ヒロセ電 - 2026年3月期第3四半期 決算説明会資料 ★★★

基本情報

業績サマリー (2025年度第3四半期累計 2025年4月~12月)

金属材などの材料コスト増は2Q から引き続き負担となり、利益を圧迫したものの、売上全体は堅調に推移。

一般産機市場向けは、22年度の実需超過期を除けば過去ピーク水準まで回復し、計画を上回る進捗。スマートフォン市場向けは軟調だった一方、コンシューマ・モバイル向けは想定通り、自動車・モビリティ関連向けは引き続き堅調に推移した。累計売上は前年同期比+8.4%、営業利益は-5.0%、営業利益率は20.8%。受注は3Q累計で1,617.4億円と前年同期比+11.6%となりました。

(金額:億円)

2024年度 上期(24.4-9) 3Q(24.10-12) 累計(24.4-12) 2025年度 上期(25.4-9) 3Q(25.10-12) 累計(25.4-12) 前年同期比 2025.3Q累計/ 2024.3Q累計
受注 975.9 473.3 1,449.2 1,061.5 555.9 1,617.4 +11.6%
売上 945.2 499.0 1,444.2 1,020.2 545.2 1,565.5 +8.4%
営業利益 222.2 120.0 342.1 204.6 120.4 325.0 -5.0%
営業利益率 23.5% 24.0% 23.7% 20.1% 22.1% 20.8% -2.9pt

売上・営業利益推移 (2024年度1Q~2025年度3Q)

(グラフの内容は省略)

2025年度第3四半期連結決算概要

(金額:億円)

科目 2024年度3Q累計 (2024/12月期) 2025年度3Q累計 (2025/12月期) 増減額 (対前年同期比) 増減比 (対前年同期比)
売上高 1,444.2 1,565.5 +121.3 +8.4%
売上原価率 54.4% 57.6% +3.2
販売・管理費比率 21.9% 21.5% -0.4
営業利益 342.1 325.0 20.8% -17.1 -5.0%
営業利益率 23.7% 23.7% -2.9
税引前利益 374.7 352.9 22.5% -21.7 -3.4 -5.8%
当期利益 275.8 248.1 15.8% -27.7 -3.3 -10.0%
自己資本比率 89.0% 88.3% 88.3% 88.3%
1株当たり 当期利益 815.25円 738.35円 738.35円 738.35円
2024年度3Q累計 2025年度3Q累計
1US$ 152.57円 148.74円
1€ 164.83円 171.83円
100ウォン 11.11円 10.55円

2025年度第3四半期対前年同期主要増減

売上高

121.3 億円増加(1,444.2億円→ 1,565.5億円)

一般産機 :+99億円
スマートフォン・携帯端末 :-21億円
自動車・モビリティ関連 :+30億円
通信インフラ機器 : + 5億円

売上原価率

3.2 pt 悪化 (54.4% → 57.6%)

変動費率 :37.8% →40.7%
減価償却費率: 7.7%→ 7.7%
労務費率 : 7.6% → 7.8%
316.4億円→ 336.0億円(+19.6億円)

販売・管理費比率

0.4 pt 良化 (21.9% → 21.5%)

金融収益・費用

4.6 億円減少(+32.5億円→ +27.9億円)

為替差損益: ー1.1億円→ +0.2億円
有価証券評価益の減少-5.8億円

2025年度第3四半期対前年同期変動分析

(金額:億円)

2024年度 3Q累計 実績 変動額計 2025年度3Q累計 実績
売上 1,444.2 121.3 1,565.5
営業利益 342.2 -17.2 325.0
営業利益率 23.7% 20.8%
税前利益 374.7 -21.8 352.9
税前利益率 25.9% 22.5%

変動要因内訳(営業利益への影響)
為替影響: -26.9
人件費増: -17.0
減価償却費増: -26.2
物量増他: 36.5

連結貸借対照表(1)

(金額:億円)

資 産

科目 2025/3末 2025/12末 増減額 (備考)
現金及び現金同等物 856.7 863.4 +6.7 当期税前利益+248、自己株式買付△150 設備投資(建物等含む)△165 配当支払△165 有価証券・定期預金満期償還+275
営業債権及びその他の債権 403.9 501.6 +97.7 売上増加
棚卸資産 250.9 278.9 +28.0
その他金融資産 1,513.7 1,436.8 -76.9 有価証券+60、定期預金減△137
有形固定資産 863.8 908.7 +44.9 生産設備増
使用権資産 49.4 57.8 +8.4
その他 230.2 231.1 +0.9 未収消費税還付
合計 4,168.7 4,278.3 +109.6

現預金合計 1,604.5 1,458.0 -146.5

連結貸借対照表(2)

(金額:億円)

