G-OPS - 2026年3月期第2四半期 決算説明会資料 ★★

基本情報

会社・事業概要

自己紹介

Aaron Lim(アーロン・リム)
Group Financial Controller(グループ財務コントローラー)

学歴・資格
* シンガポール南洋理工大学 会計学学士(優等学位)
* シンガポール勅許会計士(CA Singapore)

職務経歴
* グローバル市場でのグループ財務管理、コンプライアンス、レポーティング、税務計画・移転価格対応の経験
* 財務分析とプロセス改善、部門間協調を通じた事業成長とオペレーション強化への貢献

2026年3月期 第2四半期(中間期)決算概要

決算概要(2026年3月期 中間期)

M&Aの効果により増収も、米国関税引き上げの影響等により販売価格が下落し減益

項目 2025年3月期 第2四半期 累計 2026年3月期 第2四半期 累計 増減(対前年) 前年比
売上収益 (千米ドル) 198,261 215,223 +16,962 +8.6%
スペシャリティ (千米ドル) 66,083 73,554 +7,471 +11.3%
ジェネリック (千米ドル) 132,178 141,669 +9,491 +7.2%
売上総利益 (千米ドル) 28,453 24,784 ▲3,670 ▲12.9%
売上総利益(%) 14.4 11.5 ▲2.8
税引前利益 (千米ドル) 14,418 8,440 ▲5,978 ▲41.5%
中間利益 (千米ドル) 11,849 6,967 ▲4,882 ▲41.2%
中間利益率(%) 6.0 3.2 ▲2.7
中間包括利益 (千米ドル) 13,099 7,839 ▲5,260 ▲40.2%
EPS (米ドル) 0.5627 0.3307 ▲0.2318 ▲41.2%
EBITDA (千米ドル) 18,523 12,004 ▲6,518 ▲35.2%

*注:当社の連結財務書類は米ドルにて表示されています。本書において便宜上記載されている日本円の換算は、別段の記載がある場合を除き、1米ドル=148.88円(2025年9月30日現在の株式会社三菱UFJ銀行の対顧客電信直物売買相場の仲値)により計算されています。

業績(2026年3月期中間期)

  • 買収したEcoPoly社の貢献により増収
  • 市場価格の軟化及び米国関税引き上げの影響による販売価格の下落により、利益率が低下し減益

税引前中間利益の増減要因(前期比較)

(図表の内容は省略し、主要な要因を記載)

営業費用及び金融費用の推移 2025年3月期Q2 ~2026年3月期Q2

  • 営業費用(販売費、管理費及びその他の営業費用)は、EcoPoly社の買収関連費用に加え、グループ全体の人件費等の増加により、前期比30.9%増加
  • 金融費用は、銀行適用金利の低下に加え、デリバティブ金融商品の満期時に認識された公正価値評価益の計上により、前期比25.3%減少

貸借対照表

  • 売上収益の増加と回収時期の影響により、売掛金及びその他の債権が増加
  • 銀行借り入れの実施により、有利子負債が増加
項目 2025年3月期末 (千米ドル) 2026年3月期中間期末 (千米ドル)
資産合計 239,908 252,538
流動資産 201,361 212,316
(内、現金及び現金同等物) 68,177 75,341
(内、売掛金及びその他債権) 85,888 88,973
(内、 棚卸資産) 47,296 48,001
非流動資産 38,548 40,222
負債合計 152,886 159,782
(内、有利子負債) 87,726 105,420
資本合計 87,023 92,756
自己資本比率 36.3% 36.7%

キャッシュ・フロー計算書

  • 買掛金及びその他の債務の減少により、営業活動によるキャッシュ・フローは3.6百万ドルの支出
  • 主に有形固定資産の取得等により、投資キャッシュフローは0.6百万ドルの支出
項目 2025年3月期第2四半期 (千米ドル) 2026年3月期第2四半期 (千米ドル) 増減
営業活動によるキャッシュ・フロー ▲3,462 ▲3,612 ▲149
投資活動によるキャッシュ・フロー ▲9,073 ▲676 +8,396
財務活動によるキャッシュ・フロー 24,282 10,062 ▲14,220
フリーキャッシュ・フロー ▲12,535 ▲4,288 +8,247

*注1:減価償却費は、2026年3月期第2四半期(中間期)決算短信の連結キャッシュ・フロー計算書より無形資産償却費・有形固定資産償却費・使用権資産償却費をもって算出しております。

