豊和工 - 中間期 決算説明会資料 ★★

基本情報

ハイライト

2026年3月期(中間期)実績

火器は大幅な増収増益も工作機械関連の採算性悪化及び中国向け在庫の棚卸資産評価損などの費用計上により大幅減益

  • 火器は20式小銃など防衛装備品の出荷が大幅増加
    防衛省向け20式5.56mm小銃などの防衛装備品の出荷数が大幅増加。また、特定取組契約による売上計上もあり大幅な増収増益
  • 工作機械関連は採算性の悪化に加え、棚卸資産評価損などの費用計上により大幅減益
    工作機械、空油圧機器が売上減少、採算性が悪化。中国向け在庫の棚卸資産評価損などの費用計上により大幅減益

2026年3月期(通期)業績予想

  • 火器は大幅な増収増益
    海外向けスポーツライフルの出荷数は減少見込みだが、防衛装備品の増加見込みに加え、特定取組契約による売上計上もあり大幅に増収増益となる見込み
  • 工作機械関連は売上減少、採算性の悪化など不安定な状況が継続
    売上減少、採算性の悪化が継続する見込み。さらに中国における構造改革の実施に伴う費用の計上により大幅な赤字見込み
  • 工作機械関連の収益構造改革を前倒しして着手
    工作機械関連において、中国からの撤退を視野に含めた抜本的な構造改革を実施予定。中国における工作機械関連の構造改革では、販売戦略の見直しや現地法人の縮小、撤退などを当初計画より前倒しして実施

2026年3月期(中間期)連結決算概要

2025年3月期(中間期) 構成比 2026年3月期(中間期) 構成比 増減 増減率
売上高 10,713 100.0 11,770 100.0 +1,056 +9.9%
売上総利益 2,110 19.7 1,970 16.7 △139 △6.6%
営業利益 638 6.0 383 3.3 △254 △40.0%
経常利益 750 7.0 445 3.8 △304 △40.7%
当期純利益 547 5.1 106 0.9 △441 △80.6%

参考 2026年3月期予想値

2025/5/15 2025/11/14
24,900 23,200
1,310 670
1,420 800
930 240

【経常利益】 営業利益の減益に加え、為替差損の増加などから営業外費用が増加したことにより経常利益についても減益

【当期純利益】減損損失は減少も、各利益段階での減益要因により減益

2026年3月期(中間期)セグメント別損益実績

2025年3月期(中間期) 2026年3月期(中間期) 増減
売上高 営業利益 売上高
火器 3,025 340 4,151
特装車両 1,196 13 1,284
建材 1,555 △25 1,480
工作機械関連 3,342 48 3,102
不動産 247 193 251
その他 1,346 67 1,499
合計 10,713 638 11,770
  • 火器: 海外向けスポーツライフルの販売数量は減少したものの、防衛省向け20式5.56mm小銃などの装備品の出荷数が大幅増加 特定取組契約による売上計上もあり大幅に増収増益
  • 特装車両: 路面清掃車の販売台数は増加し、産業用清掃機の売上も増加したことにより増収増益
  • 建材: 防音サッシの売上は増加したものの、一般サッシ等の売上が減少したため減収。利益面では、防音サッシの採算性改善により黒字化
  • 工作機械関連: 工作機械、空油圧機器ともに売上減少及び採算性悪化。中国向け在庫の棚卸評価損などの費用計上もあり大幅減益
  • その他: 国内販売会社は増収増益。国内運送会社は減収も増益

2026年3月期 業績予想

2025年3月期 構成比 2026年3月期 修正後 構成比 増減 増減率 2026年3月期 修正前 構成比 修正後 修正前 - 増減率
売上高 24,827 100.0 23,200 100.0 △1,627 △6.6%
売上総利益 4,203 16.9 3,861 16.6 △342 △8.1%
営業利益 1,253 5.0 670 2.9 △583 △46.5%
経常利益 1,413 5.7 800 3.4 △613 △43.4%
当期純利益 749 3.0 240 1.0 △509 △68.0%
ROE 4.2% 1.3% △2.9%
ROIC 3.5% 1.8% △1.7%

