G-イーディーピー - 2026年3月期第2四半期決算説明資料 ★

目次

基本情報

2026年3月期中間期 決算説明資料

2025年11月25日 株式会社イーディーピー 東証グロース(証券コード:7794)

EDPグループの概要

➢ LGD(人工ダイヤモンド宝石)の製造に必要な薄い板状のダイヤモンド単結晶を製造し、宝石生産向け種結晶の他、研究用基板、切削工具、放熱材料等の工業材料向けにも販売

  • 気相法でダイヤモンド単結晶を製造
  • 独自の製造技術により大型の板状ダイヤモンドの大量生産を実現
  • ラボグロウンダイヤモンド(人工宝石)の販売へ進出
  • ダイヤモンドデバイスの実用化に欠かせない30x30mmの世界最大級大型ダイヤモンド単結晶

第二の創業期における再成長イメージ

決算概要

2026年3月期中間期決算サマリー

➢ SFD Indiaの輸入ライセンス取得が遅れ、種結晶を輸入できず、営業開始は当会計期間中に出来なかった。
➢ 宝石販売に着手したが、当会計期間においては少額の売上に留まった。
➢ 徹底した費用削減は行ったが、在庫品評価下げ等で純損失が膨らんだ。

(百万円)

2025年3月期 中間期 実績 【連結】 2026年3月期 中間期 実績 【連結】
2025年3月期 中間期 実績 【連結】 2025年3月期 中間期 実績 【連結】 実績 【連結】 前年同期比 増減額 (増減率)
売上高 436 137 △298 (△68.4%)
営業利益 △546 △507 38 (ー)
経常利益 △572 △501 70 (ー)
親会社株主に帰属する 四半期純利益 △576 △504 71 (ー)

※当社は2025年3月期より連結財務諸表となっております。
注)△は損失を示しています。

利益増減(対前年同期)

➢ 売上が減少したが、経費を節減し、営業損失は39百万円減少
➢ 種結晶価格低下や素材等についての評価損の計上により△47百万円
➢ 新製品開発費用が128百万円前年同期より減少した
➢ 為替差損等により△17百万円

在庫評価損増加 新製品開発(研究開発費減少) 為替差損 その他 20263 月期 中間期 20253 月期 中間期 売上減 営業損失減

減益の主な要因

・昨年度公表した種結晶偏重のビジネスからの転換は、グループの 体制構築が進み、ラボグロウンダイヤモンドの販売を開始した。 本格的な営業へ進むため、Japan Made Diamondのブランド化 を推進している。
・ベルギー法人(SFD Antwerp)は2025年6月に事業を開始
・インド法人(SFD India)は、輸入ライセンス取得が遅れ、事業 開始が当会計期間には出来なかった。
・SFDは新規デザインの宝石やカラーダイヤの試作、開発が進展
・大型ウエハ開発は、ほぼロードマップ通りに進捗している。

四半期ごとの製品別売上及び損益

➢SFD Indiaの販売開始が遅れ、種結晶のインドでの売上は大幅減少
➢基板・ウエハは各顧客から受注が下期にずれ、売上高は減少
➢宝石の販売を開始したが、決算期が異なるSFD Antwerpの売上は計上して おらず、SFDも売上が少額であった。
➢製造コスト削減を進めたが、在庫評価減もあり、大幅な損失を計上

(百万円)

2025年3月期【連結】 2026年3月期【連結】
1Q 2Q 3Q 4Q 合計 1Q 2Q 合計
売上高 237 198 217 250 902 32 105 137
種結晶 170 119 119 123 531 10 20 30
基板・ウエハ 57 67 86 119 329 18 79 97
光学部品等 4 1 4 5 14 0 3 4
工具素材 5 10 7 4 26 2 2 4
宝石 0 0 0
営業利益 △174 △372 △194 △235 △976 △263 △243 △507
経常利益 △158 △414 △149 △267 △989 △275 △226 △501
当期純利益 △162 △413 △149 △1,581 △2,306 △276 △228 △504

注)△は損失を示しています。 ※当社は2025年3月期より連結財務諸表となっております。

貸借対照表

(百万円)