負 債 純 資 産

科目 2025/3末 2025/12末 増減額 備考
支払債務及びその他の債務 129.0 154.4 +25.4 仕入増による買掛金増+20
リース負債 52.0 60.7 +8.7
未払法人税 81.4 39.1 -42.3 国内法人税納付
その他 204.8 247.7 +42.9 繰延税金負債増
合計 467.2 502.0 +34.8
資本金及び資本剰余金 206.3 207.8 +1.5
利益剰余金 3,489.7 3,572.9 +83.2 当期純利益+248、配当金支払△165
自己株式 - 274.6 - 424.5 -149.8 自己株式取得△150
その他 280.1 420.1 +140.0 為替換算調整(KRW高,等による) +120
合計 3,701.5 3,776.3 +74.8
負債及び純資産合計 4,168.7 4,278.3 +109.6

設備投資・償却費推移(連結ベース)

(グラフの内容は省略)

株式分布推移

(グラフの内容は省略)

分野別売上一般産機

(表の内容は省略)

 コロナ特需前の21年度水準を上回るまでに回復

分野別売上スマートフォン・携帯端末

(表の内容は省略)

 地域別に差があるものの全体としては軟調な結果であった。

分野別売上コンシューマ・モバイル機器

(表の内容は省略)

 季節性により2Q対比で減収したものの,基調としては底堅く推移

分野別売上自動車・モビリティ関連

(表の内容は省略)

 多様な顧客基盤を背景に引き続き堅調に推移。

分野別売上通信インフラ機器/ OA機器

(表の内容は省略)

通信インフラ機器 27 13 40 28 17 45 +13%

OA機器 9 5 14 10 4 14 ±0% (事務機)

 活況な通信インフラ市場を背景に当社需要も緩やかではあるが拡大

2025年度業績予想(連結)

一般産機向けビジネスが予想を上回る見込みのため2025.11の公表値を修正いたします。

(金額/億円)

2024年度(2025/3月期)実績 2025年度(2026/3月期)予想 第3四半期累計 対前年実績 通期予想 対前年実績
第3四半期 累計 通期 第3四半期 累計実績 2025.11 公表値
売上高 1,444.2 1,894.2 1,565.5 2,000.0
売上原価率 54.4% 54.9% 57.6% 56.5%
営業利益 342.1 426.7 325.0 400.0
(%) 23.7% 22.5% 20.8% 20.0%
税前利益 374.7 462.2 352.9 430.0
(%) 25.9% 24.4% 22.5% 21.5%
当期利益 275.8 330.3 248.1 300.0
(%) 19.1% 17.4% 15.8% 15.0%
一株当たり 当期利益 976.33円 738.35円 891.76円
一株当たり配当 245円 490円 245円 490円
連結配当性向 50.2% 54.9%

【為替レート】
| | 2024年度実績 | 2025年度(今回)予想 |
|---|---|---|
|1US$|152.58円|150.0|
|1€||174.0|
|100ウォン||10.5|

分野別年間売上予想修正(概数)

(グラフの内容は省略)

一般産機:サブセグメント別の成長に向けたシフト

「一般産機」セグメント内の変化(FY20 vs FY25)

(表の内容は省略)

通信インフラ機器:AIサーバー関連ビジネス

「通信インフラ機器」セグメントにおけるAIサーバー関連受注・売上推移

(グラフの内容は省略)

「東北アドバンスト・テクノロジーセンター」機能拡張に向け増築を計画

~生産設備開発体制を一層強化~

ヒロセ電機株式会社は岩手県盛岡市向中野にて、生産設備の開発拠点として2024年3月より稼働している 「東北アドバンスト・テクノロジーセンター」について、機能拡張を目的とした増築工事に着手いたします。 増築部分の竣工は2027年春を予定しております。

  • 2024年3月: 組立設備開発力の強化を目的として建設 制御機器のソフトウェア改良や新規ヘッドの開発により ライン生産性が向上、設備製造リードタイムの短縮などの効果
  • 2027年春~: さらなるモノづくり力の強化を狙い 組立工程に加え,前後工程を含む全工程の 設備開発力強化および最適化を目指す

株主還元自己株式の取得

2025年5月発表

2025年度~2028年度の4年間において600億円を上限とした自己株式を取得する方針を決定

  • 2025年8月5日~11月14日取得完了 806,500 株,150億円
  • 2025年12月25日発表進行中 株主還元充実及び資本効率の向上を図るとともに、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の ひとつとして、自己株式の取得を行うものであります。
取得する株式の種類 当社普通株式
取得する株式の総数 1,000,000 株(上限) (発行済株式総数(自己株式を除く)に対する割合3.03%)
株式の取得価額の総額 15,000,000,000円(上限)
取得する期間 2026 年 1 月5 日から2026 年 7 月31 日
取得方法 東京証券取引所における市場買付