2025年5月15日に公表した2026年3月期通期の連結業績予想を修正
火器は大幅な増収増益となる見込みも、工作機械関連の採算性悪化と構造改革関連費用の計上により大幅な減益見込み

2026年3月期 セグメント別損益予想

2025年3月期 2026年3月期 修正後 増減 2026年3月期 修正前
売上高 営業利益 売上高 営業利益
火器 7,903 911 8,822 1,061
特装車両 3,328 129 2,892 122
建材 3,014 39 3,155 129
工作機械関連 6,962 △457 5,020 △1,202
不動産 494 396 494 396
その他 3,124 232 2,817 164
合計 24,827 1,253 23,200 670
  • 火器: 海外向けスポーツライフルは期初予想よりも減少する見込みだが 防衛省向け装備品は増加見込みとなり、特定取組契約による売上計上もあり 大幅に上方修正
  • 特装車両: 路面清掃車は期初予想より販売台数が減少する見込みで売上、利益ともに下方修正
  • 建材: 一般サッシ等は期初予想より減収減益となるが、防音サッシが増収増益となり、全体の営業利益はほぼ期初予想通りとなる見込み
  • 工作機械関連: 工作機械や空油圧機器の売上減少及び採算性の悪い状況の継続に加え、中国における構造改革の前倒し実施に伴う費用計上により大幅減益見込み
  • その他: 国内販売会社は期初予想より増収増益。国内運送会社が期初予想より減収減益見込み

工作機械関連事業構造改革

厳しい事業環境の継続

自動車業界におけるパワートレイン戦略が不透明で設備投資が低迷する中、工作機械メーカーは厳しいコスト競争により苦戦

中国ローカルメーカーの台頭による、日本の工作機械メーカーへの逆風

中国における販売戦略の見直し、現地法人の縮小・撤退を前倒しで実施予定、販売戦略見直しにより中国向け在庫棚卸資産評価損などの費用計上

構造改革による固定費削減を進め 工作機械関連事業の黒字化を目指す

重点施策①工作機械関連事業の収益構造改革

取組テーマ 取組内容
市場規模に合わせた体制への再編 人員、工場設備のリソース再配分により事業規模にあった体制とする。中国子会社の縮小。
採算性を重視した製品戦略・販売戦略の推進 製品カテゴリの絞り込みによる採算性向上。機種統合再構築による販売/開発/生産の最大効率化。当社仮積層機の主力領域である高精度積層需要に対応し、国内市場でのシェア拡大を目指す。
生産性向上とコストダウンの推進 設計・生産工程管理の最適化と人材育成の強化。自動化加工ライン構築による工程集約。内製化拡大による付加価値向上と競争力強化。
ニッチトップとなる領域の開拓と競争力の強化 二輪・四輪以外の分野での競争力を強化。インド拠点設立によるエンジニアリングサービス展開。生産性と効率性を大幅に向上させる、クイックチェンジパワーチャック、重切削対応中空パワーチャック、スピコンレスクランプシリンダの市場投入による競争力強化。半導体関連市場への進出。新技術、新製品開発による収益基盤強化。

重点施策②既存事業の収益力向上

取組テーマ 取組内容
火器 防衛装備品(20式小銃・120mm迫撃砲など)の安定供給体制と後方支援体制の強化。ブランド認知度向上を推進。為替変動に依存しない収益力の強化。営業力強化による安定需要の確実な取り込み。スポーツライフルの収益力強化。
特装車両 営業~設計~生産の各プロセスの改善と連携強化。安定需要に対応した計画的な生産体制の確立。
建材 営業力の強化と単価改定、原材料価格高騰分の価格転嫁の促進。防水扉・ミズヲトメの拡販活動促進。新製品投入、ラインナップ拡充。防音サッシの収益力強化。防水製品の販路拡大。
その他 直接・間接問わない全社横断的なコスト低減による利益率の向上。リソースの再配分。本社・グループ会社の最適化。全社の人材、設備等のリソースを再配分し最適化。本社及びグループ会社のあるべき姿・機能を再定義し、業務の最適化と管理機能を強化する。

