イオン - 2026年2月期 第3四半期決算説明会資料 ★★★

基本情報

2026年2月期第3四半期決算

イオン株式会社
2026年1月8日

連結業績(第3四半期累計)

  • 営業収益・営業利益ともに過去最高を更新
  • 「トップバリュ」の拡販や過去最大規模で実施した「ブラックフライデー」が奏功し増収
  • 店舗DXを通じた人時生産性の向上や経費構造改革の着実な推進により対前年同期比で収益性を改善

※ 法人税等に関する会計基準を当期首より適用しており、前年実績の数値は遡及修正後の数値となっています。

連結業績・5年間推移(第3四半期累計)

  • 営業利益は2期ぶりに過去最高益を更新
  • 親会社株主に帰属する四半期純利益は第1四半期の一過性要因等の影響を受けながらも前年同期からは大幅に損益を改善

(グラフ:営業収益(億円)の推移。21.3QTから25.3QTまでの推移が示されている。)

※ 法人税等に関する会計基準を当期首より適用しており、24年度の実績は遡及修正後の数値となっています。

セグメント別業績(第3四半期累計)

  • 営業収益:全ての報告セグメントで増収
  • 営業利益:DS、国際を除く6セグメントで増益。期初より好調を維持するディベロッパーやGMS、ヘルス&ウエルネス、サービス・専門店各事業の大幅な損益改善が過去最高益に寄与
報告セグメント 営業収益(実績 対前年増減率) 営業利益(実績 対前年増減差 対前年増減率)
GMS事業 27,226 (4.1%) 132 (+75)
SM事業 23,016 (2.8%) 44 (-2)
DS事業 3,227 (5.8%) -116
ヘルス&ウエルネス事業 10,152 (2.7%) 273 (+46)
総合金融事業 4,188 (8.3%) 404 (+20)
ディベロッパー事業 3,868 (5.2%) 493 (+106)
サービス・専門店事業 5,659 (3.3%) 208 (+42)
国際事業 4,183 (2.2%) 57 (-0)
その他 585 (18.5%) -92 (-19)
調整額 -4,613 (ー) 41 (-14)
連結合計 77,494 (3.7%) 1,447 (+271)

セグメント別営業利益対前年同期差四半期推移

  • 第3四半期は小売事業(GMS、SM、DS)において、本格的な年末商戦(第4四半期)を前に価格戦略を強化し、客数・買上点数増を図ったことで売上確保も、荒利でコスト増を吸収できず収益性に改善余地あり
  • 一方、ディベロッパーやサービス・専門店が好調に推移するとともに、総合金融も第2四半期以降、改善
  • マルチフォーマットの強みを活かすことで第3四半期累計の連結営業利益は過去最高益を更新

(グラフ:セグメント別営業利益対前年同期差四半期推移)

お客さまのくらしを支える「トップバリュ」の拡販

  • 物価高が続く中、お客さまの生活を支援するため、価格訴求型「ベストプライス」を中心にトップバリュの拡販を強化
  • 9月に106品目の増量企画、10月に60品目の値下げ企画を実施し、グループ計で売上高前年同期比 111.2 %、増収・荒利額の増益に大きく貢献

セグメント別実績の概況

GMS事業

  • お客さまの生活防衛意識が高まる中、第3四半期は客数増を企図し、価格戦略を強化
  • PB拡販や大型セール、アプリ/ポイント販促等で営業収益は堅調に拡大
  • 店舗DXによる人時生産性向上や経費構造改革も進展し、第3四半期累計では営業損失を大幅に縮小
  • PB構成比の増加やKVI [*1] の精緻化といったお客さまのニーズに適合した施策推進により第4四半期に巻き返しを図る

※1 KVI:Key Value Item 顧客の価格認識を形成する主要な商品

GMS事業・イオンリテール

  • 大型セールや価格戦略強化、衣料・住居余暇のSPA化に加え、来店動機強化を目的とした活性化が奏功し、第3四半期は全ライン(食品・衣料・住居余暇・H&BC)で前年同期の既存店売上高を上回る
  • 価格戦略や活性化の推進により第3四半期(3ヵ月)は減益も客数・買上点数は改善傾向に
  • 本社・カンパニースタッフのスリム化、店舗DXの継続により、経費は適切にコントロール

