AIエージェントの脅威とゼロトラストが新常識に。今週のセキュリティニュース 🛡️(2025年12月19日ニュース)

今週は、AIエージェントの台頭に伴う新たなセキュリティリスクと、それに対抗するための具体的な対策が大きなテーマです。AWSやOktaといった大手企業がAIエージェントのセキュリティについて議論や新標準を提唱しています。また、ランサムウェア対策の切り札として「ゼロトラスト」がますます重要になっており、SBIホールディングスのような国内大手金融機関での具体的な導入事例も報じられました。さらに、コネクテッドカーのハッキングやOSSのサプライチェーン問題など、未来と足元の両方で注目すべき脅威が浮き彫りになっています。技術的な対策だけでなく、人的なリテラシー向上の重要性も改めて示された一週間でした。💻🔍

経営者向けレポート:米国における国を挙げたゼロトラストアーキテクチャの導入、事例とその成果及び非導入事例の場合

ランサムウェア攻撃の脅威が増大する中、従来の境界型防御の限界が露呈しています。この記事は、米国におけるゼロトラストアーキテクチャ(ZTA)導入の有効性を、経営者向けに詳細に分析したレポートです。特に、Colonial PipelineMGM Resortsといった甚大な被害を受けた事例を教訓に、国家レベルでZTAへの移行が義務化された背景を解説。一方で、South Louisiana Community Collegeのように、バックアップの不変性(イミュータブル)といったZTAの原則を導入していたことで被害を最小限に抑えた成功事例も紹介しています。レポートは、フィッシング耐性MFAやマイクロセグメンテーションが、もはや「推奨」ではなく組織の存続に関わる「必須要件」であることを強調しています。

経営者向けレポート: 米国における国を挙げたゼロトラストアーキテクチャの導入、事例とその成果及び非導入事例の場合

SBIホールディングス、グループ全体のランサムウェア対策でマイクロセグメンテーションを導入

SBIホールディングスが、グループ全体のランサムウェア対策として、アカマイ・テクノロジーズの「Akamai Guardicore Segmentation」を導入したことを発表しました。この動きは、サプライチェーン攻撃や正規ツールを悪用する「Living off the Land(LotL)」型攻撃など、進化する脅威に対抗するためのものです。同社は、可視化と分離を中核とするゼロトラスト基盤構築の一環として、エンドポイント単位でネットワークアクセスを制御するマイクロセグメンテーションを採用。これにより、数千台の端末と数百台のサーバーを保護し、万が一侵入された場合でも被害の拡大(ラテラルムーブメント)を防ぐ体制を整えます。大手金融グループによる具体的なゼロトラスト導入事例として注目されます。🛡️

SBIホールディングス、グループ全体のランサムウェア対策でマイクロセグメンテーションを導入

技術的対策で防ぎ切れないサイバー攻撃、人や組織のセキュリティ強化術

サイバー攻撃が巧妙化し、技術的な対策だけでは防ぎきれない時代になっています。この記事では、特にサプライチェーンを狙った攻撃やフィッシングメールの脅威に対し、「人」と「組織」のセキュリティ強化がいかに重要かを解説しています。ラックの小笠原恒雄氏は、情報リテラシーの向上が不可欠であると指摘。具体的な企業の取り組みとして、JALが全社的なアウェアネス活動を通じてリスク対処能力を向上させた事例や、TOPPAN HDがグループ全体でメール訓練を拡大し「Human FireWall」の実現を目指している事例が紹介されています。単なるツール導入に留まらない、組織文化としてのセキュリティ対策の重要性がよく分かります。👥

技術的対策で防ぎ切れないサイバー攻撃、人や組織のセキュリティ強化術

AIエージェントの急増がもたらすリスク--Oktaの新セキュリティ標準が果たす役割

自律的にタスクをこなすAIエージェントの普及が、新たなセキュリティリスクを生み出しています。この記事では、アプリケーション間のアクセス許可に使われるOAuthトークンが、エージェントの急増によって悪用される危険性を指摘。この課題に対し、ID管理大手のOktaが、MicrosoftやGoogle、Salesforceなどと協力し、新しいオープンスタンダード「Identity Assertion Authorization Grant(IAAG)」をIETFで策定中であることを明らかにしました。この新標準は、どのユーザーがどのエージェントにアクセス権を付与したかを中央で管理し、IAMの死角をなくすことを目的としています。🤖🔐

AIエージェントの急増がもたらすリスク--Oktaの新セキュリティ標準が果たす役割

AWSのセキュリティ責任者が議論した、AIエージェントの利便性とリスク

AWSの年次イベント「re:Invent 2025」で、同社の最高情報セキュリティ責任者(CISO)らがAIエージェントのセキュリティについて議論しました。CISOのAmy Herzog氏は、AIエージェントの自律的な行動が従来とは異なるリスクを生むと指摘。特に、エージェント間でアクセス権を委譲する際の管理が重要になると述べました。対策として、従来のセキュリティの基本を徹底することに加え、隔離された環境でAIエージェントを試す「ハンズオン」の重要性を強調。また、オブザーバビリティ(可観測性)とセキュリティの融合や、新たに発表された「AWS Security Agent」による開発ライフサイクル初期段階からのセキュリティ確保(シフトレフト)の重要性が語られました。☁️

