ネツレン - 2025年度 第2四半期(中間期)決算説明会資料 ★★
基本情報
- 会社コード: 59760
- 会社名: ネツレン
- タイトル: 2025年度 第2四半期(中間期)決算説明会資料
- 発表日時: 2025年11月26日 14:00
- PDF URL: https://www.release.tdnet.info/inbs/140120251126508960.pdf
- YahooFinance: https://finance.yahoo.co.jp/quote/5976.T
2025年度第2四半期(中間期)決算の概要
1.2025年度第2四半期(中間期)連結決算の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 売上高 | 建設業界の低迷や人手不足、建設資材高騰、悪天候による影響もあり、工事遅延、着工遅れが継続。自動車業界は、海外ITWの販売は堅調に推移したものの、国内の部品販売や受託加工の売上は減少。建設機械業界は、旋回輪事業は堅調に推移したものの、受託加工事業の受注は減少。更に海外子会社における円高影響などにより、前年同期比9.1%の減収。 |
| 営業利益 | コストアップに対する販売価格への転嫁を実施するも、減収の影響が大きく、前年同期比40.1%の減益。 |
(単位:百万円)
| 項目 | 2024年度 上期 | 2025年度 上期 | 増減 | 増減率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 29,002 | 26,374 | ▲2,628 | ▲9.1% |
| 営業利益 | 854 | 512 | ▲342 | ▲40.1% |
| 経常利益 | 1,154 | 880 | ▲274 | ▲23.8% |
| 親会社株主に帰属する中間純利益 | 615 | 462 | ▲152 | ▲24.8% |
2.連結営業利益の増減要因
- 売上高要因は、土木・建築業界や自動車業界からの売上減少による減益。
- 変動費・固定費要因は、コスト低減などにより増益。
(単位:億円)
3.セグメント情報(連結売上高)
- 製品事業部関連事業
- 土木建築業界:業界の低迷や人手不足、資材高騰、悪天候による影響もあり工事遅延、着工遅れが継続。
- 自動車業界:海外:ITWの販売は堅調に推移。国内:ITWを含む部品販売は減少。
- 建設機械業界:旋回輪事業は堅調に推移。
- IH事業部関連事業
- 熱処理受託加工関連:自動車、建設機械及び工作機械:市況低迷が継続。
- 誘導加熱装置関連:国内外において、一部の装置の販売が下期へずれ込む。
- その他:ドーケンを新たに連結対象としたことによる。
(単位:百万円)
| 事業区分 | 主な製品・サービス | 2024年度 上期 | 2025年度 上期 | 増減 | 増減率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 製品事業部関連事業 | PC鋼棒関連製品、高強度せん断補強筋、高強度ばね鋼線ITW®、中空ラックバー、旋回輪(建設機械部品) | 18,609 | 16,822 | ▲1,787 | ▲9.6% |
| IH事業部関連事業 | 熱処理受託加工、誘導加熱装置・サービス | 10,322 | 8,983 | ▲1,338 | ▲13.0% |
| その他 | 賃貸事業ほか | 71 | 568 | 497 | 698.9% |
| 合計 | 合計 | 29,002 | 26,374 | ▲2,628 | ▲9.1% |
4.セグメント情報(連結営業利益)
- 製品事業部関連事業:販売価格への転嫁を推進しているものの、土木・建築業界や中空ラックバー・二輪車用部品向けの販売量の減少により減益。
- IH事業部関連事業
- 熱処理受託加工関連:自動車・建設機械・工作機械いずれの業界からの受注も低調に推移したことによる減益。
- 誘導加熱装置関連:国内外において一部の装置の販売が下期へずれ込んだことによる減益。
- その他:ドーケンの株式取得関連費用133百万円を計上。
(単位:百万円)
