ダイト - 2026年5月期 第2四半期決算説明資料 ★★★

基本情報

決算説明資料

2026年1月14日(水)
ダイト株式会社

東証プライム : 4577

目次
I. FY2026 2Q決算概要
II. FY2026 通期業績予想
III. 中期経営計画「DTP2027」進捗
Appendix. 会社紹介等

Ⅰ. FY2026 2Q決算概要

エグゼクティブサマリー

決算ハイライト

  • 売上高は原薬は減少したものの、製剤はGx製品及びOTC製品が大幅に増加し、前年同期比 +5.5億円、+2.3%の増収着地
  • 利益面は、旧・大和薬品工業の吸収合併に伴う化審法対応に関わる 下奥井工場の一時停止 による製造原価単価の上昇や、研究開発費及び一時的なコスト構造改革費など販管費の増加はあったものの、売上高の増加、棚卸資産評価減の改善、円高による原材料費の低減により、営業利益ベースで前年同期比 +1.5億円、+10.6% と4期ぶりの増益を確保

(単位:百万円、%)

1 6月1日付効力発生の1:2の株式分割を考慮したEPS及び1株当たり配当金
2 研究開発費には、開発部門の減価償却費、及び当該部門の人件費の変動を含む

設備投資額・研究開発費の推移

カテゴリー別売上高

  • 原薬は、抗アレルギー剤原薬の増加に対し、止血剤・抗凝固薬原薬が減少、予算は達成も前年同期比では △2.7億円、△2.4%と減少
  • 製剤は、製品ではGx及びOTCが堅調に推移、商品ではOTCが増加し、全体としては、 +8.2億円、+6.4%と増加

(単位:百万円、%)

  • 「製品」とは当社グループ内にて製造または品質保証を行っているもの
  • 「商品」とは 「製品」に該当しない医薬品、原薬、または賦形剤等。いわゆる取扱品

営業利益の増減分析

(単位:百万円)

  • 研究開発費には、開発部門の減価償却費、及び当該部門の人件費の変動を含む。 本チャートの減価償却費、人件費は、研究開発費以外の要素について表示。

要約貸借対照表

  • 安定供給を最優先 としながらも資本コストを意識したB/Sマネジメントに基づき 在庫の適正化 に注力、棚卸資産は △4.7億円、△2.6% 減少
  • 売掛回収サイトの適正化 を継続的に推進、5月末、11月末ともに休日であるものの、売上債権は △14.7億円、△7.3% と減少
  • 設備実装や品質管理の強化、株主還元など必要な投資は推進しつつも、資金効率改善により有利子負債は △8.9億円、△7.5% と減少

(単位:百万円、%)

* 電子記録債権、電子記録債務を含み、ファクタリング債権、ファクタリング債務を含まない
* 長期有利子負債には、リース債務を含む

要約キャッシュフロー計算書

  • 営業CFは、過去の商慣習から放置されてきた 売掛債権回転期間の適正化 や前年からの 在庫管理の高度化が定着 し、前年同期比 +35.0億円、+190.3%の大幅改善 第2四半期時点で 過去最高を更新
  • 投資CFは、品質管理体制強化のための設備投資(第二試験棟)の支払時期到来により、 23.3億円の支払超過

(単位:百万円、%)

第十製剤棟の稼働状況と今後の予定

併設立体倉庫の稼働率 第十製剤棟のフロア別(工期別)の稼働見込み
100 100
100 100
100 100
100 100
2025/5期 2026/5期
併設立体倉庫の稼働率 ユーティリティ
2027/5期 2028/5期
生産エリアの稼働率見込み(概算値) 6F
2期 製剤製造ライン 5F
委託主のスケジュールに合わせ、2027/5期より稼働開始予定 200超

Ⅱ. FY2026 通期業績予想

2026年5月期業績予想

  • 第2四半期時点で 利益面の進捗は50%を超過 も、 2025年7月11日公表の当期業績予想は据え置く
  • 足元、当社想定より 円安で推移する為替 や、 一部受託品目の予算対比での下振れ など、不確実な経営環境は続くも、価格転嫁の交渉、スマートスペンディングの継続、新製品を含む利益率の高い製品の販売増加、第十製剤棟の稼働増加などにより、 通期予算達成を見込む

(単位:百万円、%)

1 6月1日付効力発生の1:2の株式分割を考慮したEPS及び1株当たり配当金 2 研究開発費には、開発部門の減価償却費、及び当該部門の人件費の変動を含む。

営業利益の増減分析

(単位:百万円)