AWSのセキュリティ責任者が議論した、AIエージェントの利便性とリスク

自動車テロがサイバー犯罪の次なる舞台となる──特集「THE WIRED WORLD IN 2026」

コネクテッドカーの普及が、サイバー犯罪の新たな舞台となる可能性を警鐘する記事です。2026年には、自動車がハッキングや兵器化の対象となり、大規模な妨害行為に対する脆弱性が露呈すると予測されています。記事では、日産リーフのハッキング事例に触れつつ、インフォテインメントシステムの脆弱性を突くことで遠隔操作が可能になる危険性を指摘。さらに、単独の攻撃者が数百、数千台の車を同時にハイジャックし、都市機能を麻痺させる大規模サイバー攻撃の可能性にも言及しています。「IoTの兵器化」と呼ばれるこの新たな脅威に対し、社会全体での備えが急務であることを訴えています。🚗💥

自動車テロがサイバー犯罪の次なる舞台となる──特集「THE WIRED WORLD IN 2026」

サーバーをハッキングされて勝手に仮想通貨をマイニングさせられていた体験談が話題に

あるソフトウェアエンジニアが、自身のサーバーがハッキングされ、気付かぬうちに仮想通貨「Monero(モネロ)」のマイニングに悪用されていた体験談を公開しました。原因は、アナリティクスツール「umami」で利用されていたWebフレームワークNext.jsの脆弱性(CVE-2025-66478)でした。攻撃者はこの脆弱性を突いてサーバーに侵入し、10日間にわたってCPUに800%を超える高負荷をかけてマイニングを実行。この記事は、自分が直接利用していないソフトウェアの依存関係に潜むリスクを浮き彫りにし、開発者にとって重要な教訓を示しています。💻💸

サーバーをハッキングされて勝手に仮想通貨をマイニングさせられていた体験談が話題に

バンダイチャンネル、最大136万件の情報漏えいのおそれ サービスは再開

バンダイナムコフィルムワークスが運営する動画配信サービス「バンダイチャンネル」が、第三者による不正アクセスを受け、最大136万6000件の個人情報が漏えいした可能性があると発表しました。このインシデントは11月4日に発生し、一部会員が意図せず退会させられる障害が確認されたため、サービスを一時停止していました。漏えいした可能性のある情報は、メールアドレス、ニックネーム、バンダイナムココイン残高などで、クレジットカード番号は含まれていないとのことです。同社はサービスを再開し、再発防止策の強化に努めるとしています。🚨

バンダイチャンネル、最大136万件の情報漏えいのおそれ サービスは再開

AIが出してきた電話番号、まさかの“詐欺師への直通”……?

AIチャットボットに企業のカスタマーサポート番号を尋ねたら、それが詐欺師の電話番号だった──そんな危険な事態が現実になっています。AIセキュリティ企業Aurascapeのレポートによると、詐欺師はAIが回答を生成するために参照するWebサイトに偽情報を仕込み、AIに誤った情報を提示させています。信頼性の高い政府機関(.gov)や大学(.edu)のサイトに偽情報を紛れ込ませたり、AIが好みやすいQ&A形式や箇条書きで情報を偽装したりする巧妙な手口が使われています。AIを過信せず、電話番号などの重要な情報は必ず公式サイトで確認することが求められます。🤖📞

AIが出してきた電話番号、まさかの“詐欺師への直通”……?

メンテナー不在で危機のOSS--Chainguardが救済策「EmeritOSS」を開始

多くのシステムで利用されているオープンソースソフトウェア(OSS)が、メンテナー不在によりセキュリティリスクに晒される問題が深刻化しています。Kubernetesの「Ingress-NGINX」のような重要プロジェクトがサポート不足に陥る中、ソフトウェアサプライチェーンのセキュリティ企業Chainguardが新たな救済策「EmeritOSS」を発表しました。このプログラムは、メンテナンスが停止したOSSプロジェクトの安定性重視のフォークを公開し、脆弱性修正や依存関係の更新を継続的に提供。これにより、企業は安全にシステムを運用しながら、後継技術への移行計画を立てる時間を得ることができます。これはOSSエコシステムの持続可能性にとって重要な一歩です。🌍

メンテナー不在で危機のOSS--Chainguardが救済策「EmeritOSS」を開始

考察

今週のニュースを俯瞰すると、サイバーセキュリティの戦場が新たな次元に突入していることが明確に見て取れます。特に「AIエージェント」の台頭は、利便性の裏に潜む未知のリスクを浮き彫りにしました。AWSやOktaといった業界の巨人が議論や標準化を急ぐ様子は、この新しい脅威ベクトルへの対応が喫緊の経営課題であることを示しています。もはやAIは単なるツールではなく、自律的に行動する「主体」としてセキュリティアーキテクチャに組み込む必要があり、そのアクセス権限管理や挙動の監視は、これまでの常識を覆す複雑さを伴うでしょう。この流れは、開発者だけでなく、すべてのビジネスパーソンにとってAIとの新しい付き合い方を問うものとなりそうです。🤔

一方で、ランサムウェアという“古典的”ながらも進化を続ける脅威に対しては、「ゼロトラスト」という考え方が唯一の解であるというコンセンサスが固まりつつあります。米国の政府機関やMGMといった巨大企業が甚大な被害を経てゼロトラストへの移行を余儀なくされた事例、そしてSBIホールディングスのような国内大手金融がプロアクティブにマイクロセグメンテーションを導入した事例は、その必然性を物語っています。これは単なる技術導入ではなく、ネットワークの信頼を前提としない、根本的な思想転換です。今後は、サプライチェーン全体を巻き込んだゼロトラストの実現が、企業の事業継続性を左右する重要な鍵となるでしょう。技術だけでなく、JALやTOPPAN HDの事例が示すように、従業員一人ひとりのリテラシーを高める「人的ファイアウォール」の構築も、この複雑な脅威環境を生き抜くためには不可欠です。🛡️✨

\ Get the latest news /