| 事業区分 | 主な製品・サービス | 2024年度 上期 | 2025年度 上期 | 増 減 | 増減率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 製品事業部関連事業 | PC鋼棒関連製品、高強度せん断補強筋、高強度ばね鋼線ITW®、中空ラックバー、旋回輪(建設機械部品) | 148 | 78 | ▲69 | ▲47.0% |
| IH事業部関連事業 | 熱処理受託加工、誘導加熱装置・サービス | 676 | 504 | ▲171 | ▲25.3% |
| その他 | 賃貸事業ほか | 27 | ▲73 | ▲101 | ▲363.0% |
| セグメント間取引消去 | セグメント間取引消去 | 1 | 1 | 0 | 0.0% |
| 合計 | 合計 | 854 | 512 | ▲342 | ▲40.1% |
5.資産残高の推移(連結)
- 総資産は、ドーケンの株式取得、自己株式取得や配当金支払いにより現預金が減少し、前年度末比9億円減少。
- 投資有価証券に含まれる「保有株式」の銘柄数は、2019年度比で34銘柄、減少したものの、時価は、株価上昇のため増加。
(単位:億円)
| 項目 | 2021年度末 | 2022年度末 | 2023年度末 | 2024年度末 | 2025年度 上期末 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上債権 | 820 | 798 | 806 | 837 | 828 |
| 投資有価証券等 | 90 | 101 | 113 | 156 | 152 |
| 有形固定資産 | 280 | 254 | 260 | 262 | 277 |
| その他資産 | 292 | 294 | 274 | 320 | 283 |
※ 『その他資産』は、主として「現預金」および「棚卸資産」等が含まれております。
6.負債・純資産残高の推移(連結)
- 負債:仕入債務の増加により前年度末比11億円増加。
- 純資産:自己株式取得を実施したことや、円高による為替換算調整勘定が減少したことなどにより、前年度末比22億円減少。
(単位:億円)
| 項目 | 2021年度末 | 2022年度末 | 2023年度末 | 2024年度末 | 2025年度 上期末 |
|---|---|---|---|---|---|
| 仕入債務 | 57 | 46 | 53 | 51 | 58 |
| 借入金 | 21 | 14 | 6 | 67 | 65 |
| その他負債 | 72 | 72 | 82 | 61 | |
| 純資産 | 668 | 665 | 664 | 663 | 641 |
7.キャッシュ・フロー(連結)
- 営業CF: 売上債権が減少、仕入債務が増加したことなどにより、前年同期比で増加。
- 投資CF: 有形固定資産の取得による支出や、ドーケンの株式取得による支出があったことなどにより、前年同期比で減少。
- 財務CF: 借入金の返済や自己株式の取得、配当金の支払いがあったことなどにより、前年同期比で減少。
(単位:百万円)
| 科目 | 2024年度 上期 | 2025年度 上期 | 増 減 |
|---|---|---|---|
| 税金等調整前中間純利益 | 1,180 | 1,180 | ▲319 |
| 減価償却費 | 1,154 | 1,043 | ▲111 |
| 売上債権の増減 | 1,163 | 185 | ▲978 |
| 仕入債務の増減 | ▲2,460 | 180 | 2,641 |
| その他 | ▲684 | ▲1,160 | ▲476 |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 354 | 1,109 | 754 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | ▲1,300 | ▲2,409 | ▲1,109 |
| フリーキャッシュ・フロー | ▲945 | ▲1,299 | ▲354 |
| 借入金 | ▲5 | ▲568 | ▲563 |
| 自己株式の取得 | ▲1,106 | ▲935 | 170 |
| 配当金の支払額 | ▲905 | ▲891 | 13 |
| その他 | ▲492 | ▲195 | 297 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | ▲2,509 | ▲2,591 | ▲82 |
