型案件が多く、受注できれば売上インパクトが大きい。専門性の高い技術者育成と営業体制の強化が鍵となる。 |
| 既存顧客への付加価値サービス(DX関連)のクロスセル強化 | 65% | B | 既存のストック顧客に対し、「N RemotE」や「N-Life+」などのDXサービスを有料オプションとして提供し、顧客単価を向上させる。DX推進によるコスト削減効果を顧客メリットとして訴求する。 |
最優先戦略(AI生成)
最優先戦略:公共施設包括管理業務の全国シェア拡大(未開拓自治体への集中営業)
日本管財ホールディングスの中期成長戦略の柱は、公共分野への営業推進であり、特に公共施設包括管理業務において既に全国シェア約46%という圧倒的な地位を築いています。この強みを最大限に活かし、売上を倍増させるためには、このセグメントのさらなる拡大が最も確実性が高く、インパクトも大きいと判断します。
現在の実績は全国の自治体の一部に留まっており、市場全体から見れば未開拓の領域が広範に残っています。公共施設の老朽化に伴う維持・更新ニーズ、および自治体の運営効率化ニーズは今後も継続的に高まることが予測されており、この市場拡大の波に乗る必要があります。
具体的な施策としては、既存の成功事例(特に直近で業務開始した11自治体)をパッケージ化し、未開拓の自治体に対して集中的に営業リソースを投入します。特に、包括管理業務の導入メリット(計画的な設備投資、地域活性化、職員の業務負荷軽減)を具体的に示すための説得力のある提案資料と、自治体職員との関係構築を強化することが重要です。
また、DXの推進(Cross Point FMなど)で得られた効率化ノウハウを、包括管理業務の提案に組み込むことで、競合他社に対する優位性をさらに高めることができます。この戦略は、同社のコアコンピタンスを最大限に活用し、安定的なストック収益の積み上げに直結するため、売上倍増に向けた最優先戦略として位置づけるべきです。
ITコンサルからの提案(AI生成)
ITコンサルタントによる支援提案
日本管財ホールディングスの売上倍増戦略、特に「公共施設包括管理業務の全国シェア拡大」と「海外住宅管理事業のM&Aによる規模拡大とシナジー創出」をITの側面から支援します。
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公共施設包括管理提案のためのデータ統合・分析基盤構築支援
- 目的: 全国で蓄積された包括管理業務の実績データ(設備点検履歴、修繕履歴、コスト実績、自治体職員の業務負荷削減効果など)を統合し、未開拓の自治体への提案に活用できるようにする。
- 期待される効果: 提案の説得力向上と営業リードタイムの短縮。既存の「Cross Point FM」などのシステムと連携し、自治体ごとの課題に合わせたカスタマイズ提案を迅速に行えるようになる。
- 実現可能性: 既存の基幹システム「POSSibility」や「Cross Point FM」とのデータ連携を前提とし、データレイク/ウェアハウスを構築することで実現可能。
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M&A後のシステム統合・標準化ロードマップ策定と実行支援
- 目的: 海外M&A先(Keystone, Hawaiiana, Ackermannなど)の基幹システムや業務プロセスを、日本管財グループの標準(POSSibilityなど)に統合・標準化する。
- 期待される効果: グループ全体での業務効率化、データの一元管理による経営可視性の向上、およびノウハウの横展開の加速。
- 実現可能性: 各社のシステム特性を分析し、段階的な統合ロードマップを策定。特に会計・人事・購買システムなど、バックオフィス機能から優先的に統合を進める。
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現場DXサービス「KANNA」の機能拡張とデータ活用基盤強化
- 目的: 現場DXサービス「KANNA」の利用データを分析し、現場作業のボトルネックを特定。AI(NK-AIbot-D1)と連携させ、作業指示やトラブル対応の自動化・高度化を図る。
- 期待される効果: 現場作業員の生産性向上による人件費抑制と、サービス品質の均質化。これにより、公共施設管理におけるコスト競争力を強化する。
- 実現可能性: KANNAで収集される現場データを活用し、AIによる予兆保全や作業指示の最適化アルゴリズムを開発・導入する。