SM事業

  • 累計では増収増益も収益性が低下し2四半期連続で減益
  • 価格戦略の強化により買上点数が増加し、売上は伸長したものの荒利率の改善に課題あり
  • 生鮮・惣菜の仕入適正化による売変削減やPB構成比の引き上げ、店舗DXの推進、PCの活用拡大等で巻き返しへ

(グラフ:営業利益増減(法人別)の推移)

DS事業

  • トップバリュやDS専用PBの拡販等による価格訴求で既存店売上高、客数は堅調に推移
  • 前年同期比105.8%の増収も成長投資に伴う一時的なコスト増等により営業利益は減益
  • 下期以降、PB拡販を中心とした価格訴求力のさらなる強化と店舗オペレーションの効率化を推進

(グラフ:人時生産性前年同期比の推移)

ヘルス&ウエルネス事業

  • 食品が牽引した物販、調剤ともに堅調に推移し増収
  • PBの拡販や店舗オペレーションの効率化により収益性を向上し、二桁増益
  • 11月末までに6店舗をオープンした「ドラッグ&フード」の進化モデルも好調な滑り出し

総合金融事業

  • 国内外における債権残高の拡大や金利環境変化に伴う国内金融収益拡大により増収
  • AI等を活用した与信・回収精度の向上を通じた貸倒関連費用の抑制等により収益性を改善し増益に転換
  • AEON Pay会員数は期首から214万人増の1,030万人となり1千万人を突破

(グラフ:営業利益増減(エリア別)の推移)

ディベロッパー事業

  • イオンモールは、増収増益。営業収益、全ての各段階利益が過去最高を更新
  • 国内:各種イベント等による集客増に加え、電気代等の販管費抑制で収益性も改善し大幅な増収増益
  • 海外:中国・アセアン各国で専門店売上は堅調に推移し、歩合賃料収入増で増収増益

(グラフ:営業利益増減の推移)

サービス・専門店事業

  • イオンエンターテイメント:邦画・アニメ等ヒット作品による動員数増やセルフオーダー導入拡大による飲食売上増で営業利益が大幅拡大、過去最高益
  • イオンファンタジー:好調な国内事業や利益改善が進む中国事業による損失改善により1.5倍超の営業増益

(グラフ:営業利益増減要因)

国際事業

  • イオンベトナムは来店客数拡大に向けたKVIの強化やOMO施策* [1] が奏功し大幅な増収増益、アセアン事業を牽引
  • イオンマレーシアは必需品重視の消費行動が加速する中、食品堅調も衣料・住居余暇が苦戦し営業利益は微減
  • 中国では低調な消費マインドや中秋節の期ずれ影響等で減収減益も都市化の進展を背景に湖北では黒字・増益を確保

※1 OMO(Online Merges with Offline)施策:オンラインとオフラインの融合により顧客体験の質を向上させるマーケティング施策

2025年度の見通し

12月度・年末年始売上状況

  • 12月度は気温が高めに推移したことや曜日廻りの影響もあり前半苦戦も、後半回復し堅調な着地
  • 年間最大商戦の年末年始で、ガソリンの「暫定税率の廃止」を機に広域来店を強化したディベロッパーやサービスが想定を超える伸長
  • GMSでは衣料・食品が年末年始売上を牽引、DS、中国・アセアンが年始好発進

業績予想の修正

  • TOBを通じたツルハHDの連結子会社化に伴い通期業績予想を上方修正
  • 営業収益及び各段階利益はツルハHDの第4四半期分取り込みを反映
  • 特別利益に計上予定の段階取得差益を原資に、事業構造改革のスピードアップを図る

※ 法人税等に関する会計基準を当期首より適用しており、前年実績の数値は遡及修正後の数値となっています。

2025年11月末連結貸借対照表

(表データ)