| キャッシュ・フロー中間期末残高 | 11,811 | 13,417 | 1,605 |
8.連結売上高の推移
- 工事遅延、着工遅れなどにより、上期に低迷していた土木建築関連の売上が下期に回復してくると予想。装置関連における上期の期ずれの影響が下期で解消する見込み。
- 2025年度は計画通り、前期比0.8%増収の580億円を見込む。
(単位:億円)
| 項目 | 2021年度 実績 | 2022年度 実績 | 2023年度 実績 | 2024年度 実績 | 2025年度 予想 | 2025年度 予想 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 売上高合計 | 575 | 572 | 575 | 580 | ||
| 下期売上高 | 296 | 289 | 285 | 317 | ||
| 上期売上高 | 279 | 283 | 290 | 263 |
9.地域別売上高比率の推移
- 中国においては、景気減速の影響を受け、売上高比率が減少する見込み。
- 海外売上高比率は、前期比微減の37.5%を見込む。
10.連結営業利益・営業利益率の推移
- 上期で低迷していた土木・建築関連の売上が下期で回復してくる増収効果、海外ITWの増収効果、装置関連における上期の期ずれの影響が下期で解消することなどにより、下期は増益を見込む。
- 営業利益は当初計画どおり、前期比横ばいの16億円を見込む。
(単位:億円)(単位:%)
| 項目 | 2021年度 実績 | 2022年度 実績 | 2023年度 実績 | 2024年度 実績 | 2025年度 予想 | 2025年度 予想 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 営業利益(左軸) | 19 | 23 | 16 | 16 | 16 | |
| 営業利益率(右軸) | 3.3% | 4.0% | 2.8% | 2.8% |
11.セグメント情報(連結売上高推移)
- 製品事業部関連事業:ITWを含む国内自動車部品は前期より減少。海外ITW®、建設機械向け旋回輪は堅調に推移。土木・建築業界向けは上期の工事遅延などで減少するも下期は回復見込み。前期比6億円の減収、当初計画からの変更なし。
- IH事業部関連事業:熱処理受託加工関連は低調に推移するも一部海外向け受託加工が増加。装置関連は上期の期ずれが下期で解消見込み。前期比8億円の減収、当初計画からの変更なし。ドーケンの売上を含む。
(単位:億円)
| 事業区分 | 2021年度 実績 | 2022年度 実績 | 2023年度 実績 | 2024年度 実績 | 2025年度 予想 |
|---|---|---|---|---|---|
| 製品事業部関連 | 368 | 366 | 360 | ||
| IH事業部関連 | 217 | 205 | 202 | 208 | 200 |
| その他 | 1.3 | 1.3 | 1.4 | 1.4 | 20 |
12.セグメント情報(営業利益・営業利益率推移)
- 製品事業部関連事業:原材料を含む徹底的な原価低減活動により、前期比4億円増益、当初計画比3億円減益の見込み。
- IH事業部関連事業:海外向け受託加工の販売量が増加傾向にあること、大型投資案件工期が延びていることもあり、前期比4億円減益、当初計画比3億円増益の見込み。
- その他:ドーケンを連結開始。のれん償却及び株式取得関連費用(※)を計上(※は今期のみ発生)。
13.設備投資/研究開発費/減価償却費の推移
- 設備投資:中国の新工場建設と設備移設、REBORN刈谷プロジェクトなどの大型投資案件を実行中だが、他の計画案件の一部は次年度へ繰り越し、当初計画より9億円減少の56億円を見込む。
- 研究開発費:成長ドライバー創生に向けてさらに開発案件を増やし、積極投資を推進するための増加を見込む。
(単位:億円)
| 項目 | 2021年度 実績 | 2022年度 実績 | 2023年度 実績 | 2024年度 実績 | 2025年度 予想 | 2025年度 予想 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 設備投資 | 33 | 32 | 30 | 30 | 26 | |