2025 3期.
【連結】
2026 3期.
中間期
【連結】
増減 主な増減要因
流動資産
固定資産
総資産
2,721
1,655
4,377
2,198
1,710
3,909
△523
55
△468
現金及び預金△693
商品及び製品+248
機械及び装置+47
投資その他資産△30
流動負債
固定負債
負債合計
純資産合計
負債・純資産合計
自己資本比率
354
604
958
3,418
4,377
78.1%
347
539
887
3,022
3,909
77.30%
△6
△65
△71
△396
△468
△0.79
未払金+21
株主優待引当金△18
長期借入金△73
資本金+54
資本剰余金+54
利益剰余金△504

※当社は2025年3月期より連結財務諸表となっております。

宝石の販売に向けた開発に注力

➢ SFDは2025年1月に宝石の販売を開始しました。
➢ ダイヤモンドでは代表的なブリリアントカットの販売を開始し、新しいデザインも製作を進めている。
➢ Japan Made Diamondの商品化に向けて、準備を進めています。

EDPの原石を生かした 新しいデザインの宝石 カラーダイヤ

大型単結晶ウエハの商品化、開発が進捗

➢ 1インチウエハの開発に成功し、2025年4月に発売
➢ 2~4インチウエハの開発ロードマップに沿って、モザイクウエハ 開発が進捗

  • 開発した世界最大級の30mm角単結晶を使い、1インチウエハ(直径 25mm)を製品化
  • 30mm角の結晶を4個接続し、50x50mm以上のモザイク結晶の 開発が進行中。完成すれば、それによって2インチ(直径50mm) ウエハが製作できる。

ダイヤモンド1インチ単結晶ウエハ

EDPグループの成長戦略

➢ ダイヤモンド単結晶を応用した多種類の製品で、ビジネス領域の拡大を目指す
➢ 人工宝石分野、基板・ウエハ分野の開発投資を目的に資金調達を実施

方針 当グル プの成長戦略 ー 種結晶偏重ビジネスからの脱却 ~ ~
方針 人工ダイヤモンド宝石分野 基板・ウエハ分野
方針 種結晶に偏らず、宝石や宝飾品等、総合的に 販売を行い、市場拡大に追従 デバイス開発に素材供給で貢献する 大型ウエハの市場を創成する
戦略 ◆高品質原石の量産技術確立 ◆新規デザイン、カラーダイヤの宝石開発 ◆Japan Made Diamondのブランド化 ◆EDPグループとしての総合力を発揮する ◆1~4インチウエハの開発ロードマップ により、ダイヤモンドデバイス開発を 促進 ◆開発製品ごとの必要素材を販売 ◆ダイヤモンドウエハの規格化を推進
今期取組 ⚫新規デザイン宝石の量産方法の確立 ⚫SFD Indiaにより種結晶の現地販売 ⚫SFD欧州子会社を稼働させ、宝石の欧米 への販売を開始 ⚫1インチウエハの量産確立と販売 ⚫2インチウエハ開発と市場の反応確認 ⚫ウエハ大型化に必要な周辺技術開発 ⚫多様な量子デバイス用基板の製品化

2026年3月期 通期業績予想の修正

2026年3月期通期業績予想の修正

➢ 期初の売上高予想は1,861百万円でしたが、SFD Indiaの営業開始の遅延 により種結晶販売が低迷し、宝石等の新規ビジネス展開を見通すことが 困難な状況のため、業績予想を「未定」に修正

(百万円)

2026年3月期 修正予想 前回予想 【連結】 【連結】 2025年3月期
2026年3月期 修正予想 【連結】 前回予想 【連結】 実績 【連結】
1,861 902
△77 △976
△89 △989
△128 △2,306

注)△は損失を表しております。

EDPグループが進む方向

ラボグロウン(人工)ダイヤモンドとは

➢ 約10年前からラボグロウンダイヤモンドは広く販売され、現在ではダイヤモンド宝石 市場の25%以上が人工に置き換わり、宝飾店やネットで流通

① 天然ダイヤモンドと比較して、安定した品質で高純度、大型品が製作できる
② 天然ダイヤモンドより安価で、大型やグレードの高い宝石へ移行できる
③ 環境負荷が低く、SDGsの観点で優位
④ 従来の形態にとらわれない新しいデザイン可能