建築物 金額増減
第十製剤棟 +239
第二試験棟 +241
勘定科目 金額増減
雑費 (含 試験外注費用) △289
  • 研究開発費には、開発部門の減価償却費、及び当該部門の人件費の変動を含む。 本チャートの減価償却費、人件費は、研究開発費以外の要素について表示。

Ⅲ. 中期経営計画「DTP2027」 進捗

詳細(1) 新・コンソーシアム構想実現に向けた協議の中間報告

新・コンソーシアム構想

  • 本構想では、後発医薬品の安定供給に向け、当社を筆頭に参画企業間での生産拠点集約を推進
  • 2025年10月には 新たに2社が加わり 、生産体制のさらなる効率化を目指し協議を継続

事業戦略 1.既存ビジネスの効率化

政府支援を活用した教育体制の構築
品質レベルの向上
設備投資(GMP人財の育成)

❶中止代替により、各企業間で重複する販売品目を23品目集約
医薬品の製造販売中止に伴う、治療継続を目的とした代替薬への切り替え措置
患者側の不利益を阻止しながら、両社の生産ラインを効率化

A社 C社 E社 F社
製販 製販 製販 製販
製販 製販 製販 製販

複数社が展開する同一成分製剤における、製造拠点および処方の集約・一元化

屋号「①」医薬 屋号「②」品B
医薬
屋号「①」
品C
屋号「②」

詳細(2) 「少量多品種生産」の脱却に向けた活動の進捗

事業戦略 1.既存ビジネスの効率化

  • 新・コンソーシアム構想内での協議を経て、現時点で 当社が新たに製造受託 する予定の品目は 3品目7規格 (詳細なスケジュール情報は下図)
  • 新・コンソーシアム構想参加企業以外 との相対での品目統合も順調に進捗し、 2品目の当社への集約が確定、1品目を検討中
  • 同時に、少量生産で不採算となっている 8品目を製造中止 (2025年6月以降)

  • 新・コンソーシアム構想内での協議で当社が新たに製造受託予定の3成分に関する年間生産数量(予定)と具体的な移管スケジュール

|FY2026|6月|7月|8月|9月|10月|11月|12月|1月|2月|3月|4月|5月|FY2027|6月|7月|8月|9月|10月|11月|12月|1月|2月|3月|4月|5月|
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
|品目A
1,000万錠~|||||||||承認|||||||||||||||||
|品目A
1,000万錠~||生産|準備|準備|準備|準備|準備|準備|準備|準備|準備|準備|準備|準備|準備|準備|準備|準備|準備|準備|準備|準備|準備|準備|
|品目A
1,000万錠~|||||||||||||||||||||||||
|品目A
1,000万錠~|||||||生産|生産|生産|生産|生産|生産|生産|生産|生産|生産|生産|生産|生産|生産|生産|生産|生産|生産|生産|
|品目B
~5,000万錠|||||||||||||||||||||||||
|品目B
~5,000万錠|||||||生産準||||||||||||||||||
|品目B
~5,000万錠||||||||検討|||||||||||||||||
|品目B
~5,000万錠||||||||検討|||||||生産|生産|生産|生産|生産|生産|生産|生産|生産|生産|
|品目B
~5,000万錠||||||||検討|||||||||||||||||
|品目C
~1億錠||||||||||||||||||||||||||
|品目C
~1億錠|||||||||生産準備|生産準備|生産準備|生産準備|生産準備|生産準備|生産準備|生産準備|生産準備|生産準備|生産準備|生産準備|生産準備|生産準備|生産準備|生産準備|
|品目C
~1億錠|||||||||||||||||||||||||
|品目C
~1億錠|||||||||||||||||||||||||
|品目C
~1億錠|||||||||||||||||||||||||
|品目C
~1億錠|||||||||||||||生産|生産|生産|生産|生産|生産|生産|生産|生産|生産|
|品目C
~1億錠|||||||||||||||||||||||||
















詳細(3) ガバナンス改革と意思決定の高度化に向けた取組み

事業戦略 1.既存ビジネスの効率化

  • ポートフォリオ会議やSales & Operations Planning(S&OP)プロセスの発足に加え、新たに多角的なアプローチで上市後の製品価値の最大化を目指す Life Cycle Management(LCM)会議を発足 、運用をスタート
  • DTP2027の開始以降取り組んできた一連のガバナンス改革は LCM会議を以って一定の目途 が立ち、今後は 成果を具現化するフェーズ