2026年3月期 業績見通し

2026年3月期 業績見通しのポイント

  • 収益及び利益の増加:売上収益 +28.2%、売上総利益 +14.7%
    • 売上収益:476.3百万米ドル(前期比 +28.2%)。地政学リスクが残る中、ASEAN市場での継続的な販売拡大を主要戦略として更なる業績拡大を目指す。
    • 売上総利益:57.1百万米ドル(前期比 +14.7%)。プロダクトミックスの変化や原材料価格の変動を吸収し、売上総利益率は12.0%、売上総利益は15%増を予想。
  • 販売費及び管理費:25.5百万米ドル(前期比 +24.1%)。販売チャネル及びASEAN市場への拡大による売上収益の増加に伴う、人員増及び販売・流通コストの増加。
  • 当期利益:18.1百万米ドル(前期比 +12.1%)。売上収益の伸びとコスト管理により、12%の増益を見込む。当期利益率は、4.3%程度を想定。

2026年3月期 業績予想

  • 世界的な地政学リスクや経済情勢の厳しい環境は持続すると想定
  • ASEAN市場の持続的な拡大と顧客による新製品投入を見込む
  • 買収した台湾及び中国の子会社による中華圏市場の顧客基盤拡大
項目 2025年3月期 累計 (千米ドル) 2026年3月期(予想) (千米ドル) 増減 前年比 2026年3月期 中間期進捗率
売上収益 371,586 476,300 +104,714 +28.2% 45.2%
スペシャリティ(特殊)プラスチック 121,100 157,179 36,079 +29.8% 46.8%
ジェネリック(汎用)プラスチック 250,486 319,121 68,635 +27.4% 44.4%
売上総利益 49,803 57,100 +7,297 +14.7% 43.4%
売上総利益率 13.4 12.0 ▲1.4pt
税引前利益 20,428 22,400 +1,972 +9.7% 37.1%
当期利益 16,145 18,100 +1,955 +12.1% 38.5%
EBITDA 29,328 31,500 +2,172 7.4% 38.1%

営業費用及び金融費用の推移 2025年3月期~ 2026年3月期(予想)

  • 増収増益に伴い、販売費が増加
  • 人件費の増加、M&A関連費用及び研究開発費用等の増加による管理費の増加を見込む

株主還元(JDR受益者への還元)

  • 配当方針について: 経営基盤と財務構造を強化しつつ、安定した配当を継続
  • 当社有価証券信託受益証券(JDR)の受益者には、株式配当を分配金として還元
項目 2024年3月期 中間配当 2024年3月期 期末配当 2025年3月期 中間配当 2025年3月期 期末配当 2026年3月期 中間配当
基準日 (権利確定日) 2023年12月28日 2024年8月29日 2024年12月27日 2025年8月29日 2025年12月26日
1株あたりの配当金 0.15米ドル 0.09米ドル 0.18米ドル 0.10米ドル 0.15米ドル
支払分配金額 (JDR1口につき) 21円 12円 28円 14円 確定次第開示
配当金総額 (千米ドル) 3,158 1,895 3,790 1,895 3,158
当期/中間 利益 (千米ドル) 6,677 (2024/3中間期) 10,492 (2024/3期) 11,849 (2025/3中間期) 16,145 (2025/3期) 6,967 (2026/3中間期)
配当性向 48.2% 48.2% 35.2% 35.2%

*注1:日付は分配金支払日

APPENDIX

確かな実績

  1. CAGR 18.4%の力強い持続的な収益成長 (売上収益)
  2. 研究開発に注力する収益性の高い企業 (税引前当期利益)
  3. JDR分配金 利回り 4.7%
    • ※1以下の内容をもとに算出しております。
    • 2025年3月期における
    • JDR分配金の支払額(JDR1口当たり):40円(2回分合計)
    • 期末(2023年3月31日)株価(終値):850円

重要指標(KPI)

重要指標①:売上収益
* 主要KPIは、主要顧客のビジネス予測を参照して、既存の市場の業界標準レベル以上の売上収益を重要指標(KPI) に設定
* 2026/3期(予想):476百万米ドル

重要指標②:売上総利益率
* 2つ目のKPIとして、売上総利益率10% を重要指標 (KPI) に設定
* 2026/3期(予想):12.0%

売上収益の推移(四半期)

売上総利益の推移(四半期)

製品別売上収益の四半期推移(2024年3月期~2026年3月期)

最終製品の多様化

  • 携帯機器向けのシェア大幅増と自動車向けが微増、主要用途の家電・掃除機向けシェアは減少
シェアの増加した使用製品 シェアの減少した使用製品
携帯機器: + 13% 掃除機: - 5%
自動車: + 3% 家電: - 4%
OA機器: - 3%
その他: - 3%
医療: - 1%