① モザイク結晶素材 ② 各種サイズの種結晶 ③ 気相成長中 ④ 成長した原石 ⑤ 完成したLGD

24x24mmの モザイク結晶 8~15mm口 マイクロ波 プラズマCVD 原石厚さ3mm以上 ブリリアントカット の宝石

消費者の需要増により人工宝石市場は急速に拡大する

➢ LGD(人工ダイヤ宝石)は大きなシェアを獲得済みで、急速に市場拡大が進む
➢ 欧米ではLGDのSDGsにおける優位点を意識する消費者が増加

  • LGD市場は2024年から2028年まで CAGR8.8%で急速に拡大する見通し
  • LGDはダイヤモンド宝石市場における 流通量の20%以上にも達しているとの

出所:Lab Grown Diamonds Global Market Report 2024 出所:当社調査

LGDビジネス分野の外部環境

◆ 業界は拡大しているが、新陳代謝が加速している
人工ダイヤ宝石の販売量は依然として早いスピードで拡大している。 採算性の悪化から、一部企業の倒産が発生や生産停止が出ている。

◆ 製品の価格低下は次第に鈍化
価格の低下は進んでいるものの、低下のペースは鈍化している。 大型品の価格は大きく下がってはいない。

◆ 人工であるが故に、多様化が始まっている
カラーダイヤや大型品など、これまでにない宝石が出ている。

◆ 種結晶市場は縮小しているが、SFD Indiaがユーザーを開拓する
LGD企業の自家用生産種結晶が拡大しているが、高品質な当社種結晶 は根強い需要

◆ 天然ダイヤビジネスはLGDの台頭で困難な状況
SDGs等の観点から欧米では天然ダイヤ需要が減少し、一部の加工業者 がレイオフ等を行っている

LGD分野ビジネスの多角化への取り組み

➢既にSFD Antwerpを通じて、世界的な通販サイトでの販売を開始した。
➢SFD Indiaは新しいデザインやカラーの宝石を開発し、販売に備えた。
➢Japan Made Diamondの商品化を目指し、各工程の準備を開始

販売エリア

日本 宝飾品店 ネット通販
欧州 宝石店など

宝石 宝石店など

人工ダイヤ宝石分野でのビジネスの進め方

*大型単結晶を保有しており、これを種結晶として利用した 大型の原石生産が可能。これによって、新しいデザインの 自由度が大きく、斬新な宝飾品が可能
*既に試作済みの新規カットが、大手宝飾品企業で評価されており、これ等を販売することで、従来の宝石とは 異なった切り口の商品展開が出来る。
☆ 宝飾品企業との提携による新商品開発
☆ 当社の大型結晶を生かす新規デザイン開発
☆ EDPの多様な技術を使った新たなコンセプト作り
☆ Japan Made Diamondの実用化で、強力なブランド 作り進める




基板・ウエハビジネスの外部環境

◆ パワーデバイス、量子デバイスの実用化に向けた動き
・EVやHEVでの利用が期待されるパワーデバイスで、大電流デバイス 開発の報告もあり、開発が急速に進展
・弱磁場を検出する量子センサーで、心磁場や脳磁場等の検出シス テムへ適用が期待出来る報告が出てきた。

◆ 世界各地のベンチャー企業の活動
・パワーデバイス、放射線センサー、量子コンピューター、量子 センサー等、開発中のデバイスが多様化
・日米欧豪のダイヤモンドデバイスのベンチャーが資金調達を発表

◆ 政府および公的支援
・各国政府等によるダイヤモンドデバイス開発プロジェクトが立ち 上がり、企業や大学、公的研究所に相当な資金が投下された。

◆ 新しい応用へ向けてのダイヤモンド素材へ多様な要求
・量子センサーや放射線センサー等の応用の多様化により、ダイヤ モンド素材への要求が多様化し、各種の開発を強化
・既にデバイス量産化への要求も出ており、究極の熱伝導率を利用 したヒートシンクの応用にも、大型ウエハへの期待が高まっている。