個別品目
関連

製品群等の集合体

詳細(4) 原薬連続生産技術の確立への挑戦

事業戦略 1.既存ビジネスの効率化

経済安全保障重要技術育成プログラムの概要

バイオ領域

有事に備えた止血製剤製造技術の開発・実証事業

感染症の流行や地震・噴火などの突発的な有事に対し、被害を最小限に抑えるべく、自律性を確保した形で対応可能な「備え」をすることは、我が国にとって戦略的に重要。中でも、医薬品は重度外傷者等の救命・救急医療に必要不可欠であり、平時から有事に備えた供給体制の構築を進めることが重要

研究開発項目

1 安全性の高い血小板凝集剤の開発
2 汎用性の高い人工血小板の開発

工場設備施工イメージ

原薬トップメーカーとして、連続生産技術の確立による原薬の製造コストの低減を目指すとともに、国家の経済安全保障の高度化に貢献してまいります

引用元:JST経済安全保障重要技術育成プログラム (https://www.jst.go.jp/k-program/index.html)

詳細(5) 中国におけるジェネリック製剤の開発と承認取得に関する進捗

事業戦略 2.中国ビジネスの強化

  • 直近半年間で 自社ジェネリック製剤3品目 (うち2品目は、中国内の制度改革に対応、安定供給体制を示し易い生産許可分類の「 A証 」(製造販売承認ホルダー+自社製造)での取得に変更)、 製造受託品目1品目承認を取得 、セレコキシブカプセルは初出荷に向けて製造を開始
SCHEDULE FY2024 FY2025 FY2026 FY2027 FY2028
自社品目1
プレガバリンカプセル
開発着手 申請 承認・上市
自社品目2
セレコキシブカプセル
開発着手 申請
自社品目3
イグラチモド錠
(旧 受託品目3)
申請
自社品目4
メトホルミン塩酸塩
・ビルダグリプチン配合錠
(旧 受託品目1)
申請
受託品目2 申請時期検
受託品目4 申請
受託品目5
エペリゾン塩酸塩錠
申請
受託品目6 申請
受託品目7 申請
受託品目8 申請
受託品目9 申請
受託品目10 申請
受託品目11 申請
その他受託品目

詳細(6) CDMOビジネスの現況

事業戦略 3.新規ビジネスへの参入

  • 戦略的パートナーシップを通じたCDMO事業の高度化により、希少疾患領域における事業基盤の確立と付加価値製剤のグローバル展開を推進

第一号案件の進捗状況(予定)

ノーベルファーマ社が開発を進める多系統萎縮症(MSA)を適応症とする、ユビキノール含有製剤「NPC-29」の開発については、治験薬の製剤開発を完了し、昨年11月に初回ロットの製造着手。本年3月に治験薬を出荷し、PhaseⅢ試験を開始予定。一刻も早い実用化と患者様への提供を目指し、開発・製造プロセスを着実に進展

臨床試験用製剤や市販製剤の処方検討、製法検討、製法等をはじめ、製造設備の検討・改造・新規投資など

多系統萎縮症(MSA)とは

  • 疾患の定義と特徴
    脳内の基底核、小脳、および脳幹が萎縮・変性する神経変性疾患。自律神経系の異常を主徴とし、血圧調節、心拍、呼吸等の自律神経機能障害、および安静時振戦、筋硬直、歩行障害等の運動機能障害を併発
  • 現状と課題
    現時点において根治的な治療法は確立されておらず、指定難病に分類
  • 国内患者数
    日本国内の患者数は10,528人(令和5年度末時点の医療受給者証保持者数/難病情報センター発表)

2026年1月14日 「パートナー関係構築に向けた協定」 を締結

概要

ダイトとDNPが本日締結した「パートナー関係構築に向けた協定」により、両社は 付加価値製剤の開発から製造販売 に至るまでのプロセス全体を対象に、互いの専門知識を活かしつつ、 国内外でビジネスを推進 して参ります。

協定の内容について

本協定は、DNPグループの有する パッケージ技術を使った付加価値製剤の開発能力 と、ダイトの有する製造販売承認の取得ノウハウ、 品質保証体制 、および原薬から製剤に至るまでの 多様なビジネスモデル という、互いの強みを活かすことを前提とする、日本と米国を含む グローバル領域で付加価値製剤を協働して開発・製造・販売する事業 に向けて積極的に協議を開始することに合意したものです。