| 研究開発投資 | 14 | 6 | 12 | 6 | 6 | |
| 減価償却費 | 23 | 23 |
<25年度設備投資の主な内訳>
* 56 設備投資
* 国内:刈谷地区工場再編
* 中国:新工場建設・設備移設(広州・軸承)
* インドネシア:新工場増築・ライン増設
14.新商品・新規事業の売上高推移
(単位:億円)(単位:%)
| 項目 | 2021年度 実績 | 2022年度 実績 | 2023年度 実績 | 2024年度 実績 | 2025年度 予想 |
|---|---|---|---|---|---|
| 新商品・新規事業売上高(左軸) | 99 | 89 | 86 | 125 | 113 |
| 既存商品・事業売上高(左軸) | 530 | ||||
| 新商品・新規事業売上高比率(右軸) | 15 | 15 | 19 |
15.業界別売上高の推移
- 自動車:海外ITW®の販売は堅調に推移するも、受託加工、装置の売上は低調に推移。
- 工作機械:受託加工は主要顧客の在庫調整による影響で受注が減少。
- 建設機械:海外向け旋回輪事業の販売は堅調に推移。受託加工の売上は低調に推移。
- 建築:工事遅延などの影響はあるものの、ドーケンの業績が加わる。
- 土木:市況の低迷は継続、鉄道関連物件を中心とした拡販活動を強化。
(単位:億円)
| 項目 | 2021年度 実績 | 2022年度 実績 | 2023年度 実績 | 2024年度 実績 | 2025年度 予想 |
|---|---|---|---|---|---|
| 自動車 | 292 | 327 | 330 | 318 | |
| 工作機械 | 64 | 71 | 52 | 51 | 44 |
| 建設機械 | 28 | 25 | 27 | 28 | 31 |
| 建築 | 68 | 84 | 75 | 77 | 97 |
| 土木 | 71 | 75 | 61 | 58 | 59 |
16.高強度ばね鋼線(ITW®) 売上高の推移
- 国内の自動車業界の販売低迷により減少。
- 米国の関税前の駆け込み需要の影響で米国顧客からの受注が増加。
- 中国の日系顧客からの受注が減少するも東南アジア向け輸出推進。
- 欧州の新規顧客向けの受注が増加。
(単位:億円)
| 項目 | 2021年度 実績 | 2022年度 実績 | 2023年度 実績 | 2024年度 実績 | 2025年度 予想 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 190 | 184 | 196 |
17.PC鋼棒・異形PC鋼棒売上高の推移
- 北海道新幹線(スラブ軌道版)などの新規需要が見込まれる。
- 工事遅延や着工遅れなどの影響で販売量は前期比約5%減少するものの、価格改定効果もあり、売上高は前期比横ばいを見込む。
(単位:億円)
18.高強度せん断補強筋売上高の推移
- 受注残は増加したものの、物件の計画見直しや着工遅れなどの動きが顕著。
- 北海道新幹線(高架橋柱)への新規採用があるものの、売上減少をカバーできず。
- 前期比5.8%の減収を見込む。
(単位:億円)
19.旋回輪(建設機械部品) 売上高の推移
- 建設機械業界の回復とまではいかないが、主要顧客の海外向けの販売量が徐々に回復してくる見込み。
- 前期比12.5%の増収を見込む。
(単位:億円)
20.誘導加熱装置・サービス売上高の推移
- 装置売上高:海外は景気低迷による投資の先送り。国内は米国関税の影響から投資の先送りが見られ、前期比16.7%の減収を見込む。
- サービス売上高:前期比、横ばいを見込む。
(単位:億円)
21.熱処理受託加工売上高の推移
- 自動車業界は海外向け受託加工の受注増加があるものの、国内の受注は低調に推移。
- 建設機械業界はマイニング向けの受注が低調に推移。
- 工作機械業界は、主要顧客からの受注が低調に推移。
- 前期比3.1%の減収を見込む。
(単位:億円)
22.第16次中期経営計画の進捗①
- スローガン: Aggressive Challenge One NETUREN 2026
- 趣旨 :成長・進化・躍進へ グループの総智を繋げ 積極果敢に挑戦しよう
| 4つの戦略 | 内容 |
|---|---|
| ●技術開発|成長ドライバーの創生 | 逆T字モデルを活用し、グループ間の力を繋げて、新たな事業・新たな製品・新たな技術を創生 |