当社の基板・ウエハビジネスの状況

➢ 本年度は昨年度に比べ各ユーザーの発注の出足が遅く、前年度同期に比べ 売上、受注共に減少したが、一昨年よりは2倍以上の受注を得ている。
➢ 下期は受注、売上が増加するが、本年度はユーザーがプロジェクト等で確 保した資金が多いので、順調に売り上げられると考えております。

デバイス製作用ウエハ開発での当社の位置づけ

*世界最大の単結晶を開発し、30x30mm基板や1インチ ウエハを製品化済み。さらに38x38mmの大型のモザイク 結晶も製品化。大型ダイヤモンド素材のメーカーとしての 評価が定着している。
*パワーデバイスから量子デバイスまで、ダイヤモンド デバイス開発で要求される様々な仕様の基板や各種のエピ成長層を商品化している。
*2インチウエハ~4インチウエハの開発に向けたロード マップを提示し、ユーザーはその進捗に期待。
*将来のウエハ規格化を検討しており、広く利用できる環境 を整えるために、業界団体などと協力する。


ダイヤモンドデバイス開発に向けたウエハ、基板

多様な応用展開に向け、各種の基板・ウエハ・エピ層を商品化

開発分野 製品名 内 容
基礎研究用基板 小型単結晶基板 3x3~9x9mm基板
基礎研究用基板 大型単結晶基板 10x10~30x30mm単結晶
基礎研究用基板 オフ角基板 基準面から0~5°した傾斜基板
横型デバイス用基板 高品質基板 低FWHMの欠陥が少ない基板
横型デバイス用基板 低B濃度エピ基板 高移動度p-エピ層付き基板
パワーデバイス用基板 低抵抗基板 高B濃度p+自立基板 (<13x13mm)
パワーデバイス用基板 高B濃度エピ基板 高B濃度p+エピ層付き基板 (<18x18mm)
量子デバイス用基板 (111)基板 窒素濃度<8ppm
量子デバイス用基板 低N濃度(111)基板 窒素濃度<0.5ppm
量子デバイス用基板 高N濃度基板 窒素濃度10~20ppm
各種エピ層 p-/p+ 低Bエピ層/高Bドープ基板
各種エピ層 i層/Nドープ基板 ノンドープエピ層/Nドープ基板
量産テスト用ウエハ ハーフインチウエハ 12.5mmΦx0.25mm
量産テスト用ウエハ 1インチウエハ 25mmΦx0.3mm(近日中商品化)
量産テスト用ウエハ モザイク基板 38x38mm以下の正方形もしくは丸形

基板・ウエハ開発の経緯と 2 インチウエハ開発計画

➢ 本年2月の30x30mm基板の商品化から、本年4月に1インチウエハも商品化
➢ 2インチモザイクウエハの開発も、順調に進行している。製品化済

2023年
単結晶 10x10mm
単結晶 15x15mm 製品化
モザイク結晶 38x38mm
単結晶ハーフインチウエハ (ミニマルウエハ)
単結晶 1インチ単結晶ウエハ 2024年度中の製品化を目指す




4インチウエハへのロードマップ

➢ 4インチウエハはデバイスプロセスを行うためのキー素材
➢ 50x50mm単結晶への大型化を達成し、4インチモザイクウエハへ到達する。

製品化目標 単結晶 30x30mm
製品化目標 2029年3月
製品化目標

EDPグループの今後の進み方

: 創業の目的 優れた物性を持つダイヤモンドを様々な分野で利用する
: 外部環境 LGD市場の拡大 / ダイヤモンドデバイス開発の進展
EDP グループの強み : ①世界最高の技術力 ②大型単結晶保有③ダイヤ企業としての知名度