大中華圏への拡販

  • 台湾及び中国(上海)の商社を買収したことにより、中国及び香港の割合が増加。その結果、ASEAN(フィリピン、インドネシア、マレーシア)向けシェアが低下。
仕向け先シェアが増加した国 仕向け先シェアが減少した国
中国: +11% フィリピン: - 5%
香港: + 2% インドネシア: - 3%
ベトナム: + 1% マレーシア: - 2%
インド: - 2%
シンガポール: - 1%

グループのネットワーク

ASEAN諸国中心に事業を展開

OPSのビジネスモデル

  • 原材料メーカー (川上) から完成品 (川下) までのサプライチェーン・ソリューションを提供
  • 原材料メーカーとの強固なパートナーシップによりトップブランド向けの素材を安定供給
  • 委託製造会社等との強固なリレーションを通じて、素材を確実に供給
  • 個別のお客様のニーズに対応できること、特に指定の着色をすることがOPSの得意技術であり、お客様から選ばれる要因の一つ
  • 開発部門(エンジニアリングセンター)を本社に隣接し、コンパウンド工場をマレーシアとフィリピンに保有

OPSを選ぶ理由(OPSの強み)
* トップの原材料メーカー(欧米、日本等)との販売
* 多国籍企業のトップブランドへの販売
* 顧客開発ニーズの把握・収集
* 複数メーカーからの最適素材の提案
* 顧客の生産に合わせた機動的対応
* 開発期間短縮
* 一括調達によるリードタイム短縮

中長期成長戦略(2026年3月期まで)

売上収益は、成長戦略の実行により中期的に加速する見込み

  • スペックイン・ビジネスモデルの推進
    • フィリピンの日系企業への供給開始
    • 伊藤忠G子会社のシンガポール法人を(新規顧客として開拓)
中期経営計画における増収要因
日系大手メーカを開拓
伊藤忠グループの既存取引先からの部品移管
開発PJが順次完了
新規顧客との新規取引の開始
顧客の新規製品向けの製品の供給開始
顧客の既存製品向けの製品の伸張

投資判断(AI生成)

投資評価: ★★☆☆

評価の理由:
今回の決算は、M&Aによる増収効果があったものの、売上総利益率が前期の14.4%から11.5%へと大幅に悪化し、税引前利益が41.2%減と大幅な減益となりました。これは、米国関税引き上げや市場価格の軟化による販売価格の下落が主因とされています。増収増益を期待する市場の視点から見ると、利益率の急激な悪化は深刻な懸念材料です。

一方で、売上収益は前年同期比8.6%増と堅調であり、M&Aの効果は確認できます。しかし、営業費用が30.9%増加しており、利益率の悪化と相まって、コスト構造の脆弱性が露呈しています。

通期見通しでは、売上収益+28.2%増、税引前利益+9.7%増と、中間期の実績(売上総利益率11.5%、税引前利益率3.9%)と比較して、下期に利益率が回復し、通期で利益成長を達成する計画ですが、その根拠となる具体的な施策や市場環境の改善見通しが不明瞭です。特に、売上総利益率が中間期から通期予想で12.0%に回復する見込みですが、中間期に利益率を圧迫した要因(関税、価格下落)が解消される見通しが示されていません。

また、キャッシュフローを見ると、営業CFがマイナスであり、売掛金増加による運転資金の増加が利益の質に疑問を投げかけています。フリーCFもマイナスが続いており、財務体質の強化が急務です。

投資判断の根拠:
保有(中立)。増収効果とM&Aによる事業拡大は評価できますが、利益率の急激な悪化と営業CFのマイナスは重大な懸念材料です。通期見通しは楽観的であり、中間期の業績悪化要因が下期に解消される確証がありません。現状の財務状況と利益率の低下を考慮すると、積極的な買い材料は見当たりません。

重要なポイント:
1. 売上総利益率の急激な悪化(14.4%→11.5%):価格下落と関税影響が利益を大きく圧迫。
2. 営業CFのマイナス継続:売掛金増加による運転資金の悪化が懸念される。
3. 通期見通しの楽観性:中間期の実績と通期予想の利益率ギャップの根拠が不明瞭。
4. コスト増加:M&A関連費用と人件費増加により、利益率悪化に拍車がかかっている。

会社への質問(AI生成)

中間期に売上総利益率が11.5%まで急落した主要因である「米国関税引き上げの影響等による販売価格の下落」について、具体的な価格下落率と、それが解消される見込み、または価格転嫁の進捗状況を教えてください。

中間期は営業CFがマイナスとなり、売掛金が増加しました。これはM&Aによる一時的な影響か、あるいは既存事業の回収サイトの悪化によるものか、詳細な要因分析と今後の運転資金計画について説明してください。

通期予想では売上総利益率が12.0%に回復する見込みですが、中間期に利益率を圧迫した要因が下期に解消される具体的な根拠(例:特定顧客との価格改定、関税の変動見通しなど)を、セグメント別に詳細に説明してください。