重点施策③新事業・将来事業の創出

取組内容
火器 次世代装備品の提案を通じた新規防衛関連ビジネス創出。高命中精度を活かした製品バリエーション拡充とハイエンドモデル開発による海外市場シェア拡大。
特装車両 海外市場や中古車市場への参入による新たな収益機会の獲得。ICT・IoT技術を活用した高付加価値製品と新サービスの創出。脱炭素社会に貢献するEV製品の販売推進。
建材 スマート防水製品の開発を通じたシステム提案型ビジネスへの転換。新たな収益基盤確保のための製品開発に向けた取組み推進。

アクションプラン火器事業

防衛装備品:20式5.56mm小銃及び付属品

海外輸出(スポーツライフル):APCシャーシアメリカンフラッグ

今後の展望・事業環境

  • 国内(防衛装備品)は防衛予算増額により事業機会が拡大
  • 海外(スポーツライフル)は主力である米国市場の需要低迷が継続する中、市場シェア拡大戦略による成長の追求
中期経営計画 KPI 昨年度(25/3月期) 実績値 1年目(26/3月期) 予想値 3年目(28/3月期) 目標値
売上高(百万円) 7,903 8,822 8,200
営業利益(百万円) 911 1,061 700
営業利益率 11.5% 12.0% 8.5%

中計の取組み

  • 既存事業の収益力向上
    • 国内: 20式小銃、及び20式小銃付属品・周辺機材の防衛予算増額獲得に向けた営業強化。20式小銃用新たな付属品・周辺機材の提案による売上拡大。
    • 海外: 売れ筋弾種に適合した新口径・新バリエーションモデルのタイムリーな市場投入。
    • 生産性向上: 間接作業の生産性向上による部門費削減(作業改善及び作業標準化による属人化解消)。製造現場の生産性向上(更なる工程集約、省人化、DX化、物流改善など)。
  • 新事業・将来事業の創出
    • 国内: 次世代小火器・次世代防衛装備品の提案~開発。
    • 海外: 上位モデル2026年度発売に向け開発中。

アクションプラン特装車両事業

床面自動洗浄機産業用洗浄機

今後の展望・事業環境

  • 国内(路面清掃車)は安定的な需要の継続を想定するも、国内トップシェア地位の更なる盤石化を図る。
  • 海外(路面清掃車)は今後成長が期待される東南アジア市場への進出。
中期経営計画 KPI 昨年度(25/3月期) 実績値 1年目(26/3月期) 予想値 3年目(28/3月期) 目標値
売上高(百万円) 3,328 2,892 3,500
営業利益(百万円) 129 122 360
営業利益率 3.9% 4.2% 10.3%

中計の取組み

  • 既存事業の収益力向上
    • 販売(路面清掃車): トラックモデルチェンジに合わせた全車種フルモデルチェンジによる製品力強化(2026年度発売)。国内リユース市場への新規参入による事業領域の拡大。
    • 生産性向上: 受注~製造~出荷までのものづくり最適フローの再構築、直接・間接を問わない作業改善と標準作業化。
  • 新事業・将来事業の創出
    • インドネシア市場開拓: 現地でのデモ用車両配備完了にて営業活動開始、併行して現地での販売・生産体制構築中。
    • 新製品: ICT路面清掃車(製品化完了)⇒IOT化の開発中。EVタウンスイーパー及びEVロボスイーパーは今年度末発売予定。

アクションプラン建材事業

大型防水扉アルティマ(防水自動ドア)防音サッシ一般サッシ

中期経営計画 KPI 昨年度(25/3月期) 実績値 1年目(26/3月期) 予想値 3年目(28/3月期) 目標値
売上高(百万円) 3,014 3,155 3,300
営業利益(百万円) 39 129 210
営業利益率 1.3% 4.1% 6.4%