| ●事業|成長エンジンの育成 | 現場力に新しい技術を繋げて、お客様に満足いただける製品・サービス・技術を提供 |
| ●グローバル|グローバルマーケットの拡大 | 情報ネットワークを繋げて、未開拓地域も含めグローバル市場を拡大 |
| ●人財|自発的貢献意欲のある人財の育成 | 人財育成を進め、各々の活躍をネツレングループ全体に繋げて、企業成長を加速 |
| 2026年度 中計目標 | 売上高 | 営業利益 | 営業利益率 | ROE | ROA | ROIC |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2026年度 中計目標 | 700億円 | 46億円 | 6.5% | 6.5%以上 | 5.5%以上 | 5.5%以上 |
24.第16次中期経営計画の進捗③|4つの戦略(1/2)
| 戦略 | 内容 |
|---|---|
| 技術開発|成長ドライバーの創生 | 新規事業の立上げ:M&Aによる成長ドライバー第2号(MDI(株))を実現。 新商品・新技術の市場投入:大学・研究機関との共同研究推進、ネツレンMB工法による量産技術の開発、CAE解析×金属3Dプリンター技術を用いた加熱コイルの高性能化、バッテリーを内蔵した高周波電源の開発、最新AI技術を活用した生産/品質管理システムを組み込んだ製造ラインの立ち上げ。 |
| 事業 | 成長エンジンの育成 | 製品事業部関連:ダブルスタークが一般評定物件の基礎梁用主筋に初採用、ROICを意識した生産体制の構築(赤穂、いわき、平塚)、北海道新幹線向けPC鋼棒等納入。 IH事業部関連:工場再編プロジェクトREBORN刈谷、機械加工を取り込んだ複数工程受託加工(㈱ネツレン・ヒラカタ)、生産性向上に向けた中部地区の再編検討開始。 |
30.第16次中期経営計画の進捗③|4つの戦略(2/2)
| 戦略 | 内容 |
|---|---|
| グローバル|グローバルマーケットの拡大 | 製品事業部関連:ITW®の他用途展開、中国軸承新工場2026年7月操業開始、Wire&Tube 2026 国際ワイヤー産業展へ出展。 IH事業部関連:広州豊東熱煉第2工場完成、ネツレンインドネシア第2工場操業開始、日中韓連携にて開発したハブ焼入焼戻設備試運転開始。 |
| 人財|自発的貢献意欲のある人財の育成 | ●VISION・中期経営計画の浸透:一般職向け資本コスト経営/ROIC社内浸透策実施、社長診断でトップメッセージ発信(8回/~11月)。 ●自発的貢献意欲の醸成:社内/社外人財交流の活性化、高度な知的財産人財の育成。 ●グローバル人財強化:海外関係会社技術支援(7月、新ゲート基板/韓国)、語学研修9名受講。 ●スキルマップのシステム化:プロジェクト活動の人事評価制度導入。 ●多様な人財活躍:育児目的休暇年間10日付与、人財育成センターのリニューアル検討開始。 |
会社概要
ネツレンは1946年、わが国で初めてIH(誘導加熱)技術の事業化・工業化に成功したパイオニア企業です。創業以来蓄積されたIH(誘導加熱)技術を中核とし、金属製品の製造と受託加工、装置販売の事業展開をしています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 商号 | 高周波熱錬株式会社(ネツレン) |
| 所在地 | 東京都品川区東五反田二丁目17番1号 オーバルコート大崎マークウエスト |
| 設立 | 1946年(昭和21年)5月15日(現社名) |
| 資本金 | 64億18百万円 |
| 売上高 (2025年9月末) | 連結:263億74百万円、単体:143億91百万円 |
| 従業員数 (2024年9月末) | 連結:1,679名、単独889名 |
| 金融商品取引所 | 東京証券取引所プライム市場 証券コード:5976 |
| 代表取締役社長執行役員 | 大宮克己 |
ROE・ROAの推移
- 2024年度実績は、ROE3.0%、ROA2.8%(ROICは2.7%)。
(単位:%)
| 項目 | 2021年度 実績 | 2022年度 実績 | 2023年度 実績 | 2024年度 実績 | 2025年度 予想 | 2025年度 予想 | 2026年度 目標 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ROE | 4.6 | 5.6 | 5 | 4.1 | 5 | 6.5 | |