※ 法人税等に関する会計基準を当期首より適用しており、前年実績の数値は遡及修正後の数値となっています。

配当について

  • 2025年9月1日に普通株式1株につき3株の割合で株式分割を実施
  • 分割実施前を基準日とする中間配当は20円、期末配当は7円の配当を予定
  • 株式分割を考慮しない場合の期末配当は21円、年間配当金は前年度から1円増配の41円

投資判断(AI生成)

投資評価: ★★★

評価の理由:
イオンは第3四半期累計で営業収益・営業利益ともに過去最高を更新し、堅調な成長を示しています。特にディベロッパー事業、総合金融事業、サービス・専門店事業が大幅な増益に貢献しており、GMSやSM事業の収益性改善努力も一定の成果を上げています。ツルハHDの連結子会社化に伴う業績予想の上方修正は、今後の成長期待を高めるポジティブな材料です。

しかし、小売事業(GMS、SM、DS)においては、価格戦略の強化による売上確保の裏で荒利率の低下が課題となっており、収益性の改善余地が大きいことが示唆されています。特にSM事業は2四半期連続の減益であり、GMSも第3四半期単体では減益となっています。また、国際事業ではマレーシアや中国の消費低迷が業績に影響を与えています。

財務面では、過去5年間の推移で安定した成長が見られますが、ROEやROAの具体的な数値が提示されていないため、資本効率の評価が限定的です。全体として、非小売事業の好調さが小売事業の課題を補っている状況であり、持続的な成長のためには小売事業の収益性改善が不可欠です。

投資判断の根拠:
保有。現在の業績は堅調であり、特に非小売事業の成長とツルハHDの連結化による上方修正は評価できます。しかし、小売事業の収益性改善が不透明である点、国際事業の地域差が大きい点から、積極的な買い材料としては不十分です。既存の投資家にとっては、今後の小売事業の改善状況を見極めるための「保有」が妥当と考えられます。

重要なポイント:
1. 非小売事業の収益貢献度: ディベロッパー、総合金融、サービス・専門店事業が過去最高益に大きく貢献しており、事業ポートフォリオの強みが発揮されている。
2. 小売事業の収益性課題: GMS、SM事業において、価格戦略による売上増の裏で荒利率が悪化し、収益性が低下している点が懸念される。
3. ツルハHD連結化による上方修正: TOB完了による業績予想の上方修正はポジティブだが、ツルハHDの第4四半期業績がどの程度貢献するかの詳細が不明。
4. 国際事業の地域差: ベトナムは好調だが、マレーシアや中国の消費低迷が業績に影響を与えている。

会社への質問(AI生成)

GMS事業において、価格戦略強化による売上確保の裏で荒利率が悪化し、第3四半期単体で減益となった要因について、具体的な商品カテゴリー別の荒利率の変化と、今後の価格戦略と収益性改善のバランスをどのように取るのか、詳細な説明を求めます。

SM事業が2四半期連続で減益となっている点について、生鮮・惣菜の仕入適正化やPB構成比引き上げといった施策の進捗と、それが営業利益に与える影響の具体的な見通しを教えてください。

国際事業において、ベトナムの好調さがマレーシアや中国の低迷を補っている状況ですが、マレーシアと中国の消費マインド回復の見通しと、各国の事業戦略の具体的な変更点について教えてください。

売上倍増のための施策(AI生成)

施策名 成功率(%) インパクト 評価コメント
GMS/SMのPB「トップバリュ」の戦略的価格設定と品揃え強化 80% S 既存の強みであるPBをさらに強化し、価格競争力と収益性の両立を目指す。KVI設定の精度向上と、トップバリュの品揃え拡充が鍵。
ヘルス&ウエルネス事業の「ドラッグ&フード」モデルの全国展開とM&A戦略 70% A 成長市場であるヘルス&ウエルネス分野での展開を加速。既存のドラッグストアM&Aと新規出店を組み合わせ、売上規模を拡大する。
ディベロッパー事業の収益源多様化と海外展開の加速 65% A 安定収益源であるディベロッパー事業の海外展開を加速し、国内の成熟市場依存度を下げる。特にアセアン地域での新規開発を推進。
総合金融事業のAEON Pay会員基盤を活用したクロスセル強化 75% B 1000万人超のAEON Pay会員に対し、金融サービス(ローン、保険など)のクロスセルを強化。既存顧客からの収益最大化を図る。