アクションプラン工作機械関連事業

マシニングセンタ仮積層機チャック

中期経営計画 KPI 昨年度(25/3月期) 実績値 1年目(26/3月期) 予想値 3年目(28/3月期) 目標値
売上高(百万円) 6,962 5,020 6,400
営業利益(百万円) △457 △1,202 360
営業利益率 △6.6% △23.9% 5.6%

経営理念

「ものづくりを通じて、社会に貢献し、 企業価値の向上を目指します。」

  • 期待に応える
    より良い商品とサービスを提供し、顧客の期待と信頼に応えます
  • 社会からの信頼
    コンプライアンスを重視し、社会から信頼される会社であり続けます
  • 活力ある企業風土
    議論・対話を尽くし、活力ある企業風土を醸成します

当社は⾧年にわたり、この経営理念を軸に事業活動を展開してまいりました。社会的責任を果たしながら、持続的な企業価値の向上に努めてまいります。

パーパス

まもる: 人々の幸せな社会生活をまもり、 ものづくりと共に成⾧し続ける会社

  • 技術の発展
    技術の発展を支え、 世界のものづくりを まもる
  • 国防
    国防に貢献し、 国の安全と平和を まもる
  • 社会インフラ
    社会インフラ整備の貢献し、 社会の発展を まもる
  • 安心な生活
    災害から人々を防ぎ、 安心な生活を まもる

サステナビリティの基本方針

当社は「ものづくりを通じて、社会に貢献し、企業価値の向上を目指す」ことを経営理念として掲げ、100年を超える⾧い歴史の中で蓄積された技術とノウハウを結集し、幅広い分野において革新的な製品を産み出し、日本のものづくりの発展に貢献してまいりました。

これからも、当社の「人々の幸せな社会生活をまもり、ものづくりと共に成⾧し続ける」というパーパスに基づき、透明性の高い企業統治体制の下で事業活動を展開してまいります。特に環境課題の解決や社会との調和に対しては、より積極的かつ意欲的に取り組んでいく所存です。

当社はステークホルダーの皆様との信頼関係を大切にしています。株主・投資家の皆様、お客様、取引先の皆様、従業員、そして地域社会との対話を通じて、より良い関係構築に努めます。こうした取り組みにより、中⾧期にわたる持続的な企業価値の向上を実現してまいります。

  • ステークホルダーとの信頼関係構築
    透明性の高いコミュニケーションを通じてすべてのステークホルダーとの信頼関係を深めます
  • 環境課題への取り組み
    カーボンニュートラルをはじめとする環境課題に積極的に取り組み、持続可能な社会の実現に貢献します
  • 革新的なものづくり
    100年を超える歴史で培った技術とノウハウを活かし、社会に貢献する製品開発を継続します

トピックス:火器事業部

■スポーツライフルの口径拡充を推進

  • スポーツライフルの当社小型軽量モデルで口径(22ARC)を新発売
  • 2025年4月北米消費者向けNRA Showに出展して、ブランド認知度向上と市場ニーズの調査を実施

トピックス:特装車両事業

■「第7回国際建設・測量展(CSPI-EXPO 2025) 」に ICT路面清掃車とEVタウンスイーパーを出展

2025年6月18日~21日に幕張メッセで開催された「CSPI-EXPO国際建設・測量展」に出展。AIカメラ、開発中の除草ブラシを装備したICT路面清掃車の他、今年度末発売予定の中型次世代スイーパー/EVタウンスイーパーを展示

■「JARI(日本自動車研究所)城里テストセンター特別公開展示会」に EVロボスイーパーを出展

2025年10月1日にJARI 城里テストセンターで開催された「JARI城里テストセンター特別公開展示会」に出展。今年度末発売予定の自立走行スイーパー/EVロボスイーパーを展示

トピックス:建材事業部

■水位5mの水没時でも最上級等級の浸水性能を誇る 防水扉試験体の製作完了

  • 目的: 防水製品【“ミズガード”シリーズ】のバリエーション追加により売上増加を図る
  • 仕様: 水位5mにおける最上級等級浸水性能
  • 日程: 2025年9月試験体製作完了、2025年11月社内試験実施予定、2026年3月公的試験実施予定、2026年6月販売開始予定