Appendix. 分野別売上推移概数(四半期ベース)

(金額:億円)

分野 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 分野構成比
一般産機 111 115 122 121 141 144 162 29%
スマホ・携帯端末 122 104 102 130 133 99 115 23%
コンシューマ・モバイル端末 90 86 78 89 96 84 87 17%
自動車・モビリティ関連 137 128 119 127 122 124 138 27%
通信インフラ機器 15 13 14 13 14 13 17 3%
OA機器 5 5 4 5 5 4 4 1%
コネクタ計 513 478 438 486 485 434 523 100%
その他 17 12 12 13 12 14 22
合計 530 490 450 499 497 449 545

投資判断(AI生成)

投資評価: ★★★

評価の理由:
企業の売上は堅調に成長しており、一般産機市場の回復と自動車・モビリティ関連の堅調さが寄与しています。特に、一般産機市場はコロナ特需前の水準を上回る回復を見せており、成長の柱となっています。受注高も前年同期比で+11.6%と好調であり、将来の売上成長の基盤はしっかりしています。

しかし、利益面では深刻な課題が見られます。売上原価率が前年同期の54.4%から57.6%へと3.2ポイントも悪化しており、これが営業利益率の低下(23.7%→20.8%)の主因です。変動費率の上昇(+3.2pt)が材料コスト増によるものと説明されていますが、このコスト圧力が利益を圧迫しています。為替影響(-26.9億円)も利益減少の要因となっていますが、コスト構造の悪化は構造的な問題を示唆します。

また、2025年度通期予想では、売上高は上方修正されたものの(+155.8億円)、営業利益は据え置き(-16.7億円の修正)となっており、売上増を利益に転嫁できていない状況が明確です。これは、コスト上昇が継続しているか、あるいは価格転嫁が十分に進んでいないことを示唆します。

財務体質は自己資本比率88.3%と極めて強固であり、潤沢な現預金(約1.6兆円)を有している点は評価できます。積極的な自己株式取得(4年間で600億円)も株主還元姿勢としてポジティブです。

総合的に見て、売上成長力は評価できるものの、コスト構造の悪化と利益率の低下が懸念材料であり、市場平均と比較して平均以上の評価(★3)とします。

投資判断の根拠:
保有。売上成長の勢いは評価できますが、利益率の低下が続く限り、株価の上昇余地は限定的です。強固な財務基盤と積極的な株主還元策は下支え要因となりますが、コスト構造の改善が見えない限り、積極的な買い材料とはなりにくい状況です。

重要なポイント:
1. 売上成長の牽引役は一般産機市場の回復:コロナ特需前の水準を超え、堅調に推移している。
2. 利益率の悪化とコスト構造の課題:売上原価率が3.2pt悪化し、営業利益率が低下。売上増を利益に転嫁できていない。
3. 強固な財務基盤と積極的な株主還元:自己資本比率88.3%、潤沢な現預金、自己株式取得方針。
4. 為替変動の影響:利益減少要因として為替影響(-26.9億円)が大きく寄与している。

会社への質問(AI生成)

[売上高が155.8億円上方修正されたにもかかわらず、営業利益予想が据え置きとなった主な要因は何でしょうか。売上増を利益に転嫁できていないコスト構造の具体的な課題について詳細を教えてください。]

[売上原価率が前年同期比で3.2pt悪化し、特に変動費率が上昇していますが、このコスト上昇は材料費の高止まりによるものか、あるいは生産効率の低下によるものか、どちらの寄与が大きいか、また今後の価格転嫁の進捗見込みを教えてください。]

[「東北アドバンスト・テクノロジーセンター」の増築(2027年春竣工予定)は、将来の生産性向上とコスト構造改善にどのように貢献する計画ですか。特に、設備開発体制強化による製造リードタイム短縮と原価低減への具体的な目標値があれば教えてください。]

売上倍増のための施策(AI生成)

施策名 成功率(%) インパクト 評価コメント
自動車・モビリティ関連事業のシェア拡大と製品ポートフォリオ強化 75% S 堅調な成長セグメントであり、既存顧客との関係深化と新規顧客開拓により、売上倍増の主要な柱となり得る。特にEV化や自動運転関連の需要を取り込む戦略が重要。
一般産機市場における高付加価値製品へのシフトと海外展開の加速 70% A コロナ特需前の水準を超えた一般産機市場において、単価の高い製品群へのシフトと、成長が見込まれる地域への展開を加速させる。
通信インフラ機器セグメントにおけるAIサーバー関連事業の本格的なスケールアップ 65% A AIサーバー関連の需要は急増しており、既存の通信インフラ機器の技術を応用・転用することで、新たな高成長市場での売上を大幅に拡大する。
スマートフォン・携帯端末市場における特定顧客への供給量拡大と新製品への早期参画 60% B 市場全体は軟調だが、特定の顧客や新興市場でのシェア拡大を目指す。ただし、市場全体の成長が限定的であるため、インパクトは限定的。