詳細(7) PBR1倍割れ対策と資本配分の高度化に関する進捗

事業戦略 4.PBR1倍割れ対策と資本配分の高度化

  • 機動的な株主還元による資本効率の向上と、積極的なIR活動を通じた市場対話の深化により、持続的な企業価値の向上と適正な株価形成を追求
  • 東証公表「IR体制・IR活動に関する投資者の声」にて、評価事例として紹介
  • 東証メディア「東証マネ部!」に取材記事掲載(上場銘柄として2社目)

政策保有株式の縮減
取締役会にて「保有意義の正当性」の議論を強化
保有意義の乏しい銘柄は順次売却を実施
銘柄数 28銘柄→ 23銘柄 (2026年1月6日現在)


自己株式の取得・消却
2025年10月10日の取締役会にて発行済み株式数(自己株式を除く)の 4.2% に相当する 125万株、総額17.9億円(上限)の自己株式の取得取得後の消却 を決定(市場買付及びToSTNeT-3)

株主優待の新規導入
2025年7月11日の取締役会にて 優待制度導入 を決議
特設Webサイト [※] にて、当社取り扱い健康食品を 6割引きで購入可
※株主の方のみアクセス可
株主優待制度の説明ページを当社Webサイト内に新設
株主に送付される優待制度ご案内状(抜粋)
https://www.daitonet.co.jp/ir/dividend.html#yuutai

詳細(8) 人的資本投資への取り組み

事業戦略 5.人的資本への投資

  • 経営陣の強いコミットメントのもと、エンゲージメントサーベイの結果を具体的施策へ反映。「対話」と「実行」を連動させた人的資本価値の最大化サイクルを構築

Appendix. 会社紹介等

プロフィール

社名 : ダイト株式会社
本社所在地 : 富山県富山市八日町326番地
設立年月 : 1942年6月
決算期 : 毎年5月末
代表者 : 代表取締役社長兼CEO 松森 浩士(まつもり ひろし)
従業員数 : 1,073名(平均臨時雇用者数42名外数) ※連結、2025年5月31現在
事業内容 : 原薬及び製剤の製造販売・製造受託・仕入販売、健康食品等の販売
子会社 : Daito Pharmaceuticals America, Inc. (原薬・製剤の輸出業務支援)、大桐製薬(中国)有限責任公司(中国での製剤製造)

社是・経営理念・行動指針

沿革

1942年 6月
富山家庭薬の東南アジアへの輸出統制会社として大東亜薬品交易統制株式会社を設立
※1991年 ダイト株式会社(現社名)に商号変更

1949年 3月配置用医薬品製造を開始

1950年 6月原薬卸業部門を開設し、原薬の販売を開始

1976年 10月 医療用医薬品(ジェネリック医薬品)の製造を開始

1979年 11月 原薬の製造を開始

1985年 4月OTC医薬品の製造を開始

1987年 7月 [大和薬品工業株式会社を子会社化]
※2007年10月 株式交換により完全子会社化

1989年 10月原薬の新薬中間体の受託製造を開始

2001年 9月 医療用医薬品の受託製造を本格的に開始

2007年 11月 [米国イリノイ州に駐在員事務所を設置]
※2008年6月 廃止

2008年 6月Daito Pharmaceuticals America, Inc. 設立

2010年 3月東京証券取引所市場第2部に上場

2011年 3月 〃 第1部に指定

2012年 9月 [安徽微納生命科学技術開発有限責任公司を子会社化 (現社名:大桐製薬(中国)有限責任公司)