扉高さ:1.9~5.0m

トピックス:機械事業部①

  • 超大口径中空パワーチャックH3BP10(10月発売)
    従来中空チャックで主流であったレバーフック式ではなくサイドウェッジ方式を採用し”圧倒的な中空径”のφ106(12インチ相当)を実現。サイドウェッジ方式により得た強固なプランジャ剛性とM16爪固定ボルトにより”圧倒的な把握力”150kN(12インチ相当)を達成。
  • 中空パワーチャックH3KTAシリーズ(7月発売)
  • クイックチェンジパワーチャックH018MAシリーズ(9月発売)
    従来製品ながら、生産工程の見直しと自動化を進め製造コストを徹底的に低減。「加工支援のためのパワーチャック」という原点に立ち返り、使いやすさとお求めやすさを追求してプライスダウンしてリニューアル発売。
  • クイックチェンジパワーチャックH3SJ8(参考出品)
    35年の実績あるH018Mをベースに、圧倒的な省段取りチャックを開発。従来のレンチ交換からボタンを押すだけワンタッチで爪交換1分の省段取りをご提案。ロボットによる爪の自動交換を視野に入れ、爪交換用追加オプションなどの開発中。

トピックス:機械事業部②

■主力製品の販売促進のため展示会へ出展

メカトロテックジャパン2025(MECT2025)へ出展

概 要 ポートメッセなごや 2025年10月22日(水) ~25日(土) 4日間
豊和来場者数 2,088人(前回比131%)※工作機械ブース1,599人工作機器ブース489人
展示会来場者数 77,613人(前回比101%)

貸借対照表

2025年3月期(期末) 金額 (百万円) 2026年3月期(中間期末) 金額 (百万円) 増減額 (百万円) 主な増減要因
資産合計 34,051 33,845 △206 流動資産
流動資産 21,604 20,357 △1,246 現金及び預金の増加 +1,415、受取手形、売掛金及び契約資産の減少△1,214、電子記録債権の減少 △1,544、投資有価証券の増加 +1,222
(現金・預金) 2,917 4,333 +1,415 +1,415
(売上債権) 11,633 8,875 △2,758 △2,758
固定資産 12,447 13,487 +1,040 +1,040
(有形固定資産) 5,017 4,900 △117 △117
負債合計 15,314 14,476 △838 流動負債
流動負債 8,416 7,084 △1,331 買掛金の増加 +301、短期借入金の減少 △1,418、繰延税金負債の増加 +359
(仕入債務) 3,043 3,487 +444 +444
固定負債 6,898 7,392 +493 +493
(有利子負債残高) 7,969 6,677 △1,292
純資産合計 18,736 19,368 +631 利益剰余金の減少 △138、その他有価証券評価差額金の増加+777
1株当たり純資産(円) 1,553.55 1,604.52 +50.97

※DER(デット・エクイティ・レシオ)=有利子負債残高/株主資本 有利子負債はリース債務を含む

キャッシュ・フローの状況(26/3期 中間期累計)

金額 (百万円)
営業キャッシュ・フロー 3,217
税金等調整前当期純利益 423
売上債権及び契約資産の増減額(△は増加) 2,738
仕入債務の増減額(△は減少) 463
法人税等の支払額 △426
投資キャッシュ・フロー △273
有形固定資産の取得による支出 △199
財務キャッシュ・フロー △1,526
短期借入金の純増減額(△は減少) △1,500
長期借入れによる収入 800
長期借入金の返済による支出 △585
現金及び現金同等物の増減額(△は減少) 1,407
現金及び現金同等物の中間期末残高 4,259

※その他、現金及び現金同等物に係る換算差額△9

本資料における注意事項

本資料には豊和工業株式会社(以下、当社)の業績、戦略、事業計画などに関する将来的予測を示す記述および資料が記載されております。

これらの将来的予測に関する記述および資料は過去の事実ではなく、発表時点で入手可能な情報に基づき当社が判断した予測です。また経済動向、他社との競合状況などの潜在的リスクや不確実な要因も含まれています。そのため、実際の業績、事業展開または財務状況は今後の経済動向、業界における競争、市場の需要、その他の経済・社会・政治情勢などの様々な要因により、記述されている将来予測とは大きく異なる結果となる可能性があることをご承知おきください。