新市場創成型ベンチャーとしてリスクに果敢に立ち向かう
業界 No.1 を目指して: リーディングカンパニーとして業界標準確立、ISO取得へ挑む

Appendix

会社概要

当社の軌跡

産総研で開発した大型単結晶ダイヤモンド技術を実用化する目的で創業
2012年から人工宝石用種結晶ビジネスが急速に立ち上がり、成長
一方、ダイヤモンドデバイスの進展を見越し基板・ウエハにも積極的に開発投資を実行
- 現在は2023年3月期まで成長をけん引した種結晶ビジネスからの脱却をテーマとする成長 戦略に取り組む

売上高(百万円)

当社の事業フロー

➢ LGD(人工ダイヤモンド宝石)の元となる種結晶をはじめとした主要製品を製造し、 LGD製造企業や大学研究所、デバイス等の企業へ販売

LGD市場のサプライチェーンにおいて 最上流に位置する種結晶の製造販売

➢ 当社はLGD(人工ダイヤモンド宝石)市場のサプライチェーンにおいて、 最上流のポジションに位置し、種結晶の製造販売を手掛ける

1 2 3

種結晶 メーカー LGD製造企業 成長専業 加工専業 宝飾品 鑑定会社 製作者 宝石店 ネット通販 消費者

①当社はLGDを成長させるための原料である「種結晶」を主要製品として販売
②種結晶を購入したLGD製造企業は、種結晶を成長させて原石を作り、 カットと研磨を行い、LGDを製造
③最終的には宝飾品に加工して、消費者に提供

ダイヤモンドの特性とエレクトロニクス応用

➢ ダイヤモンドの優れた物性を生かす様々な応用が検討されている。

ダイヤモンドの多彩な特性 期待される応用分野 最終製品
熱伝導率 ヒートシンク・熱制御 通信機器
高弾性率・音速 SAWフィルター 自動車
高移動度 パワーデバイス 人工衛星
低誘電率 高周波デバイス 原子炉等
耐熱性 高温動作デバイス 高度GPS
耐放射線 耐放射線デバイス
N-Vセンター 量子コンピューター 量子センサー

ダイヤモンドデバイス開発用ウエハ

➢ 当社は多様な要求に応えるバラエティー豊富な基板、ウエハを実用化して来た

製品名 応用分野 社会への提供価値/最終製品
◆小型単結晶基板
◆大型単結晶基板
◆オフ角基板
基礎研究用基板 ダイヤモンドデバイス開発の基盤研究で ある、エピ成長、ドーピング、結晶の 高純度化、欠陥制御等の目的に使用する。
◆高品質基板
◆低B濃度エピ基板
横型デバイス用基板 信号処理、高周波数デバイス、耐放射線 デバイス、センサー等の開発に使用する。
◆低抵抗基板
◆高B濃度エピ基板
パワーデバイス用基板 パワーデバイスの開発のため、縦型デバイ スを作製するために使用する。大電流動作 が必要なEV用デバイスの開発等に使用する。
◆(111)基板
◆低N濃度(111)基板
量子デバイス用基板 室温で動作する量子コンピューター、量子 センサーのデバイス開発に使用する。N-V センターを基板に垂直に形成できる。
◆ミニマルウエハ
◆モザイク基板
量産テスト用ウエハ ダイヤモンドデバイスの量産化に向けた 準備段階として、小規模の製造実験に使用 する。

