CES 2026で見えた"物理世界"への回帰とビジネスモデル変革の波 🚀(2026年1月6日ニュース)
CES 2026が開幕し、世界中から最新技術が集結する中で、今年のトレンドは単なるソフトウェアの進化に留まりません。むしろ、エネルギー、物流、モビリティといった物理的な産業構造そのものを変革する、地に足のついたイノベーションが際立っています。特に、大型の資金調達を成功させたエネルギーテックのスタートアップや、Eコマースの物流網再編を目指す企業の動きは、業界全体に大きな影響を与えそうです。また、ソニーとホンダによるEV開発や、レゴが発表したスマートブロックのように、大手企業がハードウェアとソフトウェアを融合させた新しい体験価値の創造に力を入れている点も見逃せません。サステナビリティや働き方改革といった社会的なテーマも、新しいビジネスモデルを生み出す原動力となっています。🌱
Kraken、AIユーティリティプラットフォームを世界規模で展開するため10億ドルの資金を調達
ロンドンとニューヨークに拠点を置くKrakenが、親会社のOctopus Energyからスピンアウトし、独立した公益事業ソフトウェアプラットフォームとして10億ドルという巨額の資金調達を完了しました。これにより、同社の評価額は86.5億ドルに達し、エネルギーテック分野におけるユニコーン企業としての地位を確立しました。KrakenのAI駆動システムは、すでに7,000万以上のエネルギー顧客アカウントを管理しており、今回の資金調達は世界中の電力会社へのプラットフォーム展開を加速させるためのものです。この動きは、伝統的なエネルギー業界がソフトウェアとデータを活用して、送電網管理や顧客サービスをいかに変革しようとしているかを示す象徴的な事例と言えるでしょう。⚡️
Kraken raises $1B in funding to scale its AI utility platform globally
EコマーススタートアップのStord、Amazonのフルフィルメントネットワークに代わるAI駆動の代替サービス構築のためShipwireを買収
アトランタを拠点とするEコマース物流スタートアップのStordが、物流大手CEVA Logistics傘下のAIフルフィルメントプラットフォームShipwireを買収したことを発表しました。Stordは、Amazonの巨大な物流ネットワークに対抗する代替サービスを構築することを目指しており、今回の買収はその戦略の一環です。Shipwireが持つ12の物流施設と約60名の従業員、そしてAIを活用した計画・経路最適化ツールがStordのネットワークに加わります。これにより、Stordはより広範なグローバルインフラへのアクセスを獲得し、Eコマースブランドに対してAmazonに依存しない、より競争力のある物流ソリューションを提供できるようになります。📦
ソニー・ホンダ、「アフィーラ1」のテスト生産車披露。クロスオーバー型新型車も28年投入へ
ソニー・ホンダモビリティは、CES 2026のプレスカンファレンスで、同社初のEV「AFEELA 1 (アフィーラ・ワン)」の試験生産車を披露しました。この車両は、ホンダのオハイオ工場内にある専用ラインで製造されたもので、量産化が着実に進んでいることを示しています。納車スケジュールも改めて公表され、米国カリフォルニア州では2026年後半、日本では2027年前半を予定しています。さらに、サプライズとしてクロスオーバー型の新しいプロトタイプも発表され、2028年以降に米国市場へ投入する計画も明らかにされました。異業種タッグによるモビリティ革命が、いよいよ現実のものとなろうとしています。🚗
ソニー・ホンダ、「アフィーラ1」のテスト生産車披露。会見で目撃した「異例」…クロスオーバー型新型車も28年投入へ
一般的な大型トラックを自動運転車に変えるシステムの開発でKodiak AIが自動車部品メーカーのボッシュと協力
自動運転トラック技術を開発するスタートアップKodiak AIが、ドイツの大手自動車部品サプライヤーであるボッシュとの提携を発表しました。この協力関係は、Kodiak AIの自動運転プラットフォーム「Kodiak Driver」を搭載したトラックを量産し、規模を拡大することを目的としています。両社は、既存のトラックを後付けで自動運転化するための冗長性のあるプラットフォームを共同開発します。この提携により、Kodiak AIはボッシュの製造経験と強力なサプライチェーンを活用し、商用レベルでの自動運転トラックの普及を加速させることが期待されます。🚚
一般的な大型トラックを自動運転車に変えるシステムの開発でKodiak AIが自動車部品メーカーのボッシュと協力
シンガポール発Flintの「紙の電池」がついに量産へ
2025年のCESで注目を集めたシンガポールの新興企業Flintが開発する「紙のバッテリー」が、ついに生産段階に入ったと発表されました。このバッテリーはセルロース系の素材を使用しており、発火や爆発のリスクが極めて低いのが特徴です。Flintは、研究室レベルの試作品から、実際の製品に組み込み可能な「製造された電池セル」の生産を開始。CES 2026では、この技術を搭載した初の商用製品を披露する予定です。多くの革新的技術が量産の壁を越えられない中、この「紙の電池」が安定して製造できるようになったことは、バッテリー業界における大きな技術的節目と言えるでしょう。♻️
R&R、修理に繋がるモノ管理アプリ「monomane」提供開始 循環型経済への移行を後押し