投資判断(AI生成)

投資評価: ★★☆☆

評価の理由:
今回の決算は、売上高は前年同期比+9.9%と堅調に増加したものの、営業利益は-40.0%、当期純利益は-80.6%と大幅に悪化しました。特に、火器事業が大幅な増収増益を達成したのに対し、工作機械関連事業が売上高の減少と-732百万円の営業損失を計上し、全体の利益を大きく圧迫しています。

通期予想も大幅な下方修正が行われ、売上高は前期比-6.6%、営業利益は-46.5%の予想となっています。ROEは1.3%と極めて低く、資本効率の悪化が顕著です。工作機械関連事業の構造改革(中国からの撤退視野)が前倒しで実施されることは、短期的なコスト増(構造改革費用)を伴うものの、将来的な不採算事業の整理としては評価できます。しかし、その構造改革費用が通期予想を大幅に悪化させている点が懸念材料です。

キャッシュフローは営業CFが3,217百万円と堅調であり、財務基盤は安定していると見られますが、事業ポートフォリオの偏りと、不採算事業の構造改革の進捗が不透明な点が評価を下げています。火器事業の好調が一時的な防衛需要や特定契約に依存している可能性も考慮する必要があります。

投資判断の根拠:
保有(中立)。火器事業の好調と工作機械関連事業の構造改革による将来的な収益改善の可能性はあるものの、現状の業績悪化と通期予想の大幅下方修正はネガティブです。構造改革の具体的な成果が見えるまでは、投資妙味は限定的と判断します。

重要なポイント:
1. 事業ポートフォリオの極端な偏り: 火器事業の好調が工作機械関連事業の赤字を相殺している状況。
2. 工作機械関連事業の構造改革: 中国からの撤退を視野に入れた前倒し実施は、短期的なコスト増を伴うものの、長期的な収益改善の可能性。
3. 通期予想の大幅な下方修正: 利益率の急激な悪化と資本効率の低下。
4. 火器事業の持続性: 防衛装備品への依存度が高く、需要の安定性や海外スポーツライフルの需要低迷が懸念される。

会社への質問(AI生成)

工作機械関連事業の構造改革に伴う費用計上について、具体的な内訳と、それが通期予想に与える影響の正確性について確認したいです。特に、中国事業の撤退に伴う固定資産や在庫の評価損が、今後も発生する可能性があるか、そのリスクシナリオを教えてください。

火器事業の増収増益は防衛装備品の出荷増加と特定取組契約によるものですが、これらの契約の継続性や、防衛予算の変動が将来の売上・利益に与える影響について、具体的な見通しを教えてください。

特装車両事業の利益率が低い(中間期で2.2%)にもかかわらず、中期経営計画では3年後に10.3%を目指していますが、その達成に向けた具体的なコスト削減策や高付加価値化の進捗状況を教えてください。

売上倍増のための施策(AI生成)

施策名 成功率(%) インパクト 評価コメント
火器事業:防衛装備品関連の供給体制強化と新規案件獲得 85% S 防衛予算増額の追い風を最大限に活用し、既存の強みである20式小銃関連の供給能力を拡大。特定取組契約の拡大や、次世代装備品の提案を加速することで、安定的な高収益売上を確保する。
工作機械事業:不採算事業の早期整理と国内・ニッチ市場特化 70% A 中国事業の撤退を迅速に進め、構造改革費用を最小化しつつ、国内の仮積層機や半導体関連市場など、高付加価値なニッチ領域にリソースを集中。収益性の高い製品ラインナップに絞り込む。
特装車両事業:EV・ICT製品の早期市場投入と海外展開加速 65% A EVタウンスイーパーやロボスイーパーの早期市場投入と、東南アジア市場への本格参入を加速。高付加価値製品へのシフトで利益率を改善し、売上規模を拡大する。
建材事業:防水扉・防音サッシの高付加価値化と販路拡大 75% B 水位5m対応の防水扉など、他社が追随しにくい高機能製品の販売を強化。既存の販路に加え、システム提案型ビジネスへの転換を進める。