2022年 4月東京証券取引所 プライム市場へ移行

2025年 6月大和薬品工業株式会社(現社名:ダイト株式会社 下奥井工場)を吸収合併

設備の状況

製剤・その他 原薬
1949年 事務所・工場を新設 1979年 原薬実験棟を新設
1971年 研究所を富山市に新設 ※1985年同研究所を本社工場の隣接地に新設・移転 1982年 第一原薬棟を新設
2021年 品質保証棟を新設 1986年 原薬包装棟を新設
2022年 第七原薬棟新設 1989年 第二原薬棟を新設
2023年 第十製剤棟を新設 1999年 第三原薬棟を新設
2024年 総合研究センターを新設 2007年 第五原薬棟を新設
1979年 第一製剤棟を新設 2007年 第五物流センターを新設
1985年 第二製剤棟を新設 2011年 厚生棟を新設
1989年 第一物流センターを新設 2012年 第五原薬棟設備を増設
1993年 第三製剤棟を新設 2014年 大桐製薬(中国)に製剤棟新設
1995年 第二物流センターを新設 2014年 大和薬品工業㈱に原薬工場棟新設
2001年 第五製剤棟を新設 2014年 高薬理製剤棟新設
2001年 第三物流センターを新設 2016年 原薬工業化プロセス研究棟新設
2003年 第二包装棟を新設 2017年 高薬理R&Dセンター新設
2007年 第三包装棟を新設 2018年 第八製剤棟を新設
2008年 第六製剤棟を新設 2015年 第六原薬棟新設
2015年 第三原薬包装棟新設

当社グループ企業関連図

投資判断(AI生成)

投資評価: ★★★

評価の理由:
ダイト株式会社は、2Q時点で売上高が前年同期比+2.3%増収、営業利益が+10.6%増益と、4期ぶりの増益を達成しました。これは、Gx製品およびOTC製品の好調な売上と、棚卸資産評価減の改善、円高による原材料費低減が寄与した結果です。特に、売掛金回転期間の適正化と在庫管理の高度化により、営業CFが大幅に改善(+190.3%)し、B/Sの健全性が向上している点は高く評価できます。

一方で、懸念点も存在します。旧・大和薬品工業の吸収合併に伴う下奥井工場の一時停止による製造原価単価の上昇や、研究開発費の増加が利益を圧迫する要因となっています。また、通期予想は据え置きであり、足元の円安や一部受託品目の下振れリスクを認識しつつも、達成を見込むという姿勢は、やや楽観的と捉えることもできます。

中期経営計画「DTP2027」では、新・コンソーシアム構想による生産効率化、少量多品種生産からの脱却、CDMO事業の拡大、中国ビジネスの強化など、構造改革と成長戦略が具体的に進捗している兆候が見られます。特に、コンソーシアム構想による品目集約や製造中止品目の決定は、将来的な収益性改善に寄与する可能性があります。

しかし、これらの戦略の具体的な成果がまだ業績に十分に反映されているとは言えず、特に第十製剤棟の稼働開始時期(2027/5期以降)など、中長期的な視点での投資回収が求められます。財務体質は改善傾向にあるものの、成長の確実性や収益性の持続性については、さらなる実績確認が必要です。

投資判断の根拠:
現状の財務実績は堅調であり、特にキャッシュフローの改善とB/Sの効率化は評価できます。中期戦略も具体化しつつありますが、利益率改善や売上成長の確実性にはまだ不透明な部分が残るため、平均以上の評価(★3)とします。

重要なポイント:
1. キャッシュフローの大幅改善: 売掛金・在庫管理の高度化が営業CFに明確に寄与しており、財務体質の改善が確認された。
2. 構造改革の進捗: コンソーシアム構想や不採算品目の製造中止など、収益性改善に向けた具体的なアクションが進行中である。
3. 設備投資の先行: 第十製剤棟など大規模な設備投資が先行しており、今後の稼働率と収益貢献が重要となる。
4. 中国事業の進展: ジェネリック製剤の承認取得が進んでおり、将来的な成長ドライバーとなり得る。

会社への質問(AI生成)

[吸収合併に伴う下奥井工場の停止期間と、製造原価単価上昇の具体的な影響について、停止期間の延長リスクと、再稼働後のコスト構造改善見込みを定量的に教えてください。]

[新・コンソーシアム構想において、当社が新たに製造受託する3品目7規格の具体的な売上貢献見込みと、製造中止となる8品目の売上減少影響を定量的に示し、コンソーシアム全体での収益性向上への寄与度を説明してください。]

[CDMO事業におけるノーベルファーマ社との案件について、PhaseⅢ試験開始後の治験薬供給スケジュールと、市販化が実現した場合の年間売上貢献見込み、およびマージン構造について詳細を教えてください。]

売上倍増のための施策(AI生成)