最優先戦略(AI生成)

最優先戦略:自動車・モビリティ関連事業のシェア拡大と製品ポートフォリオ強化

現在の業績サマリーにおいて、自動車・モビリティ関連事業は「引き続き堅調に推移」しており、累計売上高の約27%を占める重要なセグメントです。このセグメントは、スマートフォン市場の軟調さや一般産機の回復ペースの変動リスクを補完する安定した成長ドライバーとなっています。売上を倍増させるためには、この堅調なセグメントをさらに成長させる必要があります。

戦略の具体的内容:
1. EV・自動運転関連製品への集中投資と開発加速: 既存の自動車向け製品群に加え、EV化やADAS(先進運転支援システム)に関連する高付加価値部品(例:高信頼性コネクタ、センサー関連部品)の開発リソースを重点的に投入します。特に、高電圧・高周波に対応する製品群のポートフォリオを強化し、競合他社との技術的優位性を確立します。
2. Tier1サプライヤーとの関係深化と新規顧客開拓: 既存の自動車メーカーとの取引関係を深めるとともに、主要なTier1サプライヤーに対して、技術提案型の営業活動を強化します。特に、次世代プラットフォームへの早期参画を目指し、設計段階からの協業を推進します。
3. 生産体制の最適化と品質保証の強化: 自動車業界特有の厳しい品質基準(例:IATF 16949)に対応するため、生産ラインの自動化とトレーサビリティシステムの強化を進めます。これにより、品質リスクを低減し、安定供給能力を高めることで、大口受注の獲得を目指します。

期待される効果とリスク:
この戦略により、自動車・モビリティ関連事業の売上を今後数年間で現在の水準から2倍以上に成長させることを目指します。特に、単価の高い高機能部品へのシフトは、利益率改善にも寄与する可能性があります。

リスクとしては、自動車業界の景気変動やサプライチェーンの混乱が挙げられますが、同社は多様な顧客基盤を持つため、特定の顧客や地域への依存度は比較的低いと推測されます。しかし、開発リードタイムが長いため、迅速な技術開発と市場投入が成功の鍵となります。

ITコンサルからの提案(AI生成)

提案する施策は「自動車・モビリティ関連事業のシェア拡大と製品ポートフォリオ強化」を支援するITコンサルティングサービスに焦点を当てます。

1. PLM(製品ライフサイクル管理)システムの統合と高度化

  • 目的: 自動車・モビリティ関連製品の開発リードタイム短縮と、設計・製造・品質保証データの統合管理。
  • 支援内容: 既存の設計データ、シミュレーション結果、製造プロセス情報を一元管理するPLMシステムを導入・刷新します。特に、異なる部門(設計、製造、品質)間で発生するデータサイロを解消し、リアルタイムでの情報共有を可能にします。
  • 期待される効果: 設計変更時の影響範囲の迅速な特定、製造プロセスへのスムーズな反映、品質保証データのトレーサビリティ向上。これにより、開発コストの削減と市場投入までの期間短縮を実現します。

2. 生産実行システム(MES)と品質管理システムの連携強化

  • 目的: 自動車業界の厳格な品質基準に対応するための、製造現場の可視化とデータ駆動型の品質管理体制の構築。
  • 支援内容: 既存の生産設備(特に「東北アドバンスト・テクノロジーセンター」で開発される設備)とMESを連携させ、製造実績データをリアルタイムで収集・分析します。品質管理システムと連携し、異常発生時のアラート発報と原因分析を自動化します。
  • 期待される効果: 製造プロセスの最適化による歩留まり向上、品質問題発生時の迅速な原因特定と対策実行。これにより、品質保証体制を強化し、Tier1サプライヤーからの信頼獲得を促進します。

3. 供給網計画(SCP)と需要予測システムの高度化

  • 目的: 自動車業界の変動する需要に対応するための、サプライチェーンの最適化と在庫の効率化。
  • 支援内容: 自動車・モビリティ関連の需要予測精度を高めるため、過去の受注データ、市場トレンド、顧客の生産計画などを統合的に分析するSCPシステムを導入します。特に、部品のリードタイムと在庫水準を考慮した最適な発注・生産計画を立案します。
  • 期待される効果: 部品調達のリードタイム短縮、過剰在庫の削減、欠品リスクの低減。これにより、安定供給能力を高め、大口受注に対応できる体制を構築します。