当社の強み① 世界をリードする大型単結晶

➢ 分離技術を使って直接薄板単結晶を製作する世界唯一の企業
➢ 15x15mm単結晶、30x30mmモザイク結晶を実用化
➢ LGD用種結晶の大量生産を実現

当社の強み② 大量生産可能な製造工程

➢ イオン注入を用いた分離技術、単結晶をつなぎ合わせて1枚の大型基板とするモザイク 結晶など、独自の製造技術により大型の板状ダイヤモンドの大量生産を実現

親結晶
製品の厚さに成長 (結晶の厚さ0.05mm~2.5mm)
気相成長 イオン注入 (マイクロ波プラズマCVD法 )
必要に応じて研磨


  • 単結晶を大型化するため、複数の結晶を横に接合した「モザイク結晶」を開発

成長結晶を分離 (電解エッチング)
製品サイズに切断
成長結晶を分離 (電解エッチング)
同一の親結晶から子結晶を 複数個製作
子結晶を並べて 気相成長

当社の強み③ 大型で安価かつ高品質な薄板状ダイヤモンド

➢ 大型で安価かつ高品質な薄板状のダイヤモンドを提供
➢ 様々な用途で使いやすく高品質、板状で大型の単結晶を大量生産

①世界最大級の大型単結晶を保有している
②板状の形態で結晶を製造、製品製作で低コストを実現
③広い範囲の板厚の製品を実用化
0.03~3mmまで最大100倍の板厚が異なる製品を製造
④高純度かつオフ角の揃った結晶
⑤大面積研磨技術を持っており、 用途に合わせて2種類の粗さで研磨可能

投資判断(AI生成)

投資評価: ★☆☆☆☆

評価の理由:
今回の決算説明資料は、事業構造の転換期における深刻な業績悪化を示しています。売上高は前年同期比で68.4%減少し、大幅な赤字を計上しています。特に、従来の主力であった「種結晶」事業の売上が激減しており、新規事業である「宝石販売」と「基板・ウエハ」事業がこれを補えていません。

SFD Indiaのライセンス取得遅延による種結晶販売の低迷は、事業計画の根幹を揺るがす重大な問題です。また、宝石販売はまだ少額に留まっており、基板・ウエハ事業も顧客の受注ずれ込みにより売上が減少しています。

財務面では、売上減少に伴う損失拡大に加え、在庫評価損の計上が純損失を膨らませています。自己資本比率は77.3%と高い水準を維持していますが、これは利益剰余金の減少によるものであり、持続的な赤字が続けば悪化するリスクがあります。

経営陣は「第二の創業期」と表現し、宝石やデバイス分野への転換に自信を見せていますが、実績が伴っていません。特に、通期業績予想を「未定」としたことは、事業の不確実性が極めて高いことを示唆しています。技術力(大型単結晶製造)は強みですが、それが収益に結びつくまでの道のりが不透明であり、現状の財務状況と事業進捗からは、投資対象として高いリスクを伴うと評価せざるを得ません。

投資判断の根拠:
売り。現在の業績は大幅な悪化を示しており、新規事業の立ち上げ遅れと既存事業の縮小が重なっています。通期予想の未定化は、今後の見通しが極めて不透明であることを示しており、事業転換が成功する保証はありません。

重要なポイント:
1. 種結晶事業の急激な縮小: 従来の収益源が崩壊し、新規事業がそれを補えていない。
2. 通期業績予想の「未定」化: 事業計画の実行可能性に大きな不確実性が生じている。
3. 新規事業(宝石・基板)の立ち上げ遅延: SFD Indiaの遅延や顧客の受注ずれ込みにより、成長戦略の実行が停滞している。
4. 在庫評価損の計上: 既存事業の在庫評価損が損失を拡大させており、事業転換に伴うリスクが顕在化している。

会社への質問(AI生成)

SFD Indiaの輸入ライセンス取得遅延が種結晶販売に与えた影響について、具体的な遅延期間と、それが通期業績予想「未定」の主要因となった理由を詳細に説明してください。

新規事業である宝石販売の売上が中間期で極めて少額に留まった要因は何ですか?特に、SFD Antwerpの売上が計上されていない理由と、SFD Indiaでの開発状況について具体的に教えてください。

基板・ウエハ事業において、下期に受注・売上が増加する見込みの根拠は何ですか?顧客のプロジェクト資金確保状況と、具体的な受注見込みについて定量的な情報を提供してください。

売上倍増のための施策(AI生成)