施策名 成功率(%) インパクト 評価コメント
コンソーシアム構想による受託生産の拡大と高付加価値化 70% S 既存の生産能力と品質保証体制を活かし、コンソーシアム内での生産集約を加速。特に、少量多品種からの脱却と並行し、高薬理製剤や希少疾患領域の受託を強化し、単価の高い案件を獲得する。
中国市場における自社ジェネリック製剤の承認・上市加速 65% A 現在進行中の承認取得を確実に実行し、上市後の販売体制を強化。特に「A証」取得品目の販売を優先し、市場シェア拡大を図る。
CDMO事業におけるグローバル案件のパイプライン拡充 55% A DNPとの協業や既存のCDMO実績を基に、欧米のバイオ・製薬企業に対し、原薬から製剤まで一貫したサービス提供を強化。特に希少疾患領域での実績をテコにする。
OTC製品の販売チャネル拡大と新製品投入 60% B 既存のOTC製品群について、ドラッグストアチェーンやECチャネルでの販売シェアを拡大。新製品投入のスピードを上げ、売上貢献度を高める。

最優先戦略(AI生成)

最優先戦略:コンソーシアム構想による受託生産の拡大と高付加価値化

ダイト株式会社の売上を倍増させるための最優先戦略は、中期経営計画「DTP2027」の中核である「新・コンソーシアム構想」を最大限に活用し、受託生産(CDMO)事業を飛躍的に拡大することです。

現状、同社はGx製品やOTC製品が堅調であるものの、売上規模の拡大には限界があります。原薬事業は横ばいであり、持続的な成長のためには、高付加価値な受託製造の取り込みが不可欠です。

この戦略の強みは、既存の設備投資(第十製剤棟など)と品質保証体制を最大限に活用できる点にあります。コンソーシアム構想により、他社から生産移管される品目を確実に獲得し、不採算の少量多品種生産から脱却することで、生産効率の向上と利益率の改善を同時に実現できます。

具体的には、コンソーシアム内での生産集約を加速させ、移管される品目の製造を迅速に立ち上げることが重要です。さらに、この構想で培った信頼関係を基盤に、コンソーシアム外の企業に対しても、希少疾患領域や付加価値の高い製剤(例:DNPとの協業によるLCM製品)の受託を積極的に提案すべきです。

この戦略の成功には、コンソーシアム内での移管スケジュール遵守と、新しく受託する品目の品質・納期管理が鍵となります。特に、2027/5期以降の第十製剤棟の本格稼働と連動させ、生産能力を最大限に活用することで、売上倍増に向けた大きな柱を確立できます。この戦略は、既存の強みを活かしつつ、構造的な収益改善と売上拡大を両立させるため、最優先すべきです。

ITコンサルからの提案(AI生成)

ダイト株式会社の最優先戦略である「コンソーシアム構想による受託生産の拡大と高付加価値化」をITの側面から支援するための提案は以下の通りです。マーケティング関連の提案は除外します。

  1. 統合生産計画・リソース管理システム(S&OP高度化支援)の導入

    • 目的: コンソーシアム構想による生産移管と、既存・新規案件の複雑化に対応するため、需要予測、生産計画、資材所要量計画(MRP)を統合管理する。
    • 期待される効果: 移管スケジュールの遵守率向上、設備(特に第十製剤棟)の稼働率最適化、在庫水準の適正化。これにより、計画外の緊急対応や手戻りを削減し、生産リードタイムを短縮する。
    • 実現可能性: 既存のERPシステムとの連携を前提とし、S&OPプロセスのデジタル化を支援。経営層がリアルタイムで生産リソースの制約を把握できるようダッシュボードを構築する。
  2. 品質管理システム(QMS)のデジタル化とトレーサビリティ強化

    • 目的: 複数の製造拠点や受託品目が混在する状況下で、GMP要件を遵守しつつ、製造プロセスの全工程における電子記録・電子署名(21 CFR Part 11対応など)を導入する。
    • 期待される効果: 紙ベースの記録作業を削減し、監査対応の効率化とデータの一貫性を確保。特にコンソーシアム内での移管品目において、品質データの迅速な共有と検証を可能にし、品質保証体制の信頼性を高める。
    • 実現可能性: 既存の品質管理部門と連携し、バリデーション済みの電子記録システムを選定・導入する。
  3. 製造実行システム(MES)による製造現場の可視化とデータ収集自動化

    • 目的: 各製造ライン(特に新設された第十製剤棟)からの稼働実績、歩留まり、設備パラメータをリアルタイムで収集・分析する。
    • 期待される効果: 属人的なデータ収集を排除し、生産性のボトルネックを特定。製造プロセスの標準化を促進し、受託案件ごとのコスト計算精度を向上させることで、収益性の高い案件の選定を支援する。
    • 実現可能性: 既存のPLCやセンサーからのデータ連携基盤を整備し、製造現場のDXを推進する。