| ROA | 2.6 | 3.0 | 2.4 | 3.8 | 3.1 | 2.8 | 2.8 |
| ROIC | 2.6 | 2.7 | 2.6 | 5.5 |
事業内容
【製品事業部関連事業】
PC鋼棒、高強度せん断補強筋、高強度ばね鋼線(ITW®)、中空ラックバー、旋回輪(建設機械部品)
【IH事業部関連事業】
熱処理受託加工、誘導加熱装置・サービス
【その他】
賃貸事業他
投資判断(AI生成)
投資評価: ★★☆☆
評価の理由:
今回の決算は、主要な事業セグメント(製品事業部関連事業、IH事業部関連事業)において、市場環境の低迷(建設業界、自動車業界、建設機械業界)と海外子会社の円高影響により、売上高が前年同期比で9.1%減少し、営業利益が40.1%減益と大幅な悪化を示しました。特にIH事業部関連事業の売上減少率(-13.0%)と利益減少率(-25.3%)が目立ちます。
経営陣は下期にかけての回復を見込んでおり、2025年度通期では前期比微増収・横ばい利益を予想していますが、これは上期の低迷を背景とした「期ずれ解消」や「工事遅延の回復」という、不確実性の高い要因に依存しています。
財務指標を見ると、ROE(2024年度実績4.1%)やROA(2024年度実績3.8%)は低水準であり、中期経営計画(2026年度目標ROE 6.5%以上、ROA 5.5%以上)の達成には現状から大きな改善が必要です。また、フリーキャッシュフローは上期で▲1,299百万円とマイナスが続いており、投資活動が活発化しているものの、キャッシュ創出能力には懸念が残ります。
「その他」セグメントでドーケンを連結した影響で売上は大幅増ですが、営業利益は関連費用計上により赤字化しており、本業の収益性改善には寄与していません。
全体として、現在の業績は市場環境の逆風を強く受けており、下期の回復シナリオは不透明です。中期目標達成への道筋は明確ですが、現状の財務実績と市場環境から見て、投資評価は平均以下と判断します。
投資判断の根拠:
保有。上期実績は厳しいものの、下期に売上回復と利益改善を見込んでおり、中期経営計画の目標達成に向けた施策(M&A、技術開発、グローバル展開)は継続されています。しかし、現状の業績悪化と下期への依存度が高いため、積極的な買い材料とは言えず、現状の株価水準を維持する可能性が高いと判断します。
重要なポイント:
1. 主要セグメントの売上・利益が市場環境の低迷により大幅に減少している点。
2. 下期業績回復が、工事遅延の解消や装置販売の期ずれ解消といった不確実な要因に大きく依存している点。
3. ROE/ROAが中期目標に対し低水準であり、収益性改善が喫緊の課題である点。
4. ドーケン連結による「その他」セグメントの赤字化と、のれん償却費の発生。
会社への質問(AI生成)
[下期に売上回復を見込む土木・建築関連事業について、上期の工事遅延が下期に具体的にどの程度解消されるか、具体的な受注残高や着工見込みに基づいた詳細な説明を求めます。]
[IH事業部関連事業の利益率低下(上期-25.3%減益)の主因が、装置販売の期ずれと熱処理受託加工の低迷にあると理解しました。下期における装置販売の期ずれ解消見込みと、受託加工の受注回復見込みについて、具体的な顧客動向や受注残高から説明してください。]
[2025年度の設備投資計画が当初計画より9億円減少した理由を明確にしてください。特に、中国新工場建設やREBORN刈谷プロジェクトなど大型投資が繰り越された背景と、それが2026年度以降の成長戦略に与える影響について説明を求めます。]
売上倍増のための施策(AI生成)
| 施策名 | 成功率(%) | インパクト | 評価コメント |
|---|---|---|---|
| 高付加価値製品(ITW®)の海外展開加速 | 70% | A | 現在堅調な海外ITW®の販売をさらに拡大するため、特に成長が見込まれる東南アジア・欧州市場での販売チャネル強化と、現地ニーズに合わせた製品ラインナップ拡充を推進する。成功の鍵は、現地での技術サポート体制の構築と、競合製品に対する明確な優位性の訴求。 |