売上倍増のための施策(AI生成)

施策名 成功率(%) インパクト 評価コメント
高付加価値製品(スペシャリティ)へのシフト加速 70% S 現在の利益率悪化の根本原因である価格競争からの脱却。携帯機器向けシェア増を活かし、自動車・医療分野など高単価・高利益率のスペシャリティ製品の売上比率を戦略的に高める。
ASEAN地域での生産・供給体制の最適化 65% A M&Aで獲得したEcoPoly社の生産能力と既存のコンパウンド工場(マレーシア、フィリピン)を統合し、ASEAN市場でのリードタイム短縮とコスト競争力を強化。特に、新規開拓した日系大手メーカーへの供給体制を確立する。
スペックイン・ビジネスモデルの対象顧客拡大 80% A 既存の強みである「顧客開発ニーズの把握」を活かし、開発段階から関与するスペックイン案件を、既存の携帯機器・自動車分野に加え、成長が見込まれる新興分野(例:再生可能エネルギー関連部品など)へ拡大する。
中華圏市場における販売チャネルの強化 60% B 買収した台湾・中国子会社を活用し、中華圏市場での販売網を強化。特に、既存の顧客基盤を活用したクロスセル・アップセルを推進し、売上規模を拡大する。

最優先戦略(AI生成)

上記の施策の中で最も優先すべきは、「高付加価値製品(スペシャリティ)へのシフト加速」です。

現在の業績の最大の問題点は、売上は増加しているものの、売上総利益率が急激に悪化していることです。これは、汎用品(ジェネリック)の価格競争に巻き込まれているか、あるいはM&Aで取得した事業の収益性が低いことを示唆しています。売上を倍増させるためには、単に量を増やすだけでなく、質を高める必要があります。

この戦略は、現在の課題である利益率の低さを直接的に改善し、持続的な成長の基盤を築くために不可欠です。説明会資料では、携帯機器向けシェアが大幅に増加し、自動車向けも微増している一方で、家電・掃除機向けシェアが減少していることが示されています。これは、高付加価値製品へのシフトが部分的に進行していることを示していますが、まだ不十分です。

最優先戦略として、このシフトを意図的に加速させる必要があります。具体的には、研究開発部門(エンジニアリングセンター)のリソースを、利益率の低い製品群から、携帯機器や自動車向けの高機能・高付加価値製品の開発に集中させます。また、スペックイン・ビジネスモデルをさらに推進し、顧客との開発初期段階から関与することで、競合他社が容易に模倣できない独自の製品ポートフォリオを構築します。

この戦略の成功は、売上総利益率の回復と安定化に直結します。現在の11.5%から、過去の平均水準である13%台、将来的には15%超を目指すことで、売上倍増に伴う利益の拡大を確実なものとします。成功率を高めるためには、既存のトップ原材料メーカーとの連携を強化し、最先端の素材をいち早く製品化する体制を維持することが重要です。

ITコンサルからの提案(AI生成)

1. 製品ポートフォリオ最適化のためのデータ分析基盤構築

目的: どの製品セグメント(スペシャリティ vs ジェネリック)が、どの顧客・地域で最も高い利益率を達成しているかをリアルタイムで可視化し、リソース配分を最適化する。
期待される効果: 利益率の低い製品へのリソース投入を抑制し、高付加価値製品への開発・営業リソースを集中させる意思決定を迅速化します。
実現可能性: 既存のERPや販売管理システムからデータを抽出し、BIツールを用いてダッシュボードを構築することで、比較的短期間での実現が可能です。

2. サプライチェーン・オペレーションの可視化と効率化

目的: M&Aで獲得したEcoPoly社を含む、グローバルな生産・在庫・物流ネットワークの全体像をデジタルツイン的に可視化し、ボトルネックを特定する。
期待される効果: 営業費用増加の要因となっている物流コストや在庫管理の非効率性を特定し、生産計画と需要予測の精度を高めることで、在庫最適化とリードタイム短縮を実現します。
実現可能性: 既存のSCMシステムや生産管理システムと連携し、統合的なデータプラットフォームを構築します。

3. スペックイン案件の進捗管理と開発リソース配分の最適化システム導入

目的: 開発PJの進捗状況、必要な技術リソース、および将来の売上貢献度を統合管理するシステムを導入し、開発リソースの配分を最適化する。
期待される効果: 開発期間の短縮と、将来の売上貢献が見込める高付加価値案件へのリソース集中を可能にし、スペックイン・ビジネスモデルの推進を加速させます。
実現可能性: プロジェクト管理ツールとR&Dデータベースを連携させ、開発フェーズごとのKPI達成度を可視化する仕組みを構築します。