株式会社R&Rは、あらゆるモノを管理し、必要に応じてオンラインで修理につなげられる新サービス「monomane」を2026年1月12日より提供開始します。このアプリは、スマホや家電、自動車などカテゴリを問わず、保証書やレシートと共に製品情報を一元管理できる個人向けのサービスです。特筆すべきは、同社が提供する修理業者向けプラットフォーム「REPAIR BASE」と連携し、アプリから修理依頼が可能な点です。故障したモノを廃棄するのではなく「修理する」という選択肢を身近にすることで、循環型経済(サーキュラーエコノミー)への移行を後押しする、社会的な意義も大きい新サービスです。🛠️
R&R 修理に繋がるモノ管理アプリ「monomane 」提供開始 循環型経済への移行を後押し
レゴ、新たなスマートブロック「LEGO SMART Play」発表 音や光を使ったインタラクティブな遊びを可能に
LEGOグループはCES 2026にて、物理的なブロックとデジタルな体験を融合させた新しいインタラクティブプラットフォーム「LEGO SMART Play」を発表しました。このシステムの核となる「LEGO SMART Brick」は、従来の2x4ブロックサイズに加速度センサーや光センサー、スピーカー、カスタムチップなどを内蔵したスマートブロックです。これにより、組み立てたモデルが動きや傾きに反応して光や音を発するなど、インタラクティブな遊びが可能になります。第1弾として、映画「スター・ウォーズ」をテーマにした3つのセットが3月1日に発売予定。これは、1978年のミニフィギュア登場以来、約50年で最も重要な進化と位置づけられています。✨
レゴ、新たなスマートブロック「LEGO SMART Play」発表 音や光を使ったインタラクティブな遊びを可能に
XELA Robotics、ヒューマノイドおよび産業用ロボットの高度な自動化を実現
高度な3D触覚センサーを専門とするXELA Roboticsが、ヒューマノイドロボットや産業用ロボットに人間のような触覚を提供する技術を発表しました。同社の「uSkin®」センサー技術は、ロボットハンドやグリッパーに統合され、対象物をどれくらいの強さで掴んでいるか、どのように動いているかをリアルタイムで検知します。これにより、従来のロボットでは難しかった繊細な物体の取り扱いが可能になり、製造、物流、農業など幅広い分野での自動化を新たなレベルへと引き上げます。特に、指先だけでなく指の関節や手のひらなど、広範囲にセンサーを統合できる点が大きな特徴です。🤖
XELA Robotics Unlocks Enhanced Automation for Humanoid and Industrial Robots
協和キリン高崎工場、IoT重量計で培地在庫を自動管理、過剰在庫と廃棄ロスを解消
大手製薬会社の協和キリンは、バイオ医薬品の生産拠点である高崎工場に、IoT重量計を用いた在庫管理システムを導入しました。採用されたのは、株式会社エスマットが提供する「SmartMat Cloud」です。このシステムは、IoT重量計で培地や試薬などの在庫をリアルタイムに計測し、自動で管理します。これまで目視と手作業で行っていた棚卸作業の負担を軽減するとともに、欠品リスクを恐れて抱えがちだった過剰在庫を削減。使用期限切れによる廃棄ロスを改善することで、年間で最大約2000万円相当のコスト削減を見込んでいます。🏭
協和キリン高崎工場、IoT重量計で培地などの在庫を自動管理、過剰在庫と廃棄ロスを解消 | IT Leaders
新卒一括採用をやめた富士通で何が起きているのか。時田社長が語る人事改革の現在地
富士通は、日本の大企業としては画期的な人事改革として、長年続いた新卒一括採用を事実上廃止しました。時田隆仁社長はインタビューで、この改革の狙いが「ヘッドカウント(人員数)ベースの事業モデルからの脱却」にあると語っています。採用権限は各事業部門に委ねられ、事業の必要性に応じて、新卒・キャリア採用の区別なく最適な人材を確保する体制へと移行しました。このジョブ型人材マネジメントの推進により、人材の流動性は向上しましたが、一方で知識の蓄積や組織の一体感といった新たな課題も浮上しているとのこと。11万人を抱える巨大組織が、これからの時代にどう適応していくのか、その動向が注目されます。👨💼
新卒一括採用をやめた富士通で何が起きているのか。時田社長が語る人事改革の現在地
考察
今回選んだニュースからは、テクノロジーが単なるデジタル上の効率化ツールに留まらず、エネルギー、物流、製造、そして働き方といった"物理的な世界"の構造そのものを再定義する力強い流れを読み取ることができます。Krakenが電力業界に、Stordが物流業界にもたらそうとしている変革は、AIやソフトウェアを駆使して既存の巨大インフラを根底から作り変えようとする野心的な試みです。これは、ソフトウェアが現実世界と深く結びつくことで、より大きな価値を生み出す「フィジカル・イノベーション」の時代の到来を告げているのかもしれません。🌍
一方で、ソニー・ホンダの「AFEELA」やレゴの「SMART Play」は、大手企業がいかにしてハードウェアの強みと最新技術を融合させ、新しい顧客体験を創造しようとしているかを示しています。もはや製品のスペック競争だけでなく、製品を通じてどのような感動や利便性を提供できるかが問われる時代です。また、R&Rの修理アプリ「monomane」やFlintの「紙の電池」は、サステナビリティやサーキュラーエコノミーといった価値観が、単なる社会貢献活動ではなく、競争力のあるビジネスモデルとして成立し始めていることを証明しています。これらの動きは、企業が向き合うべき課題が、利益追求だけでなく、社会や環境との共存へとシフトしていることを物語っています。これらのトレンドは、2026年以降のビジネスを考える上で、極めて重要な指針となるでしょう。💡