最優先戦略(AI生成)

最優先戦略:工作機械関連事業の不採算事業の早期整理と国内・ニッチ市場特化

現在の業績における最大の足かせは、工作機械関連事業の構造的な不採算と、中国市場での競争激化による大幅な赤字です。この事業の構造改革を最優先で実行し、早期に収益性を回復させることが、企業全体の価値向上に不可欠です。

戦略の具体的内容:
1. 中国事業の迅速な撤退: 経営陣は「中国からの撤退を視野に含めた抜本的な構造改革」を前倒しで実施すると表明していますが、この実行スピードが重要です。構造改革費用による一時的な赤字拡大は避けられませんが、不採算事業の継続は企業全体の資本効率を著しく悪化させます。評価損の計上を迅速に行い、事業の縮小・撤退を完了させるべきです。
2. 国内・ニッチ市場へのリソース集中: 撤退により解放されたリソース(人材、設備、資金)を、収益性の高い国内市場や特定のニッチ領域に集中させます。特に、仮積層機や半導体関連市場、高精度積層需要に対応する製品群に注力し、競争優位性を確立します。
3. 製品ポートフォリオの最適化: 採算性の低い製品カテゴリを絞り込み、開発・生産リソースを集中させます。特に、クイックチェンジパワーチャックのように、生産性向上とコストダウンを両立できる製品に注力し、国内顧客の競争力向上に貢献することで、安定的な収益基盤を構築します。

期待される効果:
この戦略により、工作機械関連事業の営業損失を早期に解消し、全社的な営業利益率の改善が見込めます。また、不確実性の高い海外市場への依存度を下げ、安定的な国内需要と高付加価値なニッチ市場での競争力を強化することで、企業価値の向上に繋がります。

ITコンサルからの提案(AI生成)

1. 工作機械事業の構造改革を支援するサプライチェーン・オペレーション最適化

  • 目的: 中国事業撤退に伴う在庫・生産拠点の再編を効率化し、構造改革費用を最小化する。
  • 支援内容: 現状の在庫(特に中国向け評価損対象在庫)の棚卸しと、国内・他拠点への移管・処分計画の策定を支援します。また、国内・ニッチ市場向け生産体制へのリソース再配分を最適化するため、生産計画システムと連携し、リードタイム短縮と在庫最適化のロードマップを策定・実行します。
  • 期待される効果: 構造改革に伴う一時的なコスト増を抑制し、リソースの再配分を迅速化することで、早期の黒字化を支援します。

2. 火器事業の安定供給体制を支える生産・保守管理システムの高度化

  • 目的: 防衛装備品や特定取組契約の需要増に対応し、安定供給と保守体制を強化する。
  • 支援内容: 防衛装備品の製造履歴(トレーサビリティ)をデジタル化し、品質管理と保守・メンテナンスの効率化を図るシステムを導入します。特に、部品の供給状況や製造進捗をリアルタイムで可視化し、遅延リスクを早期に検知する仕組みを構築します。
  • 期待される効果: 納期遵守率の向上と、保守・サポート業務の効率化により、火器事業の収益性をさらに高め、防衛省からの信頼を維持・向上させます。

3. 特装車両事業のEV・ICT製品開発と生産の連携強化

  • 目的: EVタウンスイーパーやロボスイーパーなどの新製品開発を加速し、市場投入までのリードタイムを短縮する。
  • 支援内容: 営業・設計・生産部門間の情報共有基盤を統合し、製品開発プロセス全体をデジタル化します。特に、ICT・IoT機能を持つ新製品のソフトウェア開発とハードウェア生産の連携を強化し、開発段階での仕様変更に伴う手戻りを削減します。
  • 期待される効果: 新製品の市場投入を迅速化し、高付加価値製品による利益率改善を加速させます。