最優先戦略(AI生成)

最も優先すべき戦略は、「GMS/SMのPB『トップバリュ』の戦略的価格設定と品揃え強化」です。

イオンの売上規模の大部分を占めるGMSおよびSM事業は、価格競争の激化と消費者の生活防衛意識の高まりにより、売上は確保できているものの収益性が低下するという構造的な課題を抱えています。特に第3四半期累計では、GMSは営業損失を大幅に縮小したものの、SM事業は2四半期連続の減益となっています。この状況下で売上を倍増させるためには、中核事業である小売事業の収益構造を抜本的に改善し、安定的な成長基盤を確立する必要があります。

トップバリュは、価格訴求型「ベストプライス」を中心に売上高前年同期比111.2%と好調であり、増収・荒利額の増益に貢献しています。この強みをさらに活かすことが、売上倍増への最も確実な道筋です。

具体的な施策としては、まずKVI(Key Value Item)の精緻化をさらに進め、顧客が価格を認識する主要な商品群において、競合他社を圧倒する価格競争力を維持・強化します。同時に、PB構成比の増加は荒利率の改善に直結するため、トップバリュの品揃えを強化し、食品だけでなく衣料や住居余暇など全カテゴリーでの構成比向上を目指します。

この戦略の成功率は80%と評価しましたが、これは既存のオペレーションと顧客基盤を活用できるためです。しかし、成功の鍵は、価格戦略と収益性のバランスをいかに取るかにかかっています。単なる値下げではなく、サプライチェーンの効率化(仕入適正化、在庫最適化)とDXによる人時生産性向上を並行して推進し、コスト構造そのものを改善することで、価格競争力を維持しつつ荒利率を改善する必要があります。この施策は、売上倍増の基盤となる小売事業の収益性を確保し、他の事業の成長を支えるための必須条件となります。

ITコンサルからの提案(AI生成)

提案するITコンサルティング支援は、主に小売事業の収益性改善とオペレーション効率化に焦点を当てます。

  1. AI駆動型・需要予測と発注最適化システムの導入支援(GMS/SM向け)

    • 目的: 生鮮・惣菜の廃棄ロス削減と在庫最適化による売上原価率の改善。
    • 支援内容: 既存のPOSデータ、気象データ、イベント情報、地域特性データを統合し、AIを活用した高精度な需要予測モデルを構築・導入します。特に生鮮・惣菜のカテゴリに特化し、発注・製造計画の自動化を支援します。
    • 期待される効果: 廃棄ロスの削減(売変削減)と機会損失の低減。これにより、SM事業の減益要因となっている荒利率低下を直接的に改善し、GMSの収益性向上に寄与します。
  2. 店舗オペレーションDX基盤の統合と標準化(全小売事業向け)

    • 目的: 店舗DXによる人時生産性の最大化と、全社的なオペレーション標準化の推進。
    • 支援内容: 各店舗で導入が進むDX施策(セルフレジ、モバイルオーダー、在庫管理システムなど)のデータ連携基盤を統合し、本部側でのリアルタイムな進捗管理・分析ダッシュボードを構築します。特に、人時生産性向上のボトルネックとなっている非効率な作業を特定し、デジタルツールによる自動化・効率化のロードマップ策定を支援します。
    • 期待される効果: 経費コントロールの精度向上と、スタッフの付加価値の高い業務へのシフト促進。これにより、人件費効率を改善し、収益性を高めます。
  3. 総合金融事業における与信・回収プロセスの高度化(AI活用)

    • 目的: 貸倒関連費用のさらなる抑制と、与信判断の迅速化・精度の向上。
    • 支援内容: 現在AIを活用している与信・回収プロセスに対し、より高度な機械学習モデルを導入し、リスク評価の精度を向上させます。特に、AEON Pay会員の購買行動データと金融取引データを統合分析し、潜在的なデフォルトリスクを早期に検知する仕組みを構築します。
    • 期待される効果: 貸倒引当金の最適化と、金融収益の安定化。これは、金融事業の増益基調を維持・強化するために不可欠です。