| IH事業部:受託加工の多角化と高付加価値化 | 60% | A | 自動車・建設機械向けが低迷する中、既存のIH技術を応用し、航空宇宙、医療機器など高精度・高付加価値分野への受託加工を強化する。特に、MDI社(第2の成長ドライバー)とのシナジーを活かした新規顧客開拓が重要。 |
| 建設関連製品の価格改定と付加価値訴求の強化 | 50% | B | 資材高騰が続く中、価格転嫁を徹底しつつ、PC鋼棒や高強度せん断補強筋において、工事遅延リスクを低減する工法(例:北海道新幹線向け採用事例)を積極的に提案し、付加価値を訴求する。 |
| グローバルM&Aによる事業領域拡大 | 40% | S | 中期計画で掲げる「成長ドライバーの創生」として、M&Aによる新規事業領域への進出を加速させる。特に、既存の金属加工技術とシナジーが見込める分野(例:先端材料、自動化技術)への投資を検討する。 |
最優先戦略(AI生成)
上記の施策の中で最も優先すべきは、「IH事業部:受託加工の多角化と高付加価値化」です。
理由:
製品事業部関連事業は、建設・自動車業界という外部環境に大きく依存しており、短期的な売上回復は市場環境に左右されます。一方、IH事業部関連事業は、同社のコア技術であるIH技術を直接活用できる領域であり、受託加工は比較的安定した収益源となり得ます。上期実績では、IH事業部関連事業の売上は前年同期比13.0%減、利益は25.3%減と大きく落ち込んでおり、このセグメントの早期回復が急務です。
現在の課題は、自動車・建設機械・工作機械といった既存顧客の市況低迷による受注減少です。この状況下で売上を倍増させるためには、既存市場の回復を待つのではなく、新たな需要を創出する必要があります。
最優先戦略として、既存のIH技術を応用し、より高い単価と安定した需要が見込める分野への多角化を推進すべきです。具体的には、MDI社とのシナジーを活かし、航空宇宙、エネルギー、医療機器など、高い品質基準と安定した投資が見込まれる分野への受託加工を強化します。これにより、既存事業の低迷を補い、収益性の高い新たな柱を育成することが可能になります。
この戦略の成功には、既存の生産体制(REBORN刈谷プロジェクトなど)を、新規顧客の要求品質に対応できるよう最適化することが不可欠です。また、技術開発戦略で言及されている「逆T字モデル」を活用し、グループ間の技術連携を強化することで、高付加価値化のスピードを上げることが求められます。
ITコンサルからの提案(AI生成)
提案するITコンサルティング支援は、主にIH事業部の受託加工の高付加価値化と生産性向上に焦点を当てます。
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受託加工の需要予測・生産計画最適化システムの導入:
- 目的:既存顧客および新規開拓分野からの受託加工の需要変動に対応し、生産リソースを最適化する。
- 期待効果:リードタイムの短縮、在庫の最適化、生産効率の向上。特に、多品種少量生産への柔軟な対応力を高める。
- 実現可能性:既存の生産管理システム(もしあれば)との連携を前提に、AI/MLを活用した需要予測モデルを構築し、生産計画の精度を向上させる。
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デジタルツインを活用した熱処理プロセスのシミュレーション・最適化:
- 目的:IH技術のコアである熱処理プロセスにおいて、デジタルツインを構築し、品質のばらつきを抑え、歩留まりを改善する。
- 期待効果:新規顧客向けの品質保証プロセスの迅速化、エネルギー効率の改善、熟練技術者のノウハウのデジタル化。
- 実現可能性:CAE解析技術と連携し、物理的な試作回数を減らしながら、高付加価値製品の製造条件を確立する。
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グローバル生産拠点間のデータ連携基盤構築:
- 目的:中国、インドネシア、日本など、グローバルに展開するIH事業部の生産データをリアルタイムで統合・分析する基盤を構築する。
- 期待効果:グローバルでの生産状況の可視化、品質・生産性のベンチマーキング、海外拠点の生産効率向上。
- 実現可能性:クラウドベースのデータレイクを構築し、各拠点の製造実行システム(MES)やERPと連携させる。これにより、経営層がグローバルな収益性をリアルタイムで把握できるようになる。