施策名 成功率(%) インパクト 評価コメント
既存技術を活かした高付加価値な工業用ダイヤモンド製品の市場開拓 70% A 既存の大型単結晶製造技術を活かし、高熱伝導率や高移動度を必要とする先端分野(例:次世代通信、EV向け放熱基板)に特化した製品ラインナップを強化する。成功には、特定の顧客ニーズに合わせたカスタマイズと、競合に対する明確な技術的優位性の訴求が必要。
宝石事業における「Japan Made Diamond」のブランド戦略加速と提携強化 60% A 既存の新規デザインやカラーダイヤ開発を加速し、大手宝飾品企業との提携を具体化する。ブランド認知度を高めることで、高単価での販売を目指す。成功には、強力なマーケティングと、提携先の確保が鍵となる。
基板・ウエハ事業における2インチウエハの早期量産化と規格化推進 80% S 2インチウエハの早期量産化は、デバイス開発の進展に伴う市場拡大の機会を捉える上で不可欠。業界団体との連携による規格化推進で、市場シェアを早期に確立する。技術的には可能と見られるため、成功率は高い。
SFD Indiaの事業再開に向けた代替戦略の策定と実行 50% B ライセンス取得遅延の根本原因を解消し、代替ルートやパートナーシップを模索する。種結晶販売の回復が急務だが、遅延が長引くリスクがあるため、代替戦略の実行が重要。

最優先戦略(AI生成)

最も優先すべき戦略は、「基板・ウエハ事業における2インチウエハの早期量産化と規格化推進」です。

理由:
現在の業績悪化の主要因は、種結晶事業の縮小と新規事業の立ち上げ遅延です。宝石事業は市場拡大が見込まれるものの、競合も多く、ブランド確立には時間がかかります。一方、基板・ウエハ事業は、パワーデバイスや量子デバイスといった成長分野での需要が明確に存在し、同社の持つ大型単結晶技術が直接的に競争優位性となり得ます。

資料によれば、2インチウエハの開発はロードマップ通りに進捗しており、技術的実現可能性が高いと見られます。この分野での早期量産化と規格化は、市場におけるリーディングポジションを確立し、安定的な収益源を確保する上で最も効果的です。特に、デバイス開発の進展に伴い、素材への要求が多様化している中で、同社が持つ大型単結晶の供給能力は大きな強みとなります。

この戦略の成功には、開発ロードマップの厳守と、顧客との密接な連携による仕様のすり合わせが不可欠です。早期に量産体制を確立し、業界標準化を推進することで、種結晶事業の落ち込みを補い、持続的な成長軌道への回帰を加速させることができます。

ITコンサルからの提案(AI生成)

提案された最優先戦略である「基板・ウエハ事業における2インチウエハの早期量産化と規格化推進」に対し、ITコンサルタントとして以下の支援を提供します。

  1. 製造プロセス最適化のためのデータ収集・分析基盤構築:
    目的:2インチウエハの量産化に向けた製造工程(気相成長、イオン注入、分離、研磨)における品質変動要因を特定し、歩留まりを最大化します。
    支援内容:製造装置からのセンサーデータ(温度、圧力、ガス流量など)をリアルタイムで収集・統合するデータレイクを構築します。機械学習モデルを用いて、品質不良(欠陥、不均一性)と製造パラメータの相関を分析し、最適なプロセス条件を導出します。
    期待効果:歩留まりの向上による製造コスト削減と、安定した品質での量産化の実現可能性を高めます。

  2. サプライチェーン・需要予測システムの高度化:
    目的:デバイス開発の進展に伴うウエハ需要の変動に対応し、在庫最適化とリードタイム短縮を実現します。
    支援内容:既存の受注・販売データと、顧客のロードマップ情報(公開情報や共同開発情報)を統合し、需要予測モデルを構築します。特に、2インチウエハの需要予測精度を高め、生産計画との連携を強化します。
    期待効果:過剰在庫や欠品リスクを低減し、顧客への安定供給体制を確立します。

  3. 業界標準化に向けたデータ共有・コラボレーションプラットフォームの導入:
    目的:業界団体や顧客との連携を強化し、ウエハの規格化を推進します。
    支援内容:セキュアなクラウドベースのプラットフォームを導入し、規格策定に必要な技術データや仕様情報を関係者間で安全に共有・議論できる環境を整備します。これにより、仕様策定のスピードを向上させます。
    期待効果:業界標準化のプロセスを加速させ、同社の技術が標準として採用される可能性を高め、市場での優位